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白神 敏雄 院長の独自取材記事

湘南台しらがクリニック

(藤沢市/湘南台駅)

最終更新日:2025/10/02

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック main

やわらかで温かな言葉が、聞く人の心を包み込む。「湘南台しらがクリニック」の白神(しらが)敏雄院長は、患者が必要な治療を続けられるよう柔軟な対応に日々努めている。特に力を入れているのは糖尿病治療における食事指導。「いくら適切な治療法でも、患者さんに強要しては長続きしません。まずご本人が必要性を理解し、できることから少しずつ始めることが重要です」と訴える。患者の気持ちに寄り添う診療スタイルを長年続け、治療の意義も実感しているという。そんな白神院長に、同院の治療の特徴や診療方針などについて詳しく聞いた。

(取材日2025年9月18日)

地域医療への対応から、専門的な糖尿病治療まで幅広く

クリニックのある湘南台は、何かご縁のある場所なのですか?

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック1

自宅を起点に開業場所を探していた時、町の印象が良かったのが湘南台だったんです。私はもともと海が大好きで、日本のロックバンドの聖地でもある鎌倉に移り住んだ経緯もあって、このエリアで開業したいと考えました。幸いにも75坪ほどの広いフロアを借りられたので、患者さんものんびりできるのではないでしょうか。お子さんもよく走り回っていますし(笑)。また消化器外科で長く診療した経験を生かして、院内に先端の内視鏡設備を備え、がんなどの早期発見や治療にも力を入れてきました。

こちらは外科も内科も診療されるのですね。

ええ、2005年の開業以来、地域の医療ニーズに幅広く応えてきました。患者さんはお子さんから大学生、ご高齢の方までと幅広いですよ。専門は消化器外科ですが、勤務医時代にオールマイティーな対応が求められる救命救急を経験し、内科や皮膚科の勉強もしたことで、幅広い診療が可能と自負しています。消化器内視鏡は今でも得意分野で、大腸ポリープが見つかった患者さんには内視鏡的大腸ポリープ切除術に対応しております。ただ20年以上続ける中で、患者さんのご希望、私自身の経験、考え方の変化から、診療面での強みは新たな分野へ移行しました。それが糖尿病治療です。今では東京都内や千葉県、茨城県、南は静岡県の伊豆あたりからも患者さんがおみえになります。またアトピー性皮膚炎の症状に合わせて漢方薬を取り入れたり、アレルギー症状への舌下免疫療法、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療などにも取り組んでいます。

力を入れている治療について教えてください。

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック2

勤務医時代にも糖尿病治療にしばらく携わりましたが、その時と現在では治療法に大きな違いがあることに驚きます。もう20年も前になりますか、ふとしたご縁から糖尿病治療向けの食事指導に長年注力されている江部康二先生に出会い、院長を務める京都の高雄病院でも勉強させていただきました。また、アトピー性皮膚炎については、症状に応じて漢方薬を取り入れた治療を勉強する機会を得たのがきっかけです。そこで漢方薬の可能性を感じ、治療法をより深く追究したことが現在の診療につながっています。

患者一人ひとりに寄り添う、包括的診療​を

こちらのクリニックで行う糖尿病治療の特徴を教えてください。​

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック3

当院では糖質の摂取量に着目し、患者さんの状態に応じて段階的な糖質制限を行っています。最初から3食すべて制限するのは難しいため、夕食のみから始めるなど無理のない方法で進めます。薬も併用し、血糖値を見ながら徐々に減薬していきます。治療の説明では、患者さんの希望や過去の治療歴を伺い、理論的背景を理解してもらうことで継続の意欲を高めます。食事指導では自身の経験も交え、柔軟なアドバイスを行います。病状が安定している方には生活の話も交え、信頼関係を築くことで治療効果を高めています。​

睡眠時無呼吸症候群の診療にも取り組んでいらっしゃいますね。​

自宅で受けられる簡易検査を用いた診断と、CPAP療法を軸とした治療に取り組んでいます。睡眠時無呼吸症候群は就寝中にたびたび呼吸停止が起こる病気で、当院で治療に注力している糖尿病をはじめとする生活習慣病との関わりも深いです。寝ている間のことで本人の自覚に乏しいのが特徴ですが、適切に治療せず放置してしまうと、突然死につながったり、循環器疾患のリスクを高めたりする恐ろしい病気でもあります。痛みもつらさもないため軽視してしまう方も少なくありませんが、適切な診断と治療が大切な命を守ることにもつながります。家族から寝ている間の呼吸停止やいびきを指摘された方、昼間の眠気や倦怠感、集中力低下などが気になる方は、ぜひ早めにご相談ください。​

花粉症の治療についても教えてください。

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック4

花粉症の治療には、舌下免疫療法という治療法に力を入れており、当院では約10年前からこの治療法を導入しています。舌下免疫療法とは、アレルゲンを含む薬を舌の下に1〜2分置いた後に飲み込むという方法で、毎日継続して服用します。体を少しずつアレルゲンに慣らしていくことで、症状の緩和や根本的な改善が期待できます。この治療法が普及する以前は、漢方薬や注射などを組み合わせて対応していましたが、現在は舌下免疫​療法の有用性が高いため、この治療に力を入れています。​

「自らの手で人々を笑顔に」、その一心で医療の道へ

漢方薬を取り入れているそうですね。

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック5

当院ではアトピー性皮膚炎の方の体質改善をめざし、漢方薬を処方しています。いくつかの中から患者さんに合うものを選び出し、数種類を組み合わせて処方します。適切な処方を決めるため何度か試していただくことがあり、そのため2週間ほど間隔を空けて通院していただき、その後処方を決めるまで3ヵ月ほど猶予をくださいとお願いしているんです。また、アトピー性皮膚炎と併発しやすいニキビでお悩みの方にも、漢方薬が有用なケースは少なくないと思います。

ところで、先生が医師を志したのはなぜですか?

実は高校時代までは文系だったんです。ただ、浪人してから1年のブランクが空き、考えが変わりました。その際、たまたま近くに住んでいた大学生が日中から遊ぶ様子を見て、「数年後、自分もこんな生活をするのだろうか?」と疑問を感じたんですね。そこで突如、「自分は手に職をつけるために大学へ行こう」と思い立ち、志望先を理系の医学部に変更しました。予備校の担任からは「無茶なことを」と止められましたが、思い込んだら一直線な性格なので(笑)。しかし今はその時の自分の決断に感謝しています。自分の知識や技術で良い結果を出せれば、患者さんの喜ぶ顔につながる……そんな仕事に就けたのですから。特に開業後は診療面で新たなチャレンジもでき、本当に医師になって良かったと感じますね。

最後に、糖質制限を検討中の読者にアドバイスをお願いします。

白神敏雄院長 湘南台しらがクリニック6

働き盛りの方は、昼間は外出先で慌ただしく食べ、夜は仕事を終えて居酒屋へと、外食がどうしても多くなりがちですよね。でも、そんな方も糖質制限の食事は可能です。例えば焼き肉定食を頼んでも、糖質の吸収の抑制につなげるために最初につけ合わせの野菜をたっぷり食べ、ご飯は控えるなどの工夫ができます。しかも最近は外食の具体的なメニューやお菓子、総菜などに含まれる栄養や糖質の情報をまとめた冊子も出ています。医師の指導を受けながら、そうした資料を参考に食事を見直してみましょう。また当院では、患者さんが1週間分の食事を撮影した写真をもとに、一人ひとりの食事のご相談にも乗っています。できることから着実に進めて、糖尿病の克服をめざしましょう。

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