笹本 光紀 院長の独自取材記事
武蔵小杉ささもと小児科・アレルギー科
(川崎市中原区/武蔵小杉駅)
最終更新日:2023/08/10

近年、首都圏で住みたい街の上位にすっかり定着した武蔵小杉駅周辺。東急東横線の駅から直結する複合商業施設内の医療モールに、2023年5月にオープンしたのが「武蔵小杉ささもと小児科・アレルギー科」だ。特にアレルギーについて専門性の高い医療を提供する国立病院機構相模原病院で研究にも従事した笹本光紀院長は、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など、子どもに多いアレルギー疾患のエキスパート。「地域を拠点に重症化する前段階で適切な医療へとつなぎ、病気やアレルギーで苦しむ子を一人でも多く救いたい」と抱負を語る。自身も喘息に苦しんだ経験から力を入れることとなったアレルギー治療や、同じ小児科の医師である父への思い、クリニックでめざす医療など、幅広く話を聞いた。
(取材日2023年7月12日)
アレルギー疾患をメインに、小児科一般を幅広く診療
新規開院おめでとうございます。まずはご経歴と開院に至った経緯を教えてください。

ありがとうございます。医学部を卒業後、小さい頃からの夢であった小児科の医師を志し、東邦大学医療センター大橋病院小児科に入局。小児科一般に加え、NICUでの新生児診療や国立成育医療研究センターでの小児手術集中治療を経験後、アレルギー分野での学びを深めるため、国立病院機構相模原病院の小児科でアレルギーの研究に従事しました。相模原病院は特にアレルギーについて専門性の高い医療を提供し、全国から難症例が集まる病院です。ここで多くのことを学ばせていただきました。小児アレルギーは幼少期から適切な治療を行うことで、改善がめざせることの多い病気です。重症となってしまう前に、地域に根差した診療でそうした症状を持つ子を見つけ、適切な医療へと結びつけたい。一人でも多くの子を救いたいという思いで、クリニックの開設を決めました。
アレルギーについての高い専門性を診療に生かしていらっしゃるのですね。
小児科一般を広く診療しますが、特にアレルギーの専門的な診療に力を入れています。経験により得られた知見を広く還元したいと、現在でも大学病院でアレルギー専門の外来を担当しています。そのため、私が当院で診療できない月曜、木曜、土曜午後は、東京医科大学、日本医科大学などの小児科から先生方に来ていただいています。アレルギーの専門診療を希望される方は、火曜、水曜、金曜と土曜の午前にご来院ください。
どのようなアレルギー疾患を多く診ていらっしゃいますか?

食物アレルギーや花粉症を含むアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などです。開院からまだ2ヵ月ですが、アレルギーで受診されるお子さんはとても多く、症状も幅広いと感じています。また、アレルギー疾患は、体質としてご家族に共通するケースも少なくありません。特に、今や国民病と言っても過言ではないアレルギー性鼻炎などでは、お子さんと親御さんで別々に受診するのはご負担も大きいでしょう。当院では大人の方のアレルギーも診療しており、成人用のお薬をお出しすることもできますので、親御さんもお子さんと一緒にご受診いただけます。
改善がめざせる小児アレルギーは、悩むよりまず相談を
こちらのクリニックでは食物経口負荷試験も行っているんですね。

一般的には、病院に入院し長時間かけて行うことが多い食物アレルギーの経口負荷試験も、当院では昼休みの時間などを利用して対応しています。経口負荷試験とは、アレルギーの原因と疑われる食物を食べてもらい、アレルギー症状が出るかどうかを観察する試験です。実際に摂取するため重い症状が出る危険性があり、アレルギーに詳しい専門の医師のもとで慎重に行う必要があります。病院では予約により数ヵ月待ちになることが多いですが、クリニックであればより気軽に受けていただけると思います。
診療の際に心がけていらっしゃることはありますか?
親御さんが気づけないようなお子さんの症状や小さな変化まで、気づいて差し上げられるような医療をめざしています。とはいえ、お子さんに一番近く接し、見ていらっしゃるのは親御さんですから、お話をしっかり聞くことも大切です。当院には保育園勤務の経験を持つ看護師や、子育てを経験したスタッフが多く在籍しており、親御さんの不安や悩みにしっかりと寄り添える体制です。アレルギーの専門知識を持つ看護師もおりますので、どうか頼っていただきたいですね。小児のアレルギーは適切な対応により改善がめざせるものも多いので、一人で玉石混交の情報を前に悩むよりはご相談いただきたいと思っています。
院内でこだわった点があれば教えてください。

アレルギー科の診療では、検査のための採血など、お子さんが少し嫌な思いをすることも少なくありません。だからこそ、リラックスして過ごしていただけるよう、温かみのある空間づくりを心がけました。各所に飾っているイラストや装飾は、家族やスタッフの手づくりです。当院の象徴として大きく用いているロゴマークには、義母が描いてくれた私の似顔絵を採用しました。ホームページにも手書きのイラストを多数掲載しています。感染症の患者さまと一般の患者さまで入り口からの動線を完全に分けているのもポイントですね。
医療を通じて地域の子どもやその家族を見守りたい
小児科の医師を志されたきっかけは?

父が小児科の医師で、世田谷のクリニックで診療しています。子どもの頃は診察室の後ろにある小部屋で時間を過ごすことも多く、父の診療風景を間近に見てきました。また、幼い頃は喘息持ちで、発作で苦しい時に助けてもらったことも記憶に残っています。そうした記憶からか、アレルギーを専門に診る小児科の医師を志したのは自然なことでした。実は、父が診療したお子さんが大人になって、今度は母として当院に自分の子を連れていらしたことも。ご縁の大切さを感じるとともに、こうして思い出していただける父の存在のすごさを改めて実感しました。自分もいつかはそんな父のようになりたいと思いながら、月曜日には父のクリニックで一緒に診療を行っています。
休日の気分転換に楽しんでいらっしゃることはありますか?
4歳と2歳の娘がおり、私自身も休日は父親として子どもと一緒に遊ぶことが多いです。次の週末はどこに行くか、何をするかを考えるのが楽しみな日々。いろいろなことを体験させてやりたいと考えていて、コンサートなどで音楽を一緒に楽しむ体験や、収穫体験、虫取り体験など、一緒にやりたいことが山積みです(笑)。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

アレルギー診療を必要とされる患者さまは大勢いらっしゃるので、いずれは二診体制として、地域のアレルギー診療の中心を担うクリニックとなることが目標です。そのためにはまずご来院いただく方お一人お一人の満足度向上をめざし、なるべくお待たせすることなく、ご納得いただける診療を提供していきたいですね。幼少期から野球少年で、グラウンドが多数あるこのあたりは慣れ親しんだエリア。そんな地域に貢献できる喜びを噛みしめています。商業施設併設ながら、入り口は別という少しわかりにくい場所にありますが、駅直結と利便性は高いクリニックです。来ていただいた方に安心を提供したいと、医師はもちろんチーム一丸となって取り組んでいます。アレルギー症状はもちろん、風邪症状や予防接種・健診から、育児にまつわるお悩みまで、ぜひお気軽にご相談ください。