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田口淳一 所長の独自取材記事

東京ミッドタウン先端医療研究所

(港区/六本木駅)

最終更新日:2019/08/28

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「めざすのは生活の質を向上させ、がんを慢性疾患のように扱えるようになることですね」と語る「東京ミッドタウン先端医療研究所」田口淳一所長。循環器医療専門医だが、循環器領域の枠を超え、先駆的、総合的な視野から幅広い分野の医療に携わってきた。そして東京ミッドタウンメディカルセンターのプロジェクトに携わり、2007年に「東京ミッドタウンクリニック」の院長に就任。“六本木のホームドクター”をめざして高度な総合診療を提供してきた。さらに、より先進的な医療を提供するために、2010年先端医療研究所を開設し、樹状細胞ワクチン療法やその他のサポート療法を提供する。最先端の医療に携わるトップドクターでありながら、にこやかで親しみやすい人柄も印象的。治療に際しても、何よりも患者や家族との信頼関係を大切にし、患者の生活の質の向上に取り組む。多くのがん患者や家族に支持される頼もしいドクターだ。
(取材日2014年6月30日)

臨床を大切にしながら、先駆的な医療に取り組むトップドクター

こちらの先端医療研究所開設までの経緯を教えてください。

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もともと理科系、特に生物系が好きだったので自然に医師を志し、大学卒業後は東大病院を中心に、内科一般、循環器内科の診療に携わってきました。1993年から3年間シアトルに留学して動脈硬化関係の研究に取り組んだこともあります。その後、上司にあたる黒川清先生と共に、東海大学の八王子病院の立ち上げにも携わりました。さまざまな経験を経て、自分は研究より臨床が向いていると考えるようになり、またアメリカスタイルの総合診療科クリニックを日本にも導入したいとの思いから、この「東京ミッドタウンメディカルセンター」のプロジェクトに関わりました。そして、クリニックの院長を務めながら、充実した医療機器や外部医療機関とのネットワークも活かした先端的な治療にも取り組みたいと考え、2010年に当研究所を立ち上げました。

ご専門は循環器内科なのですね。

そうです。循環器の研究と臨床を中心に手がけてきましたが、次第に専門分野に取り組むだけでいいのか、もっと幅広い医療に取り組むべきではないかと考えるようになりました。もともと内科を選んだのも、多様な診療に取り組めるからです。また、研究よりも臨床に取り組みたいと思っていたので、それならば多方面の診療を経験した方がいいと考え、国立がんセンター(現 国立がん研究センター)で研鑽を積みました。循環器科医で国立がんセンターで学ぶ人は珍しいと思います(笑)。遺伝医学も必要だと考えたので、東京医科歯科大学の研修コースで学び、臨床遺伝専門医の資格もとりました。私にとってはいろんな方と話すことがいちばん面白いですし、それで病気を治す手助けができれば楽しいことだと思うんですよ。研究は医学の発展に寄与するところが大きく、面白みももちろんありますが、臨床には、直接人を相手にする、多くの人と話すことの面白さがあると考えています。

院長を務められているクリニックについても教えてください。

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「東京ミッドタウンクリニック」は、研究と臨床が一体となった病院のスタイルを築いたパイオニアとしても知られるアメリカのジョンズ・ホプキンス・メディスン・インターナショナルと提携協定を結んでいることが大きな特徴です。クリニックとしては規模的にも少し特殊なポジションであり、大学病院の外来と同じレベルの診療をコンパクトにスピーディに提供することができます。ベッドのない病院という感じですね。一般外来は近隣にお勤めの方などが利用されています。健診センター・人間ドックセンターでは、さまざまな種類の検査や健診を行っており、会員制のプレミアムな人間ドックもご用意しています。六本木という場所柄、患者さんの1割以上は外国人で、英語での診療にも対応できます。

画期的な免疫がん療法“樹状細胞ワクチン療法”に取り組む

先端医療研究所の特徴を教えてください。

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最新世代のがん免疫細胞療法の一つである「樹状細胞ワクチン療法」を中心に、外部の医療機関とも連携しながら集学的がん治療の提供を行っております。患者様とよく話し合い、患者様が生活の質を高めながら病気とともに前向きに歩んでいけるよう最大限のサポートをめざしています。当施設では、がんを攻撃する働きを確実に引き出す「バクセル」による樹状細胞ワクチン療法をご提供しています。バクセルの技術は、東京大学医科学研究所及び大阪大学で開発された技術をもとにしており、バクセルを実施する大学病院を中心とした全国の医療機関とともに臨床実績を積んでいます。最近は「樹状細胞ワクチン療法」を提供する医療機関が増えてきましたが、樹状細胞ワクチン療法はどれも同じという訳ではありません。豊富な臨床実績と他にはない高い技術力によるワクチンを患者さんに提供しているのが当施設の樹状細胞ワクチン療法の特徴です。慶應義塾大学医学部との共同臨床試験では、樹状細胞ワクチンの作製および投与において協力も行っており、保険適用も目指して積極的に取り組んでいます。また、同フロアに併設されているクリニックと連携し、必要に応じてCTやMRI、がんの早期発見を目的としたPET-CT検査(PET-CT検査は、会員制医療サービスの検査項目で、検査自体は提携医療機関で受けていただきます。)や遺伝子検査などを受けることができるのも特徴のひとつです。遺伝子検査では、がんの遺伝カウンセリング外来を設けており、遺伝の専門家である臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーによる、遺伝性のがん(家族性腫瘍)の詳しいリスク評価ができます。さらに、同じグループである東京放射線クリニックでは、副作用の少ない高精度な放射線治療を提供しており、患者様の状況に合わせて樹状細胞ワクチン療法と放射線治療の併用も可能です。免疫療法と放射線治療は一般的に相性が良いとされており、相乗効果が期待できます。このように、内部や外部の医療機関とのネットワークを最大限に活用し、がんの予防、早期発見、治療、セカンドオピニオン、家系全体の健康管理まで、さまざまな面で患者さんやご家族をサポートしています。

樹状細胞ワクチン療法とはどんな治療法なのですか。

樹状細胞とは免疫細胞の一つです。私たちの体の中では、免疫細胞であるリンパ球が体中をパトロールして、がん細胞を見つけると攻撃します。ところが、がん細胞は変装の名人で、リンパ球が見つけられないこともあります。そこで、樹状細胞はがん細胞を見つけて食べることでがんの「印」を手に入れ、それをリンパ球に教え、がん細胞を攻撃するように指導します。樹状細胞は、いわば変装の見破り方を教えてくれる先生のような存在なのです。がん細胞の変装を見破れるようになったリンパ球は体中をめぐり、がん細胞だけを狙って攻撃します。しかし、樹状細胞は数が少なく、がん細胞が増えすぎると樹状細胞の働きが追いつかなくなるので、人工的に樹状細胞を増やして体に戻す方法が“樹状細胞ワクチン療法”です。

樹状細胞ワクチン療法には、どんな特徴やメリットがありますか。

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樹状細胞ワクチン療法は、患者様の細胞をもとにワクチンを作製するため副作用も少なく、体に優しい治療法ということができます。通院で治療できるため、入院する必要もありません。また、手術や放射線療法や化学療法と組み合わせることもでき、がんを治すというより、進行を遅くして生活の質を保つことができるのが大きなメリットだと考えています。今は保険適用ではないので自由診療となっていますが、将来、iPS細胞を使えるようになれば治療にかかる費用もかなり軽減することが期待できます。めざしたいのは、がんを、心臓病や腎臓病などの慢性疾患と同じように扱えるようになることですね。健康な人よりは多少の制約はあるが、普通の生活ができるという状態にすることが重要だと考えています。

より多くの人に役立つ、六本木のホームクリニックをめざして

印象に残る患者さんとのエピソードがありますか。

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研修医の頃、16歳から潰瘍性大腸炎で入退院を繰り返している女性を担当したことがあります。私が診た時はちょうど20歳になったところで、とても気持ちが落ち込んでいたようなので、「もう大人なんだから、自分のことを知るためにこれまでのカルテを見たら」と勧めました。上司にも相談しないでカルテを開示してしまったわけですが、それをきっかけに、彼女は治療に前向きに取り組んでくれるようになりました。今は結婚してお子さんもいて健康に過ごされています。その方が数年前、ある新聞に「20歳の時に主治医がカルテを見せてくれたことに感謝している」と投書されたことがあったのですが、それを知り、とても嬉しかったです。これは、患者さんときちんと向き合えたケースではないかと思っています。免疫療法の患者様のケースでは、あるギリシャ人のすい臓がんの患者さんが印象に残っています。彼は、すでに末期と診断されており、ロンドンで別の治療を受けていましたが、飛行機で東京にある当院にまで来られて樹状細胞ワクチン療法を受けられました。しかし、樹状細胞ワクチンの1回目の投与の後に急激に悪化し、別の病院に入院。腹膜播種で腸に穴が開いて緊急手術が必要となりました。通常、がんの腹膜播種で緊急手術となると、その後の余命は1ヵ月持つかどうか、というところですが、その患者さんは腹膜播種の手術を終えた後、さらに2回目の樹状細胞ワクチンを打つことを希望され、それからわずか3日後に帰国されました。そのような状態で長時間のフライトに持ちこたえ、その後なんと1年ほども元気に活動されていました。もうお亡くなりになったのですが、帰国後1年間、自由に好きなことをされて過ごされたそうで、樹状細胞ワクチンを行った私自身、かなり驚いた事例です。

今後、めざすところを教えてください。

樹状細胞ワクチン療法は、研究者や臨床医だけでなく、患者さんやご家族からも高い評価をいただくようになり、全国的にも治療を希望される患者さんが増えてきました。がんになっても諦めないために、免疫療法と標準治療、緩和治療、栄養サポート、漢方などの補完療法を一体化して提供し、生活の質の向上をめざしたいと考えています。そのためには国際的なネットワークで、信頼できる学術機関と提携し、最新情報をボーダーレスに取り入れ、さまざまな研究者や企業とも連携して、患者さんやご家族に確実な情報と多様な治療法を提供できる環境を作りたいと考えています。諦めないというのは無理をしてほしいということではありません。さまざまな治療法や可能性を知り、その中から、その人それぞれの道を選んでいただくということです。そして、めざすのは、がんを「慢性疾患」の一つとして扱えるようになるレベルまで治療を進化させることです。また、がんだけではなく、動脈瘤や心筋梗塞など動脈硬化系の疾患や、将来的には認知症などを予防できるような先端的な医療にも取り組んでいきたいと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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医師という仕事は、さまざまな人に出会えますし、感謝されることも多く、やはりとてもよい仕事だと思います。患者様に感謝され、信頼される医療を提供していくために、医師の努力が求められるのは当然ですが、一人の医師にできることはどうしても限られてしまいます。そういう意味では、東京ミッドタウン先端医療研究所は、同フロアにある東京ミッドタウンクリニックをはじめ、皮膚科形成外科クリニックNoage(ノアージュ)、デンタルクリニックだけでなく、外部の医療機関との充実したネットワークも活用することで、患者様の幅広いニーズに対応することが可能です。がんの免疫療法だけでなく、メタボリックシンドローム対策などの先端医療、一般保険診療から健康診断や人間ドック、美容医療や審美歯科、放射線治療など、トータルに皆様の健康をサポートできる体制を整えています。男性女性を問わず、病気でお悩みの方も予防に力を入れたい方も、ぜひ六本木のホームクリニックとしてお気軽にご活用ください。

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