高橋 潤一 院長の独自取材記事
汐留高橋歯科医院
(港区/新橋駅)
最終更新日:2025/09/11

新橋駅より徒歩約4分。汐留駅より徒歩約3分の立地に「汐留高橋歯科医院」はある。同院を開業した高橋潤一院長は、日本歯周病学会歯周病専門医として多くの人々の歯の健康を支えてきた。立地柄、忙しいビジネスパーソンの診療に長く携わってきたほか、昨今では、近隣歯科医院の閉院により、同院を訪れる地域住民も増えているという。「目の前の患者さんにしっかりと向き合っていくことが目標」と語る高橋院長に、診療のこだわりや同院の展望について話を聞いた。
(取材日2025年8月19日)
ビジネスパーソンや地域住民にとって心強い歯科医院に
開業までの経緯を教えてください。

私は神奈川県秦野市の出身で、祖父と父は自宅で歯科医院を営んでいました。その背中を見ていた私は、子どもの頃から自然と歯科医師を志すようになりました。東京歯科大学卒業後は、東京歯科大学千葉病院(現・東京歯科大学千葉歯科医療センター)に勤務しながら同大学大学院を修了しました。千葉病院や東京歯科大学水道橋病院に勤務しながら、歯周病専門医の資格も取得しています。主に仕事で忙しい患者さんを多く診ていたのですが、その方たちを診る日々の中で、ご家族のお口の悩みを聞くこともありました。より多くの患者さんを診療したいという想いから、当院を開業しました。
2023年7月に移転されたそうですね。
距離にすると100m以内ですが、心機一転、移転しました。移転前から通われている患者さんや、近隣にある大きな会社にお勤めの患者さんも、引き続き来院されています。最近、当院よりも古い歴史を持つ近隣の歯科医院が2軒ほど閉業しました。その関係からか、地域の方の来院は増えていると感じます。80~90代の高齢者も多いですね。当院の患者さんは一様に口腔内の健康に対して意識が高く、歯周病のケアやメンテナンス目的で来院される方が多い印象です。
こちらの歯科医院の特色を教えてください。

歯周病菌に関しては大学で研究を深め、歯周病専門医の資格を取得しました。歯周病で困っている方がいれば、役に立てると思います。また立地柄、多忙なビジネスパーソンの方々を10年間にわたり診てきた経験があるので、診療スケジュールの予定が立てにくい方にもある程度対応が可能です。忙しく頻繁に通院することが難しい場合は長く時間を取って一度に治療する、あるいは短い時間で少しずつ治療を進めるなど、患者さんのご都合に合わせて治療計画を立てています。
診療に際してどのようなことを心がけていますか?
患者さんの痛みをなるべく軽減できるよう努めています。例えば、麻酔注射の前に表面麻酔を塗り、丁寧に針を刺すようにしています。また、患者さんにリラックスしてもらえるよう、スタッフ一同、適切な距離感でコミュニケーションを取るよう心がけています。緊張すると余計に痛みを感じやすくなりますから、いかにリラックスして治療を受けてもらうか、ということを常に意識しています。新型コロナウイルス感染症の流行後は一般的になりましたが、当院では以前から滅菌処理に対しても非常に気を使ってきました。感染症の治療について勉強をしてきた経験から、感染予防の知識を生かした滅菌対策を行っています。非常に高性能なオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を使用し、患者さんごとに治療器具を交換・滅菌しています。
歯周病に対する知見で、患者の健康をサポートしたい
ご専門である歯周病について教えてください。

歯周病は、歯肉炎のような軽度のものから、歯を支える骨が半分以上溶けてしまう重度なものまで幅広いです。日本では成人の80%以上が、何らかの歯周病にかかっているといわれています。歯周病の治療には特殊な薬や手術が必要なイメージを持つかもしれませんが、程度や原因によって治療の難易度は変わります。歯周病の直接の原因は、プラーク(歯垢)が歯茎周辺にたまることです。しかし、歯磨きの習慣をはじめ、歯並びや噛み合わせ、噛み癖、以前受けた治療の状態などによって、口内環境は人それぞれ異なります。原因をしっかり把握してどのような順番・タイミングで治療するかがとても大事です。当院では、問題点をしっかり抽出した上で、診断・治療を進める流れを重視しています。
歯周病を予防するためには、どのようなことに気をつけるべきですか?
歯磨きはもちろん、食生活や生活習慣にも気を配ってほしいですね。不規則な生活や疲れは菌に対する抵抗力を落とすため、口の中の炎症が起きやすくなります。ですが、食生活や生活習慣、歯磨きを徹底し、維持することは難しいものです。そのため、3ヵ月~半年に1回は定期チェックに通うことをお勧めします。定期チェックをするとなると、歯磨きや生活習慣をいつも以上に意識するようになるはずです。3ヵ月に1回というペースは、言い換えれば「各季節に1回」です。それほど負担は大きくないと思うので、季節の変わり目ごとに、お口の中に注意を向けてみてください。
昨今、歯周病と関連した新たな変化はありますか?

最近では、歯周病菌を調べるためにPCR検査が用いられるケースが増えています。菌がいるか、それは悪さをする菌かそうではないかなど、口の中の状況が検査ですぐにわかるようになりました。口の中の状況を個別に評価できるので、治療間隔を短くする根拠や、患者さんの動機づけにもなっていますね。PCR検査は自由診療の扱いですが、新型コロナウイルス感染症の流行を経て一般化したことや、その効率性によって、希望される患者さんが増えてきました。最近では審美歯科を希望される患者さんも増えていますが、歯周病をしっかりと治療することは歯の美しさにもつながります。健康な歯肉が土台となればこそ、見た目にも機能的にも完成度が高い治療が可能となります。
目の前の患者としっかり向き合うことが目標
機材の導入状況について教えてください。

最近ではCAD/CAMシステムを導入しました。3Dスキャナーで口腔内をスキャンし、そのデータをもとに詰め物やかぶせ物の設計・作製を短時間で行います。歯を削ってから詰め物・かぶせ物を入れるまでの工程は、本来は2週間ほど時間が必要です。しかしこのシステムであれば、1時間程度で完了します。スキャナーを導入している歯科医院はちらほらありますが、1時間ほどで治療できるシステムを導入している歯科医院はそれほど多くないと思います。自由診療になりますが、かかる時間が短いので、半休を取るなどして来院することも可能です。
患者さんとの印象的なエピソードはありますか?
以前勤めていた先での話ですが、認知症を患った女性の患者さんがいらっしゃいました。その方は、「余生がどれくらいあるかわからないけれども、しっかりと歯を治療して整えたい」という意思を持っていました。認知症のせいで治療日や病院への道のりを忘れてしまうことも日常茶飯事でした。一人暮らしでご家族もいなかったので、ホームヘルパーや訪問看護師と連携を取って治療を進めることにしました。とても大変な経験でしたが、治療を終えた後、患者さんの豊かな人生づくりの一助になれたという達成感がありました。
今後の展望について教えてください。

当院があるエリアは忙しいビジネスパーソンの方が多いので、今後も引き続き定期チェックに来ていただけるような雰囲気を大事にしたいです。また近隣住民の方々にも、もっと気軽に来ていただきたいですね。規模をいたずらに拡大することは考えていません。自分の目や手がしっかり届く範囲で、患者さんたちと向き合っていきたいです。
最後に、読者にメッセージをお願いします。
きれいな口元であれば自信も生まれ、自然に良い笑顔も生まれると思っています。歯並びや歯の色など、少しでも気になるところがあれば遠慮なくご相談ください。歯科医院はネガティブなイメージを抱かれがちですが、例えば診療中に仮眠する、それくらいリラックスして診療を受けることができるので、気軽に来ていただけるとうれしいです。昨今、口の中のケアは心臓病や脳梗塞、糖尿病など全身疾患の予防や治療につながるというエビデンスも増えています。これからも歯周病や口内のメンテナンスを通じて、患者さんの健康や豊かな人生に寄与していきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周病菌のPCR検査/8800円程度、セラミックを用いた補綴治療/詰め物・かぶせ物:4万9500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。