生川 寛之 理事長の独自取材記事
森下ベリタス歯科
(江東区/森下駅)
最終更新日:2025/05/08

下町情緒の残る森下で診療を行う「森下ベリタス歯科」は、森下駅から徒歩2分のほどの清澄通り沿いという好アクセスの場所にある。印象的なクリニック名の”ベリタス”は、ラテン語で「誠」を意味する。誠心誠意診療に取り組むという生川寛之理事長の信念を象徴したクリニック名だという。明るくモダンな院内は奥行きがあり、徹底した衛生管理を施した手術室と個室、さらに半個室の診察台が5台と患者のプライバシーを守る造りになっている。また、高度な医療機器をそろえ、歯科医師と歯科衛生士はみな拡大鏡を装着して診療にあたる他、マイクロスコープも導入し、精密な治療に努めている。長く勤めるスタッフが多く、半数近くは子どもを持つ母のため優しく患者に寄り添うアットホームな雰囲気だ。生川理事長に診療にかける思いを聞いた。
(取材日2025年3月25日)
治療にも人にも誠心誠意向きあう
“ベリタス”というクリニック名が印象的ですね。

べリタス(veritas)はラテン語で「誠」を意味する言葉です。誠心誠意診療に取り組むという気持ちを屋号に込め、それを貫き通せるようにと命名しました。患者さん、スタッフ、あるいはお世話になっている業者さんなど、お付き合いする人すべてに誠心誠意向き合える人間でありたいですし、自分自身に対しても誠実でありたい。また、患者さんの気持ちを大切にする真心や患者さんのために歯科医学を追求する心、そういった思いを持ちながら、日々の診療にあたっています。
開業して8年目に移転されたのは何かきっかけがあったのですか?
2013年に近くで開業したのですが、ありがたいことに患者さんやスタッフが増え、手狭になってきました。もう少し広い所をと、いろいろ探している時に、交通の便が良く、スペースのあるこちらが見つかったので、2021年に移転しました。以前の場所と同じく、生まれ育った浅草橋のような、親しみやすく人情味のある下町の雰囲気に心惹かれました。2018年にはより実家に近い蔵前に分院を開院しました。そちらの場所で開業されていた院長がお辞めになると知り、通っていた患者さんのお役に立つならと、開院を決めました。当院では、歯科医師が常勤3人、非常勤2人と矯正専門の歯科医師が1人、歯科衛生士6人が働いてくれています。長く勤めてくれるスタッフが多く、1人は開業以来12年、短いスタッフでも3年になります。半数はママさんなんですよ。患者さんともなじみが深くなり、助かっています。
どのような患者さんが多いですか?

年齢的には若い方からご高齢の方まで幅広く、偏りなくおいでいただいています。お住まいの方や個人事業主の方など、近隣の方が多いでしょうか。きっかけは「歯が痛む」「詰め物が取れてしまった」「歯が欠けてしまった」など、一般的な症状で来られることが多いように感じます。その際、当院では痛みに隠れて見えない症状や、患者さん自身が気づいていない病気の発見にも努めています。例えば、歯周病などの隠れた病気を発見することは、私たちの大切な仕事であると思います。地域の歯科クリニックとして、幅広い治療に対応しています。
「インフォームド・チョイス」を大切に
「インフォームド・チョイス」を診療方針に掲げていらっしゃいますね。

インフォームドコンセントは「説明と同意」の意味ですが、説明と同意の間にある大切なことがチョイス、つまり「選択」です。患者さんのお口の中はそれぞれ異なりますから、まずカウンセリングによって、患者さんに適したいくつかの治療計画を作成し、ご説明します。これがインフォームド(説明)です。その際大事にしているのは患者さんの話をよく聞くということです。患者さんのお気持ちをくみ取りながら、一つ一つの治療法について長所と短所をわかりやすくきちんとご説明した上で、患者さんに治療方法をチョイスしていただきます。歯科医学的にはAが望ましいが、今は家庭の事情などで時間が取れないのでBを選択しておき、1年後にまたということもできます。そうすることで「これは自分の選択した治療法だ」という思いが生まれます。患者さんと私たちが一つのチームとなって治療を進めていくのが、当院の治療方針です。
説明の際、工夫されていることはありますか?
スタッフに伝えているのは、「見える説明」をしましょうということです。説明というと、どうしても言葉に頼りがちですが、図や写真のように目で見てわかる説明ツールを使ったり、専門用語をなるべくかみ砕いてお話ししたり。最近は便利なアプリもありますので、それを患者さんの携帯に送って差し上げたり、紙のほうがいいという方には印刷して紙でお渡ししたり。クリニックを出た後も、いつでも見返すことができるよう、読めるものや見えるものをお渡しするよう、心がけています。自由診療についても、丁寧に説明をしています。詰め物などはお口の中にずっとあって毎日使うものだということを意識していただけるようお話しし、それぞれの材料の長所と短所をご説明した上で、最終的には患者さんにご判断いただいています。
新型の機器をそろえていらっしゃいますね。

痛みの少ない精度の高い治療を患者さんに提供するために、新鋭の医療機器を導入しています。まず、適切な診断と安心できるインプラント治療や矯正を行うために、3Dの歯科用CTを導入しています。また、インプラントナビゲーションシステムのガイドも導入しました。より安全な治療につなげたいと思い導入し、インプラント治療で役立てています。歯科用顕微鏡のマイクロスコープはミクロ単位の治療を行う際、必要不可欠です。さらに、一般歯科治療やクリーニングを行う際には、スタッフ全員が拡大鏡を装着しています。肉眼では見ることのできない歯の細かい凹凸や隠れた根管、補綴物の状態など口腔内の状態を細かい部分を見ることができますし、虫歯の早期発見、早期治療にも役立ちます。衛生管理の面では、高レベルの滅菌器を使用しています。
高齢者と子どもへの新たなアプローチ
歯科医師を志したきっかけは何ですか?

父は歯科技工士で、義歯やセラミックなどを作る技工所を経営していました。私が歯科医師をめざすきっかけとなったのは、父の仕事への熱い思いに魅せられたからです。朝早くから夜遅くまで、楽しそうに熱心に仕事をしている姿を間近に見て育ったので、その父が作る義歯やセラミックを使って治療する歯科医師になりたいと自然に思っていました。「夢は歯医者さん」と小学校の卒業文集にも書いていましたね。父の後は弟が継ぎ、私は弟が作った義歯やセラミックを使って治療しています。当時から思っていたのはいい治療をするためには技工士さんをはじめ関わるスタッフとのコミュニケーションが大切だということです。歯科医師からの一方通行ではなく、一緒に働く人達がフラットに話をし、連携が取れる、コミュニケーティブな治療を大事にしたいと思っています。
今後の展望を教えてください。
ご高齢の方とお子さんへのアプローチを考えています。一つはご高齢の方のお口の健康に寄与したいということです。最近、口腔機能低下症が問題になっています。それを防ぐために、栄養バランスの良い食事を取ったり、知らないうちに衰えているお口周りの筋肉を鍛えたりすることは、ご高齢の方にとって大事なことです。今後、管理栄養士さんの手を借りた食事指導やお口周りの筋肉トレーニングに取り組みたいと考えています。もう一つは、お子さんの早期矯正です。明らかに歯並びが悪くなってから矯正するより、悪くなりそうだと予見できれば、その時点で予防のアプローチをしていきたいと準備しています。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

歯が痛くなったからと来院なさる方がほとんどですが、痛くなる原因というのは、その前にワンクッションあることが多いのです。例えば、右の歯が痛むのは、実は左の歯の詰め物が取れたのを放置して、右側ばかりで噛んでいたからというようなことです。歯科医院に行くのは気が重い、なるべく避けたいと思っているうちに、重症化してしまうこともあります。そうなる前に、気軽に寄ってもらえる歯科医院でありたいですし、「お口の中のことなら、ベリタスに行けばなんとかなる」という、地域の拠り所になりたいと思っています。必要があれば、しかるべき医療機関へのご紹介もできますが、ある程度のご要望やオーダーには応えられると自負しています。何か気になることがあれば、気軽に足をお運びください。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/85万8000円~、インプラント治療/59万9500円程度、セラミックを用いた補綴治療/6万6000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。