北詰 勇 院長の独自取材記事
東海岸みなみ歯科クリニック
(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)
最終更新日:2025/08/13

JR東海道本線・茅ケ崎駅南口から徒歩8分の「東海岸みなみ歯科クリニック」。院長を務める北詰勇先生は、神奈川歯科大学を卒業後、大学病院や神奈川県内の歯科医院で数多くの経験を積んできた。同院では、予防歯科に力を入れ、重度の虫歯や根管治療が必要な場合でも、可能な限り歯を残すための治療に取り組んでいる。患者との十分なインフォームドコンセントを重視し、治療に臨む前に丁寧な説明を徹底。患者のプライバシーに配慮し、診察室は半個室。働く世代を中心に幅広い年齢層の患者が訪れ、子ども連れでも安心して受診できるよう、受付から目の届く位置にキッズルームを備えている。今回は北詰院長に、同院の特徴や診療時のモットーなどについて詳しく話してもらった。
(取材日2025年7月11日)
「医療の基本は人と人」、患者との信頼関係を重視
歯科医師をめざそうと思ったきっかけを教えてください。

父親が港南台で歯科医院を開業していたことが大きいと思っています。母親も歯科衛生士として働いていた時期があり、家には日中誰もいなかったので、学校から歯科医院に直接帰る日々でした。そんな父親の背中を見て育ったので、後を継ぐことへの抵抗感はありませんでしたね。もちろん、他の選択肢を考えたこともあります。人前で話すことが苦手ではなかったので、一時は一般企業の就職面接を受けようとしたこともありました。しかし、「人の役に立てる」という面で圧倒的な魅力を持つ医療に惹かれ、最終的に歯科医師をめざすことにしたんです。
どのような患者さんが来院されているのでしょうか?
患者さんの年齢層は幅広く、若い世代からご年配の方まで老若男女問わずいらっしゃいます。特に多いのは働き世代の30〜50代でしょうか。今年で開業から13年目になりますが、開院当時から長く通っていただいている方や、家族やお知り合いの紹介で来院される方もいらっしゃいますね。この地域の方々は予防意識が高く、セルフケアもしっかりされている方が多いため、定期的なクリーニングやメンテナンス目的での来院が比較的多い印象です。
知覚過敏でお悩みの方も多いと伺いました。

そうですね。知覚過敏の原因として、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりが影響していることが多いと感じています。特に、仕事や育児などで日常的にストレスを抱えている方が多く、そういった背景が歯ぎしりにつながり、歯茎が下がることで知覚過敏の症状が出ている方も少なくありません。患者さんには「ストレスをゼロにするのは難しいので、どうやってうまく付き合っていくかが大事ですよ」と話しています。歯ぎしりによる負担を軽減するために、ナイトガードという就寝時のマウスピースをお勧めすることが多いです。健康保険が適用されるものもありますので、お気軽にご相談いただければと思います。
勤務医時代に学んだインフォームドコンセントの重要性
診療時に意識されていることはありますか?

歯を一本でも多く残すために、抜歯や歯の神経を取り除くといった治療は避けたいと考えています。歯の神経を取り除いてしまうと、歯は脆くなってしまうんです。そのため、虫歯や歯周病を未然に防ぐ予防歯科の意識が大切だと日々感じています。患者さんに対し、予防やセルフケアの重要性について情報発信することを心がけていますね。また、医療は人と人との関係性の上で成り立つので、患者さんとの信頼関係が何より重要です。そのため、インフォームドコンセント、つまり医師からの十分な説明を受けた上での患者さんの同意を得ることを大切にし、不安をできるだけ払拭できるよう対話を心がけています。
説明に力を入れられているのですね。
医療従事者として当たり前のことですが、限られた診療時間の中で治療を進めるために、必要な情報をしっかりとお伝えすることは常に意識しています。中にはお話しだけで診療時間が終わってしまうこともあります。ただ、こちらが伝えたいことが100あったとしても、患者さんにすべてそのまま伝わるわけではありません。常に相手の様子や反応を見ながら、「何をどこまでどう伝えるか」を意識しています。患者さん側からすると、治療中は「何をされているかわからない」という不安も大きいと思うので、治療内容や目的を丁寧に伝えることを重視しています。これは開業当初からずっと変わらずに大切にしている姿勢ですね。
わかりやすく伝えるために、どのような工夫をされていますか?

口頭で説明するだけではなく、目で見て理解してもらうことに注力しています。例えば、口腔内カメラなどを使っています。これは小型のCCDカメラのような機器で、その場で撮影することが可能なので、患者さんに口の中の様子を詳しく見ていただくことができます。症状を把握していただいたら、工程を段階的に説明した3D画像や冊子類を使って、今後の可能性や治療方法の説明を行っています。
多く取り入れている治療法はありますか?
保険適用のCAD/CAM冠のご要望が多いです。白いかぶせ物で、見た目が自然な上、条件に当てはまれば保険適用になるので、患者さんにとっても心理的、経済的な負担が少ないのが大きなメリットでしょう。もちろんセラミックなどの自由診療も非常に良い選択肢だと思っていますが、やはり費用の面で躊躇される方も少なくありません。そうした中で、CAD/CAM冠は保険内でできる治療として、遠方から来院される患者さんもいらっしゃいます。患者さんの負担を少しでも減らしつつ、質を重視した治療を提供できるよう、今後も取り組んでいきたいと考えています。
予防医療に注力し、歯を一本でも多く残したい
こちらの歯科医院の特徴としては、どのようなことが挙げられますか?

当院ではデジタル化を積極的に進めています。具体的には、口腔内スキャナーを活用し高精度なデジタル印象採得(型採り)が可能です。従来の型採りでは、印象材を口に入れるのが不快だという方も多かったと思いますが、スキャナーは印象材が不要で精度も非常に高いのが特徴です。従来の型採りが苦手な方にも、快適に受けていただける選択肢だと思います。また、当院には個室、半個室を備えています。個室診療室では、プライバシーがしっかりと保たれているため、他の患者さんの視線や音が気になることなく、リラックスした環境で治療を受けていただけます。入り口に段差があるのですが、車いすやベビーカーの方も来院できるよう、簡易のスロープをご用意していますので、お気軽にお声かけいただければと思います。
めざす歯科医院像を教えてください。
地域の皆さんにとって、お子さんからご年配の方まで、家族皆が安心して通える歯科医院でありたいと思っています。患者さんにはよく「私の治療を受けることがゴールではないんですよ」と話しています。理想としているのは、歯科医師の私よりも、歯科衛生士と定期的にお口のケアについて話す機会を大切にしてもらうこと。つまり、治療ではなく、クリーニングや予防で来ていただけることが何より重要だと思っています。虫歯を削って詰め物をする治療は「治った」と言われがちですが、失った歯は戻ってきません。あくまで人工物で補っているだけなんです。だからこそ、小さなお子さんから大人の方まで、自分の歯を一本でも多く残して、おいしく食事ができるようになるため、地域に根差した歯科医院でありたいと思っています。
休日はどのように過ごしていますか?

休日は小学校から続けているサッカーをしたりしていますね。外に出て動くとリフレッシュできるので、気分転換として楽しんでいます。また、たまに自転車に乗ったりしています。健康維持のために、自転車で出勤する日もありますよ。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
歯科に来るのが5年ぶり、10年ぶりという方もいらっしゃって、問診票を見ながら「重い腰を上げて来てくださったんだな」と、心から思います。歯科の治療はどうしても後回しになってしまいがちだと思いますが、だからこそ一歩踏み出してくださった方に対しては、できる限り患者さんに寄り添って、しっかり向き合っていきたいと考えています。また、当院にはキッズルームもありますので、小さなお子さん連れの方でも安心してご来院いただけると思います。どうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/5万5000円~、成人矯正/6万6000円~(別途、診査・診断料2万7500円)、小児矯正/5万5000円、ホームホワイトニング/3万3000円~、オフィスホワイトニング/3万3000円~、ナイトガード/1万6500円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。