谷島 綾子 院長の独自取材記事
やじま皮膚科
(杉並区/西荻窪駅)
最終更新日:2025/02/26

西荻窪駅から徒歩3分の、閑静な住宅街に位置する「やじま皮膚科」。大叔母が開業していた婦人科クリニックの場所を引き継ぎ、現院長の谷島綾子先生が2011年に皮膚科を標榜して開業した。待合室は楽しげな印象のビタミンカラーで統一され、出窓から見える外の景色や、熱帯魚が泳ぐ水槽、谷島院長の知人アーティストの作品を見ることができ、緊張して訪れる患者の気持ちもホッと和らぎそうだ。谷島先生は、皮膚科臨床歴29年目のベテランドクター。「患者さん一人ひとりと心を込めて向き合い、困っていることは何かを把握するよう心がけています」という言葉から、真摯な診療姿勢が伝わってくる。撮影中は終始笑顔で、「自分のことを話すのが苦手で」と遠慮がちな表情を見せたが、取材では治療方針や患者への思いなどについて一生懸命話してくれた。
(取材日2025年1月8日)
ニキビ、アトピー性皮膚炎、しみなど幅広い悩みに対応
開業の経緯について教えてください。また、内装のこだわりは?

この場所は私の実家でもあり、以前は大叔母が婦人科のクリニックを開業していました。場所だけを引き継ぎ、2011年に皮膚科クリニックとして開業したのです。西荻窪は、3世代くらい前から住んでいる方や、新しく生活を始めたファミリー層など、さまざまな世代がいる街。開業して14年目ですが、患者さんも以前から来てくださる方だけでなく、引っ越してきたばかりの方などいろいろです。幅広い患者さんが居心地良く過ごせるように、院内のシートはビタミンカラーを選び、待合室には熱帯魚の泳ぐ水槽があります。写真や絵画なども飾られ、緊張感がほぐれるのではないでしょうか。トイレは広めに設計し、おむつ替えが必要な方は別室で対応できるように配慮もしています。
どのような患者さんが来院されるのでしょうか。
ニキビ、アトピー性皮膚炎、じんましんなどでいらっしゃる方が多いです。ニキビの場合は、症状がポツポツと出始めたお子さんだけでなく、思春期から大人まで幅広く悩みを抱えています。アトピー性皮膚炎は以前は乳幼児に多い疾患でしたが、最近は中高生や大人のほうが多く受診されますね。それ以外の主訴としては水虫、かぶれ、しみ、乾燥肌などが目立ちます。また、巻き爪の治療にも対応しているのが当院の特徴。インターネットで調べて来院される患者さんもいます。当院に一度いらしていただいたことをきっかけに、ご家族で来院されることも少なくありません。
診療の際に心がけていることを教えてください。

心を込めて診療することです。患者さん一人ひとりと真剣に向き合い、その方が何に困っているのかを適切に把握するよう心がけています。また、スキンケアの適切な方法や薬の1回分の量なども丁寧に指導することを大切にしています。肌のトラブルは日常生活や体調などと関係することが多いものです。患者さんの日々の暮らしからバックグラウンドまでを見据えて、食事や睡眠について聞き取るなどして生活上の注意点のアドバイスもしています。治療法を選択する際も患者さんとのコミュニケーションを欠かさず、「どの程度まで肌をきれいにしたいのか」といったご希望やめざすゴールなどについて細かく伺います。患者さんと信頼関係を築き、皆さんが笑顔になれるような「アットホームで心安らぐクリニック」を目標としています。
症状に応じて積極的治療やスキンケアを実践
ニキビの治療を積極的に行っているそうですね。

ニキビは原因や現れた場所などに応じて、塗り薬や飲み薬を処方しています。患者さんによっては、「目立つニキビが治れば良い。それ以上の治療は望まない」「肌がつるんとするように、徹底的に治したい」など、望まれるゴールが違うので、希望に合わせて症状緩和を目的とする薬などを処方しています。女性の場合、月経周期に応じて女性ホルモンが変動してニキビが目立つことがあり、生理の1週間前あたりは黄体ホルモンが増えて皮脂の分泌が活発になることも。このような場合に、ニキビができにくい体質をめざして漢方薬を処方することも可能です。ニキビ予防の視点から使用する化粧品のアドバイスもできるので、お気軽にご相談ください。
アトピー性皮膚炎の治療について、詳しく教えてください。
アトピー性皮膚炎といっても、乾燥が主な症状の人、広範囲で炎症が強い人、重症だけれども症状が部分的に見られる人など、状態は患者さんにより異なります。ご希望を聞きながら、ステロイドなどの治療薬や保湿剤を処方して、経過を見ていきます。近年では新しい塗り薬や注射薬も出ているので、その方に合った治療法を一緒に考えていきたいと思っています。日常生活のアドバイスとしては、スキンケアが重要なので丁寧に指導しています。症状が穏やかな場合は保湿剤を中心としたスキンケアを徹底し、症状が重ければステロイドなどを使った積極的な治療をするなど、臨機応変に対応することも重要です。
お子さんのアトピー性皮膚炎についてはいかがでしょうか。

私にも子どもが3人いますから、お子さんのつらい症状に悩む親御さんの気持ちがよくわかります。特に患部が目に見える分、ストレスも大きいかもしれません。当院では、薬の塗り方や量、タイミングなどをきめ細かにお伝えすることを心がけています。無理なく続けるためのアドバイスも併せてお伝えして、患者さんとご家族の不安に寄り添えるよう努めています。近年、新しい薬もさまざま開発されています。幼少期は親御さんも管理が大変かもしれませんが、お子さんのアトピー性皮膚炎は多くの場合、小学校へ入学する頃には自然と落ち着くとされていますが、症状が長引くような場合にどうしたら良いのか、一緒に考えていく姿勢を大切にしています。
巻き爪の治療や往診にも対応し地域医療に貢献
しみのご相談も多いと伺いました。

30~60代の患者さんが中心で、頬骨の辺りなど、お顔の目立つところにあると気にされる方が多い印象ですね。男性で相談に来られる方もいらっしゃいますよ。当院では、経過をしっかり診ることを重要視しています。最初のしみの状態を記録し、2週間後に経過観察をして、調子が良ければ1ヵ月後に再診するという流れです。2週間で変化が見込める方もいればそうでない方もいて、経過は患者さんによって個人差があるものなので、その人の状態に応じて進めるようにしています。
巻き爪の治療も取り扱っているのですね。
症状やご本人の生活パターンなどに合わせて、治療法を選択しています。強いたんぱく質腐食作用を持つ薬剤を用いたフェノール法という手術にも対応。そのほか、自由診療で巻き爪の矯正も行っています。一般的に矯正は長期にわたって行いますが、比較的短期間で行う方法として、湾曲した爪をワイヤーで矯正し、巻き爪治療用の特殊な薬を併用する治療法も採用しています。運動をしている方は、常に汗で湿り気があるため爪や皮膚が弱いことも。その状態が続いて巻き爪になると治療が難しくなるため注意が必要です。足に合わない靴による圧迫で爪が痛い、爪が皮膚に食い込む、巻き爪気味だった爪を自分で切ったら症状が悪化したなど、気になる症状がある方は、早めにご相談ください。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

2011年の開業以来、ずっと通ってくださる患者さんが多く、とてもありがたいと思っています。新しく足を運んでくださる方も含めて、皮膚科のかかりつけ医として地域住民の健康維持に貢献するため、これからも日々誠実に診療していくつもりです。高齢化が進み、医療機関に通うことが難しい患者さんも地域に増えているので、当院では週に1回、往診に対応しています。これまで来院されていたけど通院が困難になった患者さんを対象にしているので、ぜひご利用ください。当院は、「こんな悩みを相談してもいいの?」という小さな症状でも大丈夫。アトピー性皮膚炎、じんましん、ニキビ、水虫、爪のトラブルをはじめ、日頃気になるお肌のお悩みがありましたら、どうぞお気軽に足を運んでみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは巻き爪の矯正/9000円〜、特殊な薬剤を併用する巻き爪の治療/5000円~