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小寺 志保 院長の独自取材記事

ひよしペインクリニック

(横浜市港北区/日吉駅)

最終更新日:2025/07/31

小寺志保院長 ひよしペインクリニック main

東急東横線をはじめ複数路線が乗り入れる日吉駅は学生が多く、活気のある街並みが広がる。駅から歩くこと5分、日吉中央通りから少し道を逸れると和邸宅のようなたたずまいの「ひよしペインクリニック」が見えてくる。院内も外観の印象に違わず、白と木目を基調とした落ち着ける空間でぬくもりを感じられる。そんなクリニックで2025年4月から院長を務めるのが、小寺志保先生だ。謙虚で飾らない雰囲気の中にも「診療して終わりではなく、患者さんのそばで並走するような医療を提供したい」という熱い想いを持つ小寺先生に、クリニックの特徴や診療への想いについて語ってもらった。

(取材日2025年6月11日)

不安や痛みに寄り添い、ケアできる医師をめざして

先生が麻酔科の医師をめざしたきっかけを教えてください。

小寺志保院長 ひよしペインクリニック1

高校生の頃、身内が闘病しており、病院へ頻繁にお見舞いに行っていました。その時に目にしたのが、医師や看護師が命と真摯に向き合う姿勢。その姿に感銘を受け、医療の道へ進むことを決意したんです。そして、大学の医学部に進学して知ったのは、同じ医師でも働く場や専門性は多種多様だということです。中でも、私がイメージしていた医師像は患者さんをケアする看護師に近かったのだと気づきました。麻酔科医は手術中に患者さんが安心して過ごせるようにケアしていくのが役割で、他の科と比べると治療よりケアの側面のほうが強いのが特徴です。患者さんに寄り添ったケアをしていきたいと思っていた私にとって麻酔科医はぴったりの職業でした。

2025年4月にこちらのクリニックの院長に就任されたそうですね。

はい。私は大学卒業後に麻酔科に入局し、当初は手術中の麻酔管理を行っていましたが、患者さんの不安を軽減し、痛みをケアしていく中でペインクリニックという領域に興味を持ちました。それ以来、大学病院や総合病院のペインクリニックで経験を積み、当院でも非常勤医師として勤めてきました。当院は前院長のご実家だった場所に開業したクリニックです。前院長は私の大学の医局の大先輩にあたり、同じ女性として憧れの存在でもあります。そんな前院長がリタイアされる際にお声がけくださり、2025年4月に院長に就任しました。私も前院長が築いてきたすてきなクリニックを大切に継承していきたいと思っています。

ペインクリニックとはどのような診療科なのでしょうか?

小寺志保院長 ひよしペインクリニック2

ペインクリニックになじみがなく、何をする場所かわからないという方も多いですよね。ペインクリニックは痛みを持つ人全般を診るクリニックです。当院で最も多い主訴は腰痛です。手術をするほどではないけれど、腰の痛みに苦しんでいる方が多数いらっしゃいます。次に多いのが帯状疱疹。通常、痛みは1ヵ月ほどで改善されていくことがほとんどですが、1割ほどの患者さんが皮膚症状が治まった後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」という状態になります。また、原因となる疾患が完治した後も痛みが長期間続き、コントロールが難しくなる「慢性疼痛」になるケースがあります。このように、ペインクリニックでは皮膚科や内科などでの治療を終えた後の痛みのケアも行っています。

地域住民の体と心を癒やすクリニックでありたい

院内にはカフェも併設されているのですね。

小寺志保院長 ひよしペインクリニック3

カフェや院内のお庭は当院の自慢の一つですね。「慢性疼痛」には特効薬や確立された治療法がないとされており、患者さんの中にはつらい想いを抱えながら過ごしておられる方も少なくありません。そういった患者さんの癒やしになるよう、2019年に前院長が院内にカフェを併設しました。診察室では痛みで顔をしかめていた患者さんも、カフェでリラックスされるかもしれませんからね。たとえ、痛みがゼロにはならなくとも、少しでも気持ちが軽くなると私たちもうれしいですね。また、患者さんだけでなく、付き添いで来られたご家族が診療が終わるのを待つ間にもご利用いただいています。新型コロナウイルス流行以降は、人ごみを避けて繁華街から足が遠のいたご近所の方も多かったのではないでしょうか。カフェのみでもご利用いただけますし、私を含め、スタッフも毎日利用できるような居心地の良いカフェにするのが理想ですね。

こちらのクリニックではどのような治療を受けられるのでしょうか?

メインとなるのは注射と薬での治療です。注射と一言で言っても、体の表面に打つものから脊髄にある神経の近くまで深く打つものまで種類はさまざまです。その中から患者さんの痛みの原因に応じて適切なものを選択し、メリット・デメリットをお話ししてから治療にあたります。注射は怖いとおっしゃる方も多いので、まずは内服薬や漢方薬で痛みのコントロールを図ることも多いですね。当院のある横浜市には高度医療機関がたくさんあるので、より高度な治療が必要となった際には必要に応じて紹介も行っています。逆に内科や皮膚科の先生からの紹介で当院へ来られる患者さんもいらっしゃいます。患者さんに寄り添った医療を提供するため、地域との連携は大切にしていきたいと思っています。

痛みは主観的で理解されにくい面もあるかと思います。

小寺志保院長 ひよしペインクリニック4

痛みの度合いは検査をしてわかるものではなく、数値化できないので、なかなか判断しづらいところではありますよね。でも、患者さんに痛みがあるというのは事実。例えば、どんなことをしている時に痛みが強いか、痛みを感じやすい時間帯はあるかをお伝えいただくとスムーズに診療できます。また、治療の際に使用する注射との相性があるので、普段服用されているお薬も教えていただくようにしています。もちろん、私たちも患者さんにとってどんなケアがいいのかをお話ししながら治療を進めていきます。初診ですと30分ほどかけて丁寧に問診しますので、痛みに悩んでいたらまずは気軽に来ていただきたいです。

漢方を取り入れた診療で地域の健康をサポートしていく

漢方を使った治療にも力を入れていると伺いました。

小寺志保院長 ひよしペインクリニック5

私が以前、大学病院のペインクリニックに勤めていた際、当時の教授が漢方を使っており、漢方を使った治療を間近で見てきました。それがきっかけで漢方を勉強し始め、日本東洋医学会の漢方専門医も取得しました。当院には漢方を求めている患者さんがたくさん来られます。そういった方だけでなく、慢性の痛みを抱えて来られた方に漢方をお勧めすることもあります。内科で血液検査やCTを行っても原因が見つからず痛みに苦しんでいる方や、西洋の薬で効果を感じられなかった方には漢方を処方することもあります。

漢方を使った治療はどのように行われるのでしょうか?

まずは問診で患者さんが抱える痛みや不調について伺います。そして、脈の状態を診る脈診と、舌の状態を診る舌診、おなかを診る腹診といった東洋医学ならではの診察を行います。これらの診察では、気・血・水のバランス、体の状態を知ることができるんです。西洋医学では症状から病名を判断してお薬を決めますが、東洋医学ではご本人が感じている不調や体質に沿ったお薬を処方します。そのため、原因がはっきりしている痛みではなく、「なんとなく痛い」「なんとなく不調」という患者さんにこそ、漢方をぜひ試していただきたいですね。

今後のビジョンを教えてください。

小寺志保院長 ひよしペインクリニック6

日常生活を健康に過ごす「養生」にも漢方は生かせるので、より一層力を入れて取り組んでいきたいと思っています。何より一番の目標は、これからも地域のクリニックとして、日吉の皆さんの痛みに対応していくことですね。そのためにも患者さんのお話にしっかり耳を傾け、共感することを大切にしています。前院長が共感能力の高い方で、その人柄に多くの患者さんが安心して通院してくださってきたので、私もそうでありたいと思っています。私はプライベートでは子どもをもつ母親であり、犬も好きで飼っています。ですので、患者さんとも犬の話をすることがよくあります。当院は小さなクリニックではありますが、だからこそ、そんなふうにリラックスして患者さんお一人お一人と丁寧に向き合うことができるんです。痛みに悩んでいる方がいらっしゃったら一人で不安なまま抱え込まず、気軽にご相談いただければと思います。

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