全国のドクター14,035人の想いを取材
クリニック・病院 156,465件の情報を掲載(2025年12月08日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 多摩市
  4. 京王永山駅
  5. 医療法人社団 Fortune Arch 福嶋歯科医院
  6. 福嶋 太郎 院長

福嶋 太郎 院長の独自取材記事

福嶋歯科医院

(多摩市/京王永山駅)

最終更新日:2025/11/14

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院 main

多摩市永山にある「福嶋歯科医院」は、歯周病治療に力を入れているクリニックだ。院長の福嶋太郎先生は、日本歯周病学会認定の歯周病専門医の資格を持ち、歯周病治療に情熱を傾ける歯科医師。2019年にはもっと知識を得たいとアメリカに留学。先進の歯周病治療について学び、その経験を現在のクリニックの診療に生かしている。一般のクリニックで処置が難しい歯茎を切開しての歯周ポケットの掃除や、骨の再生療法などにも対応。高い専門性を持つ歯科医師だが、その素顔は穏やかでとても話しやすい。順序立てた丁寧な説明も得意とし、患者の不安解消に努めている。そんな院長に診療の柱である歯周病のことや今後の展望などを聞いた。

(取材日2022年11月18日)

豊富な経験と専門性で「歯周病治療の最後の砦」に

クリニックのコンセプトを教えてください。

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院1

歯周病治療の最後の砦というのをコンセプトの一つに掲げています。僕は日本歯周病学会歯周病専門医の資格を持っているのですが、取得するまでに中度から重度の歯周病を数多く治療する必要があり、経験を積んできました。通常のクリニックでは対応が難しいような症状の方も受け入れているため、このコンセプトを掲げるに至りました。僕が歯科医師になりたての頃は「患者さんに優しくする歯医者」「何でも対応してすぐ終わる」といったコンセプトがはやっていたのですが、今の患者さんは自分にとって、どんな治療が必要か事前に調べて来る方が多く、70歳の方も僕のブログを読み込んで来てくれます。そういう方に向けて「何でもやります」だと迷ってしまうと思い、自分ができることを明確に打ち出しました。それにより、患者さんも歯周病に悩まれている方や、専門の歯科医師に診てもらいたいという方たちが来てくれています。

歯周病専門医として留学もご経験されたそうですね。

日本で歯周病専門医の資格を取ったのですが、世界中の研究や新しい治療は英語で書かれていて、今のままでは弱いなと思っていました。なので、ずっとアメリカで歯周病を学びたいと思ってトライしていて、新型コロナウイルス感染症流行の1年前にテストに合格し、行くことができました。ただ行ってみるととても大変で(笑)。1週間で300ページの論文を読んで50ページの考察にまとめるという作業を毎週毎週繰り返しました。大変でしたが、自分の中に治療の明確な基準ができました。また、「こういう研究があって、こういう結果だからこうなっている」など、患者さんに自信を持って説明できるようになったことも良かったですね。

院内の設備も充実していますね。

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院2

診察室の奥に手術室を造り、マイクロスコープも設置しました。また、さまざまな検査に必要となるCTやエックス線検査機器は先進の物を入れ、超音波で骨を削る器具も導入しました。歯周病の手術の一つで歯根端切除術という感染源となっている歯根を除去する手術があるのですが、超音波は低侵襲な手術につながります。歯周病治療の一環で行う矯正をよりスムーズに進めるために、口腔内3Dスキャナーも導入しました。インプラント体の型や虫歯治療の際の補綴物の型を採ったり、患者さんに説明するツールとしても利用しています。

歯茎を切開する歯周外科手術や、骨の再生療法にも対応

一般的なクリニックと、こちらのクリニックの歯周病治療の違いはどんなところでしょうか?

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院3

留学を機に、「フラップ手術」とも呼ばれる歯茎を切開してプラークや歯石を除去する歯周外科手術の必要性を感じ、積極的に治療に取り入れるようになりました。当院では2021年1月~12月までで300弱の歯周外科手術を行っています。一般のクリニックだと歯を削ることには抵抗がないのですが、歯茎を切ることは避ける所も多く、そのあたりが当院との違いではないでしょうか。歯周ポケットは2、3ミリが適正で、それ以上深くなると歯周病と診断されます。5ミリより浅ければ切開せずにお掃除できるのですが、5ミリを超えると普通のお掃除では9割がた取り残してしまいます。そこで歯茎を開けた状態で掃除する必要があるのです。歯周病を根本的に治せるかどうかは、この歯周外科手術が関わってきます。加えて、ただ切って汚れを取るだけでは歯周病によって壊された骨は戻りませんので、再生療法も同時に行います。

骨にアプローチする治療とはどういったものですか?

骨の再生療法なのですが、簡単にいうと骨は細胞と足場と成長因子の3つがそろうと作られるため、もともと持っている細胞に定住する足場と、骨を作りなさいと指令を出す成長因子の2つを補うという治療です。その治療とともに、骨ができてほしいところに皮が入ってこないようバリアを設けて骨を作っていきます。この技術はインプラント治療にも活用しています。インプラント治療をしたいけれど、骨がないところにこの技術を用います。そのため、歯周病を専門とする歯科医師がインプラント治療を行うと、きちんと骨を作りしっかりとしたインプラント治療を行うことにつながると思います。

歯周病を放置する危険性について教えてください。

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院4

口の中で炎症が起き、骨が溶けて歯が抜けるというのが一般的なイメージだと思いますが、もう少し突き詰めると歯周病は寿命にも影響すると考えられています。歯周ポケットは面積を合わせると手のひらほどあるため、歯周病は何年も手のひらがやけどしているような状態です。最初は治そうとする物質を出すのですが、そのうち出すぎた物質が体に良くないものへと変化。そうすると体の中で炎症を起こし、糖尿病を悪化させるともいわれています。菌が血管を通して体の中に回るので、心筋梗塞のリスクも上がる恐れがあります。奥歯の噛み合わせが減って喉が締まることで、睡眠時無呼吸症候群にもなりやすくなるのではないかとアメリカでは考えられています。口の中だけではなく、全身の病気に関わってくるため一度検査を受けてリスクを確認しましょう。

今後はインプラント周囲炎の治療に力を注ぎたい

先生はなぜ歯科医師をめざされたのでしょうか?

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院5

もともと父も母も歯科技工士でした。父は僕が幼稚園くらいの時に歯科大学に入り直して、昼間は大学に通い、夜は働いて稼ぎながら歯科医師になった人ですから、子どもながらに「すごいな」と思っていました。歯科医師も選択肢の一つではありましたが、それよりも最初は建築士になりたかったですね。宇宙飛行士にも憧れていました。それが運良く高校の指定校推薦で明海大学の歯学部に入ることができて、それまでは頭が良いタイプでもなくて勉強も嫌いだったのですが、大学はみんなスタートが一緒ですから、そこからは勉強しました。実際に歯科医師になってみて、やりがいを感じますし楽しいですね。

診療において大事にしていることは?

歯周病はとても複雑な病気で、歯科医師でも理解しきれていない人がいるくらいですので、患者さんには物語のようにわかりやすく伝えるように努めています。また、歯周病は重度だと歯が抜けているケースも多く、歯周補綴が必要になります。治療した後の状態が長く続くように、より安定した補綴を提供できるように取り組んでいます。治療後は3ヵ月に1回のメンテナンスも大事です。3ヵ月という期間にも理由があり、歯の汚れはだいたい100日くらいでまた同じ大きさになるため、そうなる前にケアしたいからです。研究でも4ヵ月以上開けてランダムに来ていた人と、3ヵ月ペースで来ていた人とでは、その後の状態にはっきりと差が出ています。長い治療になりますし、メンテナンスもずっと続きますから、居心地の良い院内づくりも大切だと考えています。当院は若いスタッフが多いのですが、素直な人が多くていい雰囲気がつくれていると思います。

最後に今後の展望、読者へのメッセージをお願いします。

福嶋太郎院長 福嶋歯科医院6

当院ではインプラント治療も行っていますが、インプラント治療は比較的新しい治療方法でそれに付随する病気も新しく、まだ治療が確立していないものがあります。インプラント周囲炎というインプラント版の歯周病があり、治し方は研究中で定まっていません。しかし、インプラント治療を受けた方の中に、10%ほどいるとされていますので、今後はインプラント周囲炎を専門的に治していくクリニックにしたいとも考えています。また、歯周病は定期検診も必要ですが、ホームケアが一番大事です。歯周病になるリスクが高まる30代のうちに一度精密検査を受けてリスクを知り、自分の歯磨きの癖なども学んで予防に取り組んでいただきたいですね。

Access