竹田 和義 院長、竹田 遼 先生の独自取材記事
竹田内科クリニック
(小金井市/武蔵小金井駅)
最終更新日:2023/01/25

武蔵小金井市の閑静な住宅街にある「竹田内科クリニック」は、古くからこの地域に根差す歴史あるクリニック。内科・循環器内科・腎臓内科・糖尿病内科の診療を行っており、在宅診療や往診にも対応している。院長の竹田和義先生は、高血圧症と腎臓病を専門とする医師で、この地で開業していた義父の医院を引き継ぎ、1999年から診療を開始。総合内科の医師として心臓病や不整脈などの循環器疾患、生活習慣病などの治療にも力を入れている。2022年4月からは、次男の竹田遼先生が週2日、長男の竹田渓輔先生が週1日の診療を担当し、泌尿器専門の医師の外来も導入。2024年には新クリニックを設立する予定だという竹田院長と遼先生に、詳しい話を聞いた。
(取材日2022年12月26日)
地域の人々の健康を長年支え、患者から愛される医院
歴史あるクリニックだと伺いました。

【竹田和義院長】私は函館の出身で、大学入学を機に上京しました。東京大学理学部生物学科で学びましたが、高校時代の友人の多くが医師を志していました。その影響もあり、東京大学を卒業後に医学の道をめざし、横浜市立大学医学部に入学しました。その後研修医、関連病院での勤務医を経て、1999年に義父の医院を引き継ぎ「竹田内科クリニック」を開業しました。義父が始めた1963年から半世紀以上、この武蔵小金井市で診療をしてきたので、昔から通ってくださる患者さんも多く、家族全員のかかりつけ医にしていただいているご家庭もありうれしく思っています。
現在は院長と2人の息子さんが診療にあたっているそうですね。
【竹田遼先生】2022年の4月から、兄の渓輔先生と2人で本格的にクリニックの仕事に従事するようになりました。私は毎週月曜と金曜、兄は毎週火曜日の診療を担当し、往診と訪問診療は2人で行っています。時には院長に相談したり、オンラインで兄と情報を共有するなど、3人で連携を取りながら診療を行っています。
【竹田和義院長】息子の診療スタイルも異なり、遼先生は救急や集中治療室での経験もあり非常に慎重な診療スタイル、渓輔先生は麻酔科での経験があるため比較的直感的で判断が早い医師だと言えますね。私は現在、クリニックに常駐していますが、診察は安心して2人の息子に任せています。長年診察してきた患者さんの中には、私でないと困るという方もいらっしゃり、嬉しい反面、早く息子たちとも信頼関係を築けるようお互いに歩み寄っていきたいと考えています。
診療方針を教えてください。

【竹田和義院長】マニュアルどおり診察するのではなく、患者さんの話をよく聞き、可能な限りの手を尽くします。例えば風邪の症状で来院されたとしても、自覚症状なしに生活習慣病を患っていることもあるので、常に全身を診るということを心がけてきました。
【竹田遼先生】まだまだ院長には及びませんが、私も同じ思いで患者さんの診察にあたっています。特に高齢の方は体の不調をうまく伝えることが難しい場合もありますから、時間がかかってもできる範囲で患者さんの話に耳を傾けるようにしています。
発熱の外来や在宅医療にも注力
2020年からは発熱の外来にも積極的に取り組んでいらっしゃいますね。

【竹田遼先生】新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、2020年の冬から発熱の外来を設置しています。当院の患者さんは基礎疾患を持った高齢者の方が多く、完全に動線を分ける必要があったので、予約制でクリニックの外に設けたテント内で診察をしています。また場合によっては車で来院していただき、車内で診察するという手段を取ることもあります。院内感染に関しては、スタッフも含めてほとんどない状況に抑えられていると思います。現在でも1日に20人前後の発熱者を診察していますね。コロナウイルスの流行期と重なったため、年末年始やお盆も含めて対応してきました。当院は最短15分ほどで結果がわかるPCR検査と同等精度の機器を導入しているため、陰性の場合は院内に入っていただいてさらに詳しい診察や検査を行うようにしています。
特に注力している診療や得意な分野を教えてください。
【竹田和義院長】総合内科専門の医師として内科全般の診療にあたっていますが、中でも高血圧症と腎臓病が専門です。特に慢性腎臓病の場合は、腎臓の回復が難しいため、悪化を防ぐことが大切です。血圧が落ち着くとある程度悪化を防ぐことができますので、まずは血圧のコントロールと減塩が欠かせませんね。また超高齢社会へと進む中で、高齢者医療も重要な課題の一つだと考え、在宅医療や往診にも注力してきました。中には認知症で家族のサポートが必要な方などもいらっしゃいますので、往診は以前から息子2人にも助けてもらいながら3人で協力して対応をしています。
遼先生と渓輔先生が得意なのはどのような分野ですか?

【竹田遼先生】私の専門は救急です。新潟大学医学部を卒業後、さいたま赤十字病院の救急部で急患の対応、集中治療室における急性期の管理などを行ってきました。当院に来院される方で、発熱者の中にも重篤な方もいますし、心筋梗塞を起こしている方もいますので、適切なタイミングで大きな病院に紹介するといった緊急性の判断が得意です。兄は麻酔科の医師で、普段は他の病院に勤務していますが、内科全般の勉強もしているため診療もスムーズです。お互い常に先進の医学を学び、特に新型コロナウイルス感染症に関しては最新の研究に則ってクリニックの方針を決めています。
さらに充実したクリニックをめざす
休日はどのように過ごすことが多いですか?

【竹田和義院長】チョウの採集と撮影、標本作りに費やすことが多いですね。以前はマレーシアやラオス、南米などにも足を運んでいました。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたら、また行きたいと思っています。標本は100箱以上ありますが、そのうちの60箱は自分で採集したものです。待合にも飾ってあるので待ち時間でご覧いただきたいです。
【竹田遼先生】ロッククライミングとハンドパンという楽器の演奏が趣味です。大学生の時に始めてから、今も休みの日には岩に登りに行くことが多いです。疲れそうと言われることも多いのですが、登ることでリフレッシュができ気持ちがいいですね。今は、オリンピック競技でもあるスポーツクライミングの救護スタッフのために、スポーツドクターの資格の勉強もしているところなんですよ。趣味を仕事にも生かせるよう楽しみながら頑張りたいですね。
2024年にはクリニックが生まれ変わるそうですね。
【竹田遼先生】はい。発熱外来やワクチン接種に積極的に対応してきたこともあり、受診される患者様が以前より増えたため、現在の診療スペースでは手狭になってきましたので、新しく建て直すことにしました。その際には、より質の高い医療を提供していくために、まずはCTを導入する予定です。CTは救急医療と親和性があり、例えば激しい頭痛や腹痛があるときに撮影することで、細かい病態に近づくことができます。さらに低線量の胸のCT撮影をすることで肺がんになる前段階の異変を見つけられるという予防医療にも役立ちます。また、現在も泌尿器や循環器を専門とする医師に週1回、非常勤というかたちで診察を担当していただいているのですが、一般診療とともにこうした専門の医師による外来も充実させていく予定です。専門知識を持つ医師が外来に加わることでわれわれも学ぶことがありますし、何より患者さんにも質の高い医療が提供できると思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【竹田遼先生】医学の基本は「予防」にあります。病気にならないためにまず必要なのがワクチンと考え、小児から高齢の方まで必要な接種をしっかりと管理していくことを心がけています。また生活習慣病を含めた健康管理をしっかり行い、深刻な病気を発症させないこと、病気の治療が終わった患者さんのフォローをすること、高齢で受診できない方を診ること、すべてが私たちの役目です。患者さんの人生を丸ごと診ていくことのできるクリニックとして、今後も地域に根差していきたいと思っています。何か困ったことがあればまずはご相談に来てくださいね。