竹田 遼 院長、島田 脩平 副院長の独自取材記事
小金井 竹田内科・小児科・在宅クリニック
(小金井市/武蔵小金井駅)
最終更新日:2025/08/13

前身「後藤医院」の開業以来60年以上の歴史がある「竹田内科クリニック」は、2024年10月の移転リニューアルに伴い「小金井 竹田内科・小児科・在宅クリニック」へと改称した。従来対応してきた内科に加えて、在宅医療を充実。また、糖尿病内科や小児科など幅広く対応し、各専門科の医師で診療クオリティーの向上に努めており、日曜祝日以外は毎日診療。院長を務めるのは、初代院長の孫で、先代院長の次男である竹田遼先生。登山やクライミングに打ち込み、山岳医療にも精通。快活でパワフルな人柄が魅力的だ。今回は竹田院長を中心に、小児外科や小児在宅医療の経験も豊富な島田脩平副院長にもインタビューを実施。リニューアル後のクリニックの特徴や、診療へのこだわりなどについて語ってもらった。
(取材日2025年7月2日)
専門性を兼ね備え、世代を問わず幅広い対応に努める
2024年10月、リニューアルを経て新たにスタートされました。

【竹田院長】これまでは内科診療を中心に、かかりつけの患者さんが通院できなくなった場合に在宅医療にシフトしていくというスタイルで、先代院長である父が1人で営んでいました。リニューアル後は日本救急医学会救急科専門医の私を中心に、私の兄で日本麻酔科学会麻酔科専門医の竹田渓輔理事長をはじめ、内分泌代謝や糖尿病を専門とする平沼茉純先生、榊原記念病院の循環器内科副部長も務める井上完起先生が内科を担当。ほかにも専門分野ごとに外来も設けて、診療クオリティーの向上を図っています。また、小児外科や小児在宅の経験を持つ島田脩平先生を副院長に迎え、新たに小児科を設立しました。私の妻で、小児の神経疾患を専門とする竹田里可子先生も、月2回診療を行っています。内科・小児科・在宅医療という3本柱で、老若男女問わず地域の方々に頼っていただけるクリニックをめざしています。
どのような患者さんが多いですか?
【竹田院長】先代の時はご高齢の方が大半を占めていましたが、リニューアル後は小児科も始めたことで0歳からのお子さんが増えました。新型コロナウイルス感染症の流行時から発熱者専用の外来にも積極的に取り組んでおり、現在は発熱者専門の出入り口と部屋を設けて動線を分離しています。そうした背景から若い世代の風邪での受診も増加し、検査をしてみると実は肺炎が隠れていたというケースもよく目にするようになったんです。即日結果がわかる血液検査装置も導入し、症状が長引いている方にはエックス線検査と採血検査を行うことで、診断精度の向上に努めています。幅広い年齢の方が使いやすいクリニックとなっているのではないかと自負しているところです。
竹田先生はどのようなご経験を積まれてきたのでしょうか?

【竹田院長】医師を志したのは父の影響です。大学時代に登山にはまり、山岳医療に興味を持ちました。ほかにもスポーツ医学の勉強もしてきました。山岳医療では幅広い病態への初期対応が必要であることや、目の前で起きた変化に迅速に対応する特性が私の性に合い、救急科の道に進みました。さいたま赤十字病院での勤務医時代は、内科、外科を問わず、重症で緊急度の高い方の対応にあたっていました。例えば、呼吸確保のために管が口に入っている、人工心肺を回しているというような、ギリギリの状態にある患者さんを集中治療室で診たり、飛び降りや列車にひかれたなどで重症の患者さんもおられました。ドクターカーで現場へ向かい、最初の処置から、チームで手術を行った後の治療まで一貫して行っていましたので、緊急性が高い環境で責任を持って判断して実行するという土壇場力が培われました。
地域医療に携わるようになっていかがですか?
【竹田院長】救急科では、患者さんとのお付き合いは数週間から数ヵ月でいったん終わっていく、いわば一期一会の関係です。一方現在は、患者さんと毎月1回顔を合わせたり、訪問診療では月2回ご自宅にお邪魔するなど、日常的にお付き合いしていくことになります。自分の祖父母でもそこまで頻繁に会いませんから(笑)。患者さんやご家族との関係性を築くと、感謝していただいているという実感もあり、やりがいを感じています。
病気を未然に防ぐための3つの予防医療に注力
力を入れている診療を教えてください。

【竹田院長】予防医療に注力しています。救急科で重症患者の対応をしてきたからこそ、病気が起こらないようにすることが最も重要で、患者さんの健康寿命を延ばし医療費を抑えることが全員が幸せになれる方法だと考えています。そのために取り組んでいるのが、生活習慣病管理、ワクチン接種、骨密度治療という3つの予防医療。生活習慣病管理は、脳梗塞や心筋梗塞を起こさないように血圧やコレステロールを管理すること。ワクチン接種は、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス、高齢者の場合は肺炎球菌や帯状疱疹ウイルスなど、時には煙たがられることもありますが、必要なものを必要な時に接種するよう指導しています。骨密度治療では、腰椎や大腿骨の骨密度を精密に測定できるデキサ法の骨密度測定器を導入しました。女性は70代を過ぎると半数が骨粗しょう症ですから、積極的に検査を行い骨折を防ぐことに努めています。
内分泌や代謝、糖尿病がご専門の平沼先生もいらっしゃいます。
【竹田院長】インスリン治療を導入しやすくなりましたし、糖尿病の専門家がいるのであればと、地域の中核病院の医師から患者さんを紹介いただくことも増えました。平沼先生に私たち医師の糖尿病治療の教育もしてもらえるところも大きなメリットですね。週に1回、心臓のエコー検査やホルター心電図検査、ペースメーカーのチェックなど、循環器の治療を専門に行う枠も設置。また、糖尿病の指標となるヘモグロビンA1c濃度を測定する装置も導入し、迅速な診断が可能です。大きな病院に行かずとも当院でできることを増やしています。
小児科担当の島田先生の経歴や、診療へのこだわりについて教えてください。

【島田副院長】大好きな子どもに携わる仕事がしたいという思いから小児科医を志しました。小児科で肺炎や喘息など一般的な疾患の勉強をした上で小児外科に転向。新生児の腸閉鎖や食道閉鎖症といった先天性疾患の手術から便秘までさまざまな病気を診てきました。その後は小児在宅医療に携わり、気管切開や胃ろうを造設された重症心身障害児の医療的サポートや、ご家族の心理面のサポートに従事。2024年10月から、竹田渓輔理事長と大学同期だったつながりで、こちらの副院長に就任しました。現在は風邪の受診が多いですが、喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、時々外傷の相談をいただいています。一般的な小児科の医師と比べるとさまざまな分野にふれてきましたので、幅広い対応が可能です。診療では、ご本人の苦しさを取り除くことを優先し、治療方針はしっかりとご家族に説明し、お子さんのための治療を行っています。
体の悩みをなんでも相談できる「医療のかけこみ寺」へ
在宅医療の充実も図られていますね。

【竹田院長】はい。現在は私・兄・平沼先生で、小金井市や国分寺市、府中市、小平市にお住まいの患者さんのご自宅に伺っています。通院困難な方のほか、胸水や腹水がたまっている方に、ご自宅で穿刺による管理をしたり、皮膚の褥瘡や感染性粉瘤手術を行うことも可能です。救急科での経験を生かし、人工呼吸器管理や末期がんの緩和ケアなど幅広く対応しています。訪問診療では、患者さんを診るだけでなく一番近くで過ごされているご家族のケアも大切です。ご家族ともコミュニケーションを取り、同じ方向を向いて進んで行けるよう気持ちに配慮した対応を心がけています。外来では、少しでも明るい気持ちになってもらえたらいいなという思いで、雑談を交えながら楽しく接しているつもりです。
今後の展望をお聞かせください。
【竹田院長】今年から小金井市医師会の理事に就任し、地域医療・医療介護福祉という在宅医療と直結する分野を担当しています。医師会長からは「在宅医療で一番の専門家になりなさい」と言われており、在宅分野をさらに充実させ、地域のために頑張りたいと思います。
最後にメッセージをお願いします。

【竹田院長】内科以外にケガや切り傷を縫う処置を行うこともあり、「手足をぶつけたので骨を見てほしい」など、本当にさまざまなご相談をいただいています。「医療のかけこみ寺」として、当院でできることはすべて行い、できないことは専門の医療機関へつなぎます。真摯に、誠意を持って対応しますので、何かお困り事があればいつでもご相談ください。