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誤情報も多いという高血圧症は
適切な診断のもとでコントロールを

おざき内科循環器科クリニック

(東久留米市/東久留米駅)

最終更新日:2025/06/12

おざき内科循環器科クリニック 誤情報も多いという高血圧症は 適切な診断のもとでコントロールを おざき内科循環器科クリニック 誤情報も多いという高血圧症は 適切な診断のもとでコントロールを
  • 保険診療

日本人のおよそ3人に1人は罹患していると言われる高血圧症。身近な疾患ではあるが「誤解されている部分も多い」と注意を呼びかけるのが「おざき内科循環器科クリニック」の尾崎治夫院長だ。循環器内科を専門とし、高血圧症から重い心疾患へ至った患者も数多く診てきたという。だからこそ、そうなる前に適切にコントロールしていくことの重要性を訴える。東京都医師会で公衆衛生に尽力してきたからこそ、国民病でもある高血圧症には社会的なアプローチも必要と考える。「高血圧症の治療はスタート地点が大事です」と語る尾崎院長に、どのような検査や治療をするのかなど、詳しく教えてもらった。

(取材日2025年5月26日)

高血圧症からの心筋梗塞や脳卒中を予防するためにも早めの相談を

Q高血圧症には頭痛などの症状があるのですか。
A
おざき内科循環器科クリニック 患者に寄り添い、信頼のおけるかかりつけ医をめざす

▲患者に寄り添い、信頼のおけるかかりつけ医をめざす

いいえ、高血圧症に症状はなく、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」という別名もあるほどです。「瞬間的に血圧が200〜300mmHgまで上がって脳の血管が切れ死に至る病」といった誤解もありますが、血管は構造的には1000mmHgにも耐え、そう切れるものではありません。一日の中でも数値が刻々と変化する日内変動もあります。例えば、運動時などは脳や筋肉系に酸素と栄養を届けるために血圧は上昇しますが、必要があってのことなので心配ありません。このような瞬間的な変化ではなく、ずっと血圧が高い状態なのが高血圧症です。水道管が老朽化するように血管が痛み、動脈硬化のリスクが高くなるので注意してください。

Q高血圧症の検査について教えてください。
A
おざき内科循環器科クリニック 生活習慣病予防を継続できるよう、患者を温かくサポートする

▲生活習慣病予防を継続できるよう、患者を温かくサポートする

まずは健診などで血圧計による測定をすることになると思いますが、高い値が出たら即、高血圧症ではありません。緊張による白衣性高血圧症の可能性もあるからです。まずは家庭で血圧の測定に十分慣れていただき、あらためてクリニックで再検査すると正常値となるケースも多々あります。一方、高血圧症と確定できたなら、合併症がどれだけ進行しているかも把握しなければいけません。心電図や心エコーで心臓肥大、尿中アルブミンの測定で早期腎症、脈波検査や頸動脈エコーで動脈硬化を評価します。また、まれにホルモン分泌を担う副腎にできた良性腫瘍が原因の高血圧症もあります。疑いがあれば血液検査、MRI、CTなどが必要です。

Q高血圧症は治るのでしょうか。
A
おざき内科循環器科クリニック エコー検査をはじめ、疾患を見逃さないよう幅広い検査に対応する

▲エコー検査をはじめ、疾患を見逃さないよう幅広い検査に対応する

副腎の腫瘍が原因の高血圧症ならば切除手術で完治も見込めますが、一般的な高血圧症は現時点では治せません。しかし、この半世紀でさまざまな新薬が開発され、現在ではコントロールを図ることが十分可能です。軽症ならば単剤、症状が進んできたとしても復数の薬を組み合わせることで良い状態の維持も期待できるようになりました。血圧を下げるだけではなく、同時に心臓の筋肉肥大や腎臓障害を抑えるための薬もあります。ただし、投薬治療を開始するにあたっては、血圧だけではなく合併症の状態や将来的なリスクも評価できるかがポイントです。この視点がないと、一時的に血圧が落ち着いても、数年後に合併症を引き起こすことにもなりかねません。

Q受診すべきタイミングはありますか。
A
おざき内科循環器科クリニック 循環器疾患に関する豊富な知識を持つ尾崎院長

▲循環器疾患に関する豊富な知識を持つ尾崎院長

健診などで血圧が高いだけではなく、タンパク尿、心臓肥大、眼底出血などを指摘されたら、ただちに受診してください。そのまま放置していると、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる合併症に進行しかねません。早めに薬での血圧コントロールを開始して未然に防ぐようにしましょう。血圧だけが異常だった場合は様子見という選択肢もありますが、「昨年も放っておいて何ともなかった」なとと数年経過したところで急に合併症が出る例もあります。白衣性高血圧など本当に治療しなくてもよい症例なのかどうか、早めに相談してもよいでしょう。その他、たばこも血管への害が大きいので、喫煙習慣がある方なども積極的に受診してください。

Q毎日の生活の中で何に気をつけたらよいのでしょうか。
A
おざき内科循環器科クリニック 日常生活上の注意点や食事についてもアドバイスする

▲日常生活上の注意点や食事についてもアドバイスする

軽度の高血圧症ならば減塩に注意した食事と運動で正常値に落ち着く場合も少なくありません。体重が10kg増えると血圧は10mmHg上がるとも言われ、肥満の方はダイエットも必要です。喫煙はただちにやめるのが望ましいとは言え、自力での禁煙成功は難しいことも多いので、当院のように禁煙相談の外来を設けているクリニックに相談してください。以上のように、生活習慣病の一つである高血圧症はライフスタイルを見直すことも大切です。しかし、個人では変えられない要因からのストレスもまた、大きく関与しています。自己責任だけを問うのではなく、誰もが健康で幸せな生活を維持できる社会の実現が求められているのではないでしょうか。

ドクターからのメッセージ

尾崎 治夫院長

最近、介護施設で送迎バスを降りた瞬間に血圧を測り「今日は高いのでリハビリテーションはできません」と言われた方がいました。緊張しがちな瞬間に測定すれば高めになるのは当然で、それによってフレイル予防の機会が奪わるたことの方が問題です。家庭で血圧を測定して血圧手帳を持参していただいた方が、より正確に血圧を管理できるでしょう。高血圧症は急性の恐ろしい病気ではありません。合併症を起こさないように長期的にコントロールを図ることも可能な時代です。ただ、細かいプロセスを経ないと有用な治療につながらない繊細な疾患でもあるので、循環器内科や腎臓内科など、血圧と深く関わる分野の専門医師を訪ねてはいかがでしょうか。

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