ヒアリングフレイルや難聴、めまいは
耳鼻咽喉科で専門的な診療を
中沢耳鼻咽喉科
(西東京市/ひばりヶ丘駅)
最終更新日:2025/02/13


- 保険診療
「ヒアリングフレイル」という聴覚機能の衰えを表す言葉を聞いたことがあるだろうか。「中沢耳鼻咽喉科」の中澤宏院長は、加齢による難聴は自分で気づきにくいとした上で、「ヒアリングフレイルと認知症の発症との関連が近年明らかになってきており、早期発見が重要です」と警鐘を鳴らす。また、突発性難聴、ヘッドホン・イヤホン難聴も増えており、聞こえは全年代が注意すべき問題なのだという。また「めまい」も現代病と言われ、早期診断・治療が必要である。中澤院長は、大学病院勤務時からこの分野の研鑽を重ねてきた専門家でもあり、「めまいは耳鼻咽喉科が専門とする疾患です」と話す。そこで今回は中澤院長に、聞こえの問題やめまい、さらに喘息やアレルギー性鼻炎など、耳鼻咽喉科で専門的に診てもらうべき症状について解説してもらった。
(取材日2024年8月20日)
目次
聞こえの問題は早期発見が肝心。めまい、喘息などのアレルギー性疾患も専門知識を持つ耳鼻咽喉科医に相談を
- Q最近耳にする「ヒアリングフレイル」について教えてください。
-
A
▲患者に選択肢を提示し、丁寧に診察をする
フレイルとは加齢による心身の衰えを表す言葉で、特に、聞き取る機能の衰えを「ヒアリングフレイル」と呼びます。ヒアリングフレイルは単に聞こえの問題だけではなく、人とコミュニケーションがうまく取れなくなり、孤立につながることが問題視されています。近年は、認知症やうつ病を引き起こす要因となることも明らかになってきました。早期発見による予防がとても重要ですから、補聴器や薬の処方などその方に合った対策を早く始めることが欠かせません。そこで当院では問診でよくお話を伺い、検査を行っています。中には聴力検査は問題ないのに、「語音明瞭度」の検査をすると、言葉としての聞き取り機能が悪い場合も考えられます。
- Q他にも耳鼻咽喉科で診てもらうべき聞こえの問題はありますか?
-
A
▲アットホームな雰囲気の院内
難聴ですね。先述したヒアリングフレイルは徐々に進むので、早期にご自身で気づくのは難しいかもしれません。一方で、自分で気づきやすくどの年代の方にも気をつけてほしい難聴として、突発性難聴やヘッドホン・イヤホン難聴があります。突発性難聴はストレスが関係していることもあり、多忙な40~60代の患者さんが多いですね。耳が詰まった感じがするとか、音が響くという症状を訴えられます。治療では基本的にステロイドを用いるので、当院では事前の肝機能検査も含めて対応しています。また、ヘッドホン・イヤホン難聴については症状が慢性化すれば治療が難しくなるため、とにかくまずは大音量で聞かないという予防がとても大切です。
- Q院長の専門である「めまい」も耳鼻咽喉科の分野なのですか?
-
A
▲日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の資格を持つ中沢院長
そうですね。めまいの原因は多様ですが、基本的には耳や脳が関係しており耳鼻咽喉科の領域です。実はめまいと難聴は深い関係があって、突発性難聴でめまいを起こす方もいらっしゃいます。また、脳腫瘍などでふらつきが出る場合もあり、ふらつきもめまいの症状の一つなんです。めまいはある程度治まらないと来院できませんから、医師が診察して確認できないこともあるので、より丁寧な問診が重要です。ただし、めまいになった時の様子を聞かれても、思い出して説明するのが難しいでしょう。実際、患者さんに尋ねても記憶が曖昧なことはよくありますから、ぐるぐるしたのか、ふらふらしたのかというように具体的に聞くように心がけています。
- Qめまいも問診が大切なんですね。
-
A
▲聴力検査やアレルギー検査など検査も幅広く対応
そうなんです。ただ、よくお話を聞くにはある程度時間がかかるので、詳しく診療する前にCTやMRI検査のために大きい病院に紹介するというクリニックもあるかもしれません。もちろんしっかり調べることは大事なのですが、あくまでも検査は補助的なもので、やはりまずは問診が重要だというのが私の考えです。もともと私は、医学生の時にめまいを専門とする先生と出会い、この分野で研鑽を重ねてきました。大学病院勤務時代は、めまい専門の「平衡神経科」でさまざまな患者さんを診る機会もありました。耳鼻科だけで診ている以上に多くのめまい患者さんを診察することができ、貴重な経験を積むことができて良かったと思っています。
- Q喘息なども専門的に診ていただけるのですか?
-
A
▲専門のめまい治療のほか、舌下免疫療法など花粉症の治療にも注力
喘息やアレルギー性鼻炎も耳鼻咽喉科の疾患です。これらの症状やアトピー性皮膚炎などは皆、アレルギーが原因であり、症状が出る場所によって喘息や鼻炎になるともいえるでしょう。食べ物以外のアレルゲンは鼻から入ってきますので、鼻の粘膜を診ると判断がつきやすいんです。長く続く咳だと思っていたらアレルギーが原因で、喘息の一歩手前の状態だったというケースも多いんですよ。また、耳・鼻・喉はつながっていますから、どこかにしか症状が出ていなくても、すべて診ることも当院では大切にしています。例えば、鼻から喉の空気の通り道が狭いともともと診ていた疾患に加えて睡眠時無呼吸症候群を疑い、検査することもあります。