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清水 達也 院長の独自取材記事

清水小児科内科医院

(小平市/小平駅)

最終更新日:2023/03/15

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子どもの健康で幸せな生活を願う親にとって、信頼できる小児科ほど頼れる存在はないだろう。特に、地縁が薄れ、核家族化や共働き家族の増加などによって子育てをめぐる環境が一変した現代では、近くに頼れる大人がおらず、育児の不安を自分だけで抱え込んでいる保護者も多いだろう。「肌が荒れているのは何でだろう?」「どうすれば離乳食を食べてくれるんだろう」そんな悩みを気軽に打ち明けられる場をめざして、「清水小児科内科医院」は1970年から小平の地で診療を続けてきた。先代である父の後を継いだ清水達也院長が心がけているのは、「理解すること」と「ほめること」。その人が抱えるつらさ、大変さに向き合い、子どもの個性を尊重してできたことを褒める。そんな温かな人柄の清水院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2023年2月10日)

父の思いを受け継いで、親身で温かな診療を地域に

長くこの場所で診療されているとお聞きしました。

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小児科の医師だった父が当院を開業したのが1970年。ですから、もう開院から53年がたちます。父は子どもが大好きで、人を引き込む魅力にあふれた人でしたから、たくさんの患者さんに慕われていました。診察も優しく、とても丁寧でしたよ。私が当院で働き始めてから5年ほど一緒に働く機会がありましたが、当時は忙しくて、診療のアドバイスをもらう機会がほとんどありませんでした。その点に一抹の後悔はありますが、父から受け継いだ地域の皆さんとのつながりを大切に、患者さんの気持ちをくんだ親身な診療に努めています。私自身、3歳からこの小平の地で育ったので、愛着のある場所で診療ができるのはとてもうれしいんですよ。

昔に比べると、地域にお住まいの方の層は変わりましたか?

近くの団地はかなり高齢化が進んでいると聞いてますし、私が小さい頃に比べればもちろん子どもの数は減っています。それでも、古くから地域にお住まいの高齢の方もいれば、新しく転入してきたファミリー層もいて、比較的活気がある地域なのではないでしょうか。一方で、私が最近ひしひしと感じているのは、子育てを取り巻く環境の変化です。それこそ私の少年時代には、お母さんが働いている家庭はごく少数でした。男性が外で働き、女性が家を守る時代だったのです。ところが今は、女性の社会進出が進んで、共働き家庭が専業主婦家庭を上回っていますよね。女性が自分らしく働けるように、子育てをサポートするのも小児科の役割なのかなと思っています。土曜の午前中に診療しているのもそのためです。

働くママにとっては、とても心強いと思います。どんなご相談が多いですか。

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小児科では、多くの子どもが悩まされていた喘息の症状を訴える方は減ってきています。さまざまな薬が登場していますし、乳幼児健診でリスクがある子どもに早期介入し、発症を阻止するための取り組みなども進んでいます。近年目立つのは、食物アレルギーやアレルギー性皮膚炎に悩んでいる方ですね。皮膚が赤くなってブツブツが出たり、かさかさして皮膚が剥けたりするアトピー性皮膚炎は、少しずつ知識が浸透して放置する人は減りました。悪化する前の段階で、もしかしてアトピー性皮膚炎じゃないか、と受診するケースが増えている印象です。少し前、ステロイドの使用について問題視するような傾向がありましたが、用法容量を守って適切に使用すれば問題がないこともよく知られるようになりました。患者さんのお話をよく聞き、日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医としてその方に合った適切な治療の提供に努めています。

アレルギー専門医として、アレルギーの診療にも注力

アレルギー科は、先生の代から標榜されているのですね。

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私が勤務医だった頃、父のクリニックを継ぐことを知っていた先輩に「これからはアレルギーを学んでおいたほうがいい」とアドバイスしてもらったのがきっかけでアレルギー専門医の資格を取得しました。減ったとはいえ喘息の方はいらっしゃるので、症状に応じて掃除のアドバイスをしたり、食物アレルギーの方には食事指導を行ったりします。管理栄養士に月2回来てもらっていますので、食物アレルギーの相談には充実したお答えができていると自負しています。乳幼児健診の際の栄養指導や、離乳食のアドバイスも可能ですよ。

それはとても心強いですね。さらに内科も標榜されていて、大人も診てもらえると聞きました。

患者さんはお子さんが中心ですが、お子さんを診療に連れてきたお父さん、お母さんを診察することもあります。子どもが小さいうちはどうしても子どもが優先で、親御さんの体調は後回しになりがちです。自分も調子が悪いのに、「まずは子どもを小児科に」と頑張って連れて来られる方が少なくありません。特に共働きで平日の時間が限られている場合、小児科を受診している間に他のクリニックの診療時間は終わってしまいます。体調が悪いままお子さんの世話をするのは大変ですから、発熱や腹痛など子どもと同じような症状がある、風邪っぽい、といった場合はお気軽にご相談ください。こちらも管理栄養士と連携して、内科で糖尿病と診断された方の食事指導も行っています。

感染症対策としては、発熱者にどのように対応されていますか?

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当院は父が建てたときのままで、院内のスペースに余裕があるんです。病気で来院した人と予防接種の人が分かれて順番を待てるよう、カーテンで仕切れるスペースや個室がもともと設置されていました。そうしたもともとの設備を活用する形で、発熱した方を受け入れています。今後は、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症が同時に流行した場合の対応方法などが課題になるでしょう。手さぐりになりますが、患者さんにとって最も良い環境を模索していきたいですね。

思い詰めないで、気軽に相談を

親身な診療を心がけているとお話しいただきましたが、他に意識していることがあれば教えてください。

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お子さんに対しては、できるだけ褒めるということです。大人だって褒められたらうれしいですよね(笑)。そもそも病院は進んで行きたいところではありませんし、体調が悪ければぐずってしまうこともあるでしょう。ですから、例えば、些細なことでもお子さんの頑張りが見えた瞬間を逃さず、「よくできたね」「頑張ったね」と言葉にしてモチベーションを高めてあげるように心がけています。付き添いの親御さんに対しては、つらさや苦しさをそのまま理解することです。口に出さなくても、心の中で「大変なんだな」「今はつらいよな」と受け止めるだけで、安心して話をしてくださるのではないかと思っています。

スタッフさんには、どんなふうに接していますか。

スタッフのことは、一人ひとりを常にリスペクトしています。こうしなさい、ああしなさいと私が指示を出さなくても、受付のスタッフも看護師も管理栄養士も自ら考えて動き、より良いクリニックづくりに貢献してくれています。患者さんに安心して受診してもらえているのは、スタッフの心配りが行き届いているからこそ。ありがたいことですね。

最後に、患者さんにメッセージをお願いいたします。

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私も2人の子どもがおりますが、子どもが親の手を離れていくのはあっという間だと感じます。皆さんには、子どもと一緒に過ごせる短い時間を大切にして、子育てを楽しんでほしいです。あまり思い詰めないで、気軽に子育てをしていただきたいですね。お子さんへの責任感や愛情が強いのは良いことですが、視野が狭くなって思い詰めてしまうと自分もお子さんもつらくなります。あまり思い悩まずに、悩みそうになったらぜひ相談しに来てください。これからも変わらずこの場所で、地域の方のために診療を続けてまいります。

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