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吉武 紀子 院長の独自取材記事

小平内科糖尿病クリニック

(小平市/小平駅)

最終更新日:2025/09/04

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック main

小平駅から徒歩8分、緑豊かな東京街道沿いに位置する「小平内科糖尿病クリニック」。2022年に前院長から継承した吉武紀子院長は、糖尿病診療を専門とする医師として、患者一人ひとりに寄り添うオーダーメイド治療を実践している。東京医科大学で専門性を磨き、西東京中央総合病院で20年間地域医療に従事。「患者さんの価値観や選択を尊重し、主体的に治療に取り組めるようサポートしたい」と語る吉武院長に、糖尿病診療への思いや、管理栄養士と連携した総合的な治療体制について話を聞いた。

(取材日2025年8月8日)

20年の経験を生かし、新天地で再出発

2022年にこちらのクリニックを引き継がれた経緯を教えてください。

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック1

大学卒業と同時に結婚し、医師としてのキャリアをスタートさせました。東京医科大学では糖尿病専門の女性教授に支えられ、仕事を続けることができました。その後、西東京中央総合病院で20年間診療を続けてきました。2人の子どもを出産しましたが、周りの先生方に本当にお世話になりながら、育児と仕事を両立しながら医師として研鑽を重ねることができました。コロナ禍を経験する中で、これまでのことやこれからのことなどいろいろな思いがあふれる中、「自分がやりたい仕事ができる場所に移ろう」と決意。2人の子どもも成長して大学に入り、新たな挑戦ができるタイミングでもありました。そんな時、前院長の入江先生が後継者を探していたこのクリニックと出会い、東京街道の大きな木々やのどかな環境に魅力を感じて、この地での開業を決めました。ちなみに、全院長の入江先生とは今でも親交が続いており、患者さんの近況をお知らせすることもあります。

家庭を持ちながらキャリアを積んでこれたのは、どのような原動力があったのでしょうか。

東京医科大学で糖尿病診療グループに所属し、日本糖尿病学会糖尿病専門医を取得しました。当時、先輩医師から「10年くらい経験を積んだのでは本当の医師とは言えない」と言われたことが転機になり、その言葉を胸に刻み、西東京中央総合病院で20年間診療を続けました。周りの先生方に助けていただきながら経験を積んできました。周りの先生方の支えがあったからこそ、ここまで来ることができ、皆さんには本当に感謝しています。

クリニックの特徴的な設備や環境について教えてください。

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック2

クリニックの看板に施した水色のロゴは、糖尿病のイメージカラーであるブルーサークルを意識したものです。このロゴマークは、以前勤務していた病院で、1型糖尿病でずっと診療を担当させていただいていた患者さんがデザインのお仕事をされていた関係で、その方にお願いしました。当院は、前院長が整備してくださったバリアフリー設計のおかげで、車いすの方も安心して通院できます。「車いすでも気兼ねなく通えるのでこのクリニックを選びました」という患者さんもいらっしゃいます。駅から離れた立地ですが駐車場があるため、国分寺や東大和など遠方から車で来院される方も少なくありません。「駐車場があるから来やすいですね」という声も、よく聞きます。緑豊かで果樹園もある、のどかな環境も当院の特徴ですね。

「隠れ糖尿病」を見逃さない徹底した診断に注力

「隠れ糖尿病」の診断について、どのような検査を行っていますか?

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック3

糖尿病は、健康診断で行われる血液検査や尿検査で判定され、基準値を超えていない場合は正常と診断されます。しかし、一部の人は糖尿病検査で正常と診断されても、食後のみ血糖値が急上昇する「隠れ糖尿病」の可能性があります。隠れ糖尿病を疑って受診される方が、高校生から大人の方まで本当に増えていることを実感しています。当院では、隠れ糖尿病の検査として、75グラムのブドウ糖が入ったソーダを飲んでいただき、30分おきに採血する糖負荷試験を実施しています。午前中いっぱいかかる検査ですが、血糖値の急上昇やインスリン分泌の状態を詳しく調べることができます。一度診察してから必要性を判断し、予約制で実施しています。検査の結果により、生活習慣に気をつけていただくことや、必要に応じてお薬を飲んでいただくことで、糖尿病への移行を防ぐことにつなげていきます。

糖尿病治療の進歩について教えてください。

この30年の間で、糖尿病の治療薬や治療方法は飛躍的に進歩しました。週1回の注射薬など、血糖値を下げることだけでなく食欲を抑えることが期待できる薬も登場しています。この薬は、2型糖尿病で肥満のある方に保険診療で使用でき、肥満解消と血糖コントロールの両方が期待できます。週1回の自己注射で済むため、患者さんの負担も少ないものです。その人の体の状況に合わせて、肥満治療を中心にするか、血糖コントロールを優先するか、オーダーメイドの治療計画を立てています。

どのような患者さんが来院されていますか?

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック4

遠方から来られる方もいれば、近所の方で風邪や高血圧の薬をもらいに来る方もいます。年齢層は幅広く、高校生から80代、90代方まで幅広いですね。全体の6〜7割は一般的な内科疾患の患者さんです。また、糖尿病は、遺伝的に膵臓が弱ければ発症してしまう病気です。本人が悪いわけではありません。それなのに「こんな数字じゃ駄目だよ」と怒られて傷ついている方が多いのも事実です。そういった方の気持ちや努力を尊重し、前向きに取り組める部分を大切にしながら、患者さん一人ひとりのペースに寄り添った支援を心がけています。

患者自身が主治医になれる診療を

管理栄養士による食事指導の特徴を教えてください。

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック5

当院には、管理栄養士が毎日在籍しており、2人体制の日もあります。昔のようなカロリー計算だけの指導ではなく、患者さん一人ひとりの生活や体の状態、薬に合わせて相談しながら改善を図るカウンセリング形式で行っています。軽症で薬が必要ない段階の方には、食事と運動の取り組みから始めていただきます。糖尿病の治療は、1回の治療時間が15分くらいで、月に1回のペースで来院していただくと仮定すると、1年のうちで、私と時間をともにするのは、トータルで3時間程度です。このように考えると、ほとんどの時間は患者さん自身が治療していることになります。だからこそ、管理栄養士と連携しながら、患者さんが自信を持って治療に向き合うことができるようサポートすることが重要だと考えています。

診療で最も大切にしていることは何ですか?

初めて会った医師に、いきなり「この薬を飲んでください」と知らない薬を出されても、飲みたくないと思う方がいらっしゃるのはごく自然なことだと思います。ですから、初診から最初の3ヵ月くらいは、患者さんの話をじっくり聞いて、情報収集することから始めます。信頼関係ができてから、治療方針を一緒に考えていき、患者さんがその治療方針に納得できるように努力すると同時に、その人の価値観や選択を尊重することも心がけています。一人ひとりの患者さんと向き合い、時間をかけて診療することで、これまで糖尿病などの病気から目を背けていた患者さんが少しずつ前向きに治療に取り組めるようになる。その変化を見ることが私の一番の喜びですし、医師としてのやりがいを感じる瞬間です。

今後の展望とメッセージをお聞かせください。

吉武紀子院長 小平内科糖尿病クリニック6

糖尿病は患者さんが増えていますが、薬が非常に良くなってきていて合併症も減らせるようになってきています。当院に来院してくださる患者さんたちの10年後、20年後の未来が明るくなるようにお手伝いできるクリニックに成長したいです。主治医は、患者さん自身です。その手助けをして、長所を伸ばすサポートをしていく。糖尿病の患者さんが、良好なコントロールを達成できたら、ご本人はもちろんですが私も本当にうれしく思います。地域の皆さんと一緒に、明るい未来を作っていきたいと思っています。

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