中野 潤三郎 理事長、中野 遼太郎 先生、中尾 巴香 さんの独自取材記事
ちゃいるど中野歯科医院
(府中市/府中駅)
最終更新日:2023/03/15

「ちゃいるど中野歯科医院」は府中駅直結、徒歩1分の商業ビル内にある。調布市に分院「ちゃいるど歯科医院」も構えている。中野潤三郎理事長・澤木分院長・中野遼太郎先生をはじめとする歯科医師が多数在籍している。小児歯科として地域に長く貢献し、現在では子どもから大人までそれぞれの分野を専門とする歯科医師による診療や、高齢者の訪問診療も行う。総合的に口の健康を守る同院の診療方針などについて、潤三郎理事長、遼太郎先生、新人歯科衛生士の中尾巴香さんに話を聞いた。
(取材日2022年12月26日)
小児歯科でありながら各専門の歯科医師がそろう
開業の経緯を教えてください。

【潤三郎理事長】当院は開業して今年で41年目を迎えます。50年前の日本は「う蝕の洪水時代」といわれるほど小児う蝕が多く、しかし小児を診る歯科医院は少ない、保護者の方々にとっては受難の時代でした。私は小児歯科を専門にしたので、子どもが多いこの地域で開業しました。ただ、小児専門の歯科医院にしようと考えていたわけではありません。当時はオールマイティーに診ることが普通だったので、一般歯科の中で得意な小児を中心に診ていこうと考えていました。歯科医療の進歩や、さまざまな悩みを持つ患者さんに合わせて、徐々に複数の専門分野の先生方の手を借りるようになっていきました。
どういった診療体系をしていますか?
【潤三郎理事長】第一は治療よりも予防を考えることです。小児においては「15歳までむし歯をつくらない」というコンセプトで予防を進めます。15歳を超え大人に移行していく中で歯周病の予防をするというシームレスなシステムで、赤ちゃんからお年寄りまでお口の健康を守りたいと考えています。それでもむし歯や歯周病になってしまった場合のために、小児・矯正・歯周病・インプラントと、専門の歯科医師による診療も可能にしました。訪問診療にも対応しております。
【遼太郎先生】現在は大人の患者さんも多く、半数を占めています。マイクロスコープを使用した治療やインプラントなどの患者さんが多いです。専門の歯科医師が高い精度の治療を行っていることを評価してくださっているのだと思います。今後は20代、30代の患者さんのむし歯予防や歯周病治療にも注力したいと思っています。
リニューアルに際し、院内でこだわった点は?

【遼太郎先生】小児と大人で診療体系が違うので、診察室とチェアはそれぞれ違うものを用意しました。大人の診療では自分の話を聞かれたくない患者さんが多いこともありますし、集中してお話ができるよう半個室を設計しました。
【潤三郎理事長】小児歯科の治療は、お子さんと保護者と歯科医師の三角形になることが重要です。チェアサイドで保護者の方に治療を見守っていただけるような造りになっています。また、治療の前段階として治療の練習をしたり、天井にテレビをつけたり、笑気ガスを使用したりして、ストレスや緊張を軽減して診療を受けていただけるような工夫も行っています。
小児から大人までシームレスな予防歯科
予防診療に注力していらっしゃるとか。

【潤三郎理事長】「お口の未来は小児歯科から」をモットーに、小児はむし歯予防、大人は歯周病予防に力を入れています。一回むし歯になると、いくら良い治療をしても経年で壊れてしまうこともありますし、知らないうちに歯周病になることもあります。なるべく自分の歯で生涯を送れることが望ましいでしょう。ですから定期的に予防をし続けることが大切なのです。また、小児から予防の意識を持ってもらうことで、将来の歯周病予防にもつながります。そこで欠かせないのが歯科衛生士の存在です。
【中尾さん】歯科衛生士として2年目を迎えました。秋から大人の患者さんに携わり、歯科医師や先輩衛生士と一緒に相談をしながらむし歯予防や歯周病治療を計画的に進めています。治療計画を納得してもらえるか、本当に理解してもらえているかを大切に考えて患者さんに接しています。
小児のうちから予防意識を高めていくのですね。
【潤三郎理事長】保護者の方に負担をかけないようにしたいという思いもあります。自宅で歯ブラシをしたりフッ素塗布をしたりするのは限界がありますから、クリーニングは当院でしっかりと行います。歯科が苦手なお子さんであれば、初回は治療しません。むし歯があったとしても、トレーニングとしてチェアに乗ってもらったり、鏡を見せたりお話をして、慣れてから治療をします。
【遼太郎先生】当院ではお子さんと保護者の方が同時刻にアポイントを取れます。チェアが15台あり、歯科医師が20人いるからこそできることだと思います。お子さんのほうが大抵早く終わるので、その場で待てるように小さい椅子も用意しました。家族そろってクリーニングを受けやすい環境を整えられていると考えております。
遼太郎先生はインプラント治療専門の歯科医師でおられます。

【遼太郎先生】歯を失わないことが理想です。しかし、どうしても悪くなった歯を抜かなければならない場合には、周りの歯に負担をかけにくいインプラント治療を推奨しています。治療後はご自身の歯も含めてこれ以上1本も歯を失わないために、メンテナンスが重要です。入れ歯やブリッジと比較して、失う歯を最小限にすることをめざせるのがインプラント治療です。
【潤三郎理事長】当院ではなるべくご自身の歯を残す方針です。残せるかの判断が難しい場合は、根管治療専門の歯科医師がマイクロスコープで判断します。無理に残すと骨吸収を起こしてインプラントも難しくなってしまう場合があります。そのため、抜歯が必要な場合は抜歯をお勧めし、その後インプラント治療を進めていきます。
主訴を見極めた治療計画の提案
なぜ歯科医療の道を志したのですか?

【遼太郎先生】父の背中を見て自然と歯科医師をめざしました。歯科医師になって以降、さまざまな歯科医院を見学させてもらった中で、私が一番納得できる治療をしているのが当院でした。自慢というよりも、それこそが父のすごさだと尊敬しています。そこに少しつけ加えたいところで、歯周病やインプラントの勉強をしました。
【中尾さん】母の友人が歯科衛生士だったことで勧められたからです。見学に回り、最後に当院に来た時、一番雰囲気が良くアットホームでした。
患者さんと接する際に心がけていることは?
【遼太郎先生】患者さんが何を一番に求めて来院したのかを大切にしています。どういう生活を送っているのか、悩みは痛みなのか、見た目のことなのか。それに対して歯科医師として複数の治療計画をお渡しし、それぞれのメリット・デメリットを説明した上で患者さんが選択することが理想的です。複雑な症例の方は、相談室を使用してレントゲンを見ながら治療計画をお話しします。時間をかけたほうが良いと思っていますし、納得いただけない場合は複数回相談することも可能です。
【中尾さん】大人の方では治療回数をかけたくない方もいるので、最初の問診票で確認しています。
潤三郎理事長はいかがでしょう。

【潤三郎理事長】小児歯科においては保護者の方にもご理解ご納得いただくことが大切です。保護者の方が同意しないのであればご納得いただくまで処置はしません。時間をかけて信頼関係ができ納得していただけるように診療を進めていきます。また、お子さんが来院したいと思えるように、風船や指輪のおもちゃ、消しゴムといったご褒美のご用意もあります。乳歯の段階から口の中の健康をこまやかにケアすることで、「8020」どころか「8028」の達成もめざせます。また高齢者においては、ブラッシングをしっかり行い口腔内を清潔にすることによって誤嚥性肺炎の予防が望めます。
読者へメッセージをお願いします。
【潤三郎理事長】初期のむし歯をすぐ削るのではなく、様子を見て判断するようなこまやかな治療をお勧めします。40年前に比べむし歯のお子さんが減ったのは、親御さんの努力によってお子さんの食べ物選びや習慣が改善されたからです。親御さんの力はむし歯予防につながっているのです。
【遼太郎先生】保護者の方はお子さんを優先しがちですが、ご自身の身を守ることも必要です。50代60代になって子育てが落ち着き、自分の健康を見つめようと歯科医院に来る方が多くなりますが、20代30代の間のむし歯や歯周病の進行がもったいないと感じます。この30年を埋めることが重要だと思うので、20代から40代の方は、ぜひ歯科医院を受診してほしいです。
【中尾さん】ぜひ幅広い年代の患者さんにご来院いただきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(上部構造)/16万5000円~、小児矯正歯科/16万5000円~、成人矯正治療/63万8000円~