中野間 隆 院長の独自取材記事
中野間クリニック泌尿器科
(八王子市/西八王子駅)
最終更新日:2026/02/06
数々の大規模病院で研鑽を積んだ中野間隆先生。院長として、西八王子駅北口から徒歩1分の場所に「中野間クリニック泌尿器科」を開業してから、2026年4月には16年目を迎える。患者層は男女問わず、子どもから高齢者まで幅広い。デリケートな悩みゆえに来院にハードルを感じやすい泌尿器科疾患であるからこそ、初診時にはじっくり問診に時間をかけるという。「泌尿器科の症状は、生活習慣病や精神疾患などから引き起こされることも多いです。そのため、総合的な知識を持ち、患者さんのバックグラウンドをしっかり読み取ることを大事にしています」と、生活指導も重視する。そんな中野間院長に、診療への思いを語ってもらった。
(取材日2026年1月20日)
現在注目されている男性更年期の診療にも注力
どのような患者さんが多いですか?

泌尿器科というと高齢者のイメージが強いかもしれませんが、実際は小さいお子さんもいらっしゃいます。もちろんご高齢の方も多く、100歳近い方も来院されるので、年齢層は幅広いですね。高齢者の場合だと頻尿をはじめとする排尿トラブル。特に夜間頻尿の症状が出ていると、夜に何回もお手洗いに行くようになり、つまずいて転倒する危険性も増えます。転倒したことがきっかけで寝たきりになる高齢者もいますし、そうなると死亡率が上がっていきますので、ぜひ気軽に相談してもらいたいなと思います。また、女性は頻尿のほか、膀胱炎や過活動膀胱、さらに産後の骨盤のゆるみから尿漏れも増えますね。頻尿の定義は1日で10回程度、夜間なら3〜4回お手洗いに行くのが、一つの基準になります。
新型コロナウイルス感染症の流行を経て、男性更年期障害の患者さんが増えたそうですね。
そうですね、在宅ワークが増えるなど、ライフスタイルの変化によって、男性更年期障害の方は圧倒的に増えました。男性更年期障害とは、男性ホルモンが減少してくることで起こる障害です。男性ホルモンは徐々に減っていくので、女性のように閉経を機に症状が出るわけではありません。一番の原因はストレスですね。環境の変化がストレスになり、男性ホルモンが一気に減り、症状が現れます。新型コロナウイルス感染症が流行しだした頃は、在宅ワークでの孤独感などが加わり、発症する人が増えたのだと思います。その頃を境に慢性前立腺炎も増えました。これは、外出できず座っている時間が増え、運動する機会が減り、ストレスが加わることで、前立腺が炎症を起こす疾患です。
受診のタイミングの目安を教えてください。

男性は、更年期ということに気づかないことがほとんどです。よくあるのがご家族が「最近ちょっと表情が暗い」「元気がない」、あとは「夜中にトイレによく行っている」とか、そういう異変に気づいて、男性更年期障害を疑って来院されることが多いんです。また、最初はうつで精神科に行かれて、それでも改善しないため、泌尿器科に紹介されることも多いですね。男性更年期障害の症状は女性と同じで、汗が出る、肩凝り、筋肉痛、あとは夜眠れない、日中も集中力に欠けて仕事がうまくいかないなどです。そういった不調を感じたら、更年期障害を考えたほうが良いでしょう。例えば40〜60代の男性で、内科で検査をして何も異常がないなら、泌尿器科を受診してみるのが良いかなと思います。
丁寧な問診で患者との信頼関係構築を図る
こちらではどのような流れで診療を行っていますか?

まずは問診ですね。それから検尿をしていただき、診察室で患者さんのお話を聞いたり、検尿の結果をお伝えしたりします。さらに、膀胱の動きを見るために超音波検査をすることもあります。初診時にはきちんと検査を行い、適切な治療の方針を決めることを大切にしていますね。最近ではどの泌尿器科にも完備されていると思いますが、お手洗いには尿量流測定器装置を設置しており、ちゃんと尿が出ているかもチェックできます。血尿が出た方やがんの疑いがある方には、膀胱の内視鏡検査もできます。簡単な麻酔をしてできる検査ですので、不安に思わずに受診してほしいですね。また訪問診療は、外来が忙しくなってきているので縮小していますが、毎週木曜の午後にいくつかの老人ホームと個人のご自宅に伺っています。カテーテルの交換が主で、往診の際はポータブルエコーを必ず持参し、患者さんの膀胱の状態をしっかり診ていきます。
診察の際、特に大事にされていることはありますか?
問診でしっかりと患者さんのお話を聞くことです。デリケートな問題ですので、最初はなかなかお話しされない患者さんも多いです。初診では話されなくても、2回目以降にいろいろと話してもらえるよう、よく耳を傾け、信頼関係の構築に努めています。泌尿器科のトラブルは、生活や家族関係の問題も深く関わってきます。特にお子さんで、頻尿や夜尿症で悩んでいる子だと、家族や学校での問題が原因になることもあるので、丁寧に話を聞いていくことが必要ですね。
お子さんに対して、配慮されていることはありますか?

頻尿の問題を抱えているお子さんは、大人と同じように、そのバックグラウンドに精神的な問題などが隠れている場合が多いです。夜尿症にしても、お子さんにとっては、すごく精神的なストレスを抱えることになりますよね。ちゃんと医療の力を頼っていただくこと、なるべく早く医師が関与して治療することが大切です。おねしょの量を把握するために、動物の形をしたお手玉を準備しています。お母さんに持ってもらい、お子さんの尿量がどれくらいかを伺います。診察室には小さい人体模型を置いているのですが、自分の体で起こっていることに興味を持ってくれたらうれしいですね。診療室に慣れて、楽しんでもらえると良いなと思います。
健康寿命延伸の鍵は、生活習慣の改善
お話を伺っていると、泌尿器の疾患にはいろいろな原因があることがわかります。

そうですね、更年期の40〜50代の泌尿器トラブルだと生活習慣病が起因しています。高血圧や糖尿病、そういう疾患から頻尿になる方も多いので、生活習慣病との関係も見過ごせないです。60~70代の介護の前段階で「フレイル」という加齢により心身が老い衰えた状態がありますが、それに関しても生活習慣病は関わってきます。更年期の泌尿器の症状を改善することは、フレイル予防につなげられますし、総合的な視点で治療していくことが大事だと思っています。当院では、総合的に治療するというのが一つの指針になっています。今までなら前立腺を診るだけで良かったのですが、その原因にメタボリックシンドロームといった生活習慣病が潜んでいたりするので、勉強が必要ですね。今は、ウェブ講演会もありますし、日々学んでいます。
生活習慣病も泌尿器トラブルの原因になるんですね。生活の見直しだけでも改善につながりますか?
泌尿器科の病気が生活習慣病と直結していることは、あまり認知されていないんですよね。例えば体重が増えると尿漏れが起こりやすいので、なるべく痩せたほうが良いと思います。直接「痩せましょう」とはなかなか言えませんから、やはりある程度、信頼関係を築いた上で治療法を提案して、できるものを取り入れていくスタイルです。頻尿に関しては、水分を取りすぎる方が多いので水分摂取量を注意したり、塩分を控えてもらったりですね。男性更年期の場合、筋力トレーニング、食事、睡眠を重視しています。食事は鮭などでビタミンD、貝類などで亜鉛を取るのが良いですね。それから、職場で役職や配置が変わることでストレスを感じる人も多いですよね。その場合、会社が男性更年期障害をちゃんと認知して、対応してもらうことが重要になってきます。最近だと、特別休暇制度の中で更年期の休暇を取り入れている会社もあると思います。
最後に、地域の方へメッセージをお願いします。

泌尿器科への来院は、やはりハードルが高いとは思います。恥ずかしかったり「ちょっと我慢すれば治るのでは」と思う方もいらっしゃいます。でも、何か気になったり、もう少し快適に過ごしたいという気持ちがあったら、遠慮なく来ていただきたいなと思います。泌尿器科に関しては、なかなかメディアでも取り上げられなかったりしますが、私は昨年の6月から「八王子のお医者さん」というラジオ番組にゲスト出演しています。八王子で開業されている村井隆三先生が始めたトーク番組で、ラジオを通じてなるべく多くの方に泌尿器科について知ってもらいたいと思っています。男性更年期についても世の中の関心も高まっているので、いろいろな改善ができたら良いなと思っています。

