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原田 達也 院長の独自取材記事

原田歯科医院

(八王子市/西八王子駅)

最終更新日:2022/03/18

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八王子市川口町を通る秋川街道沿いにある「原田歯科医院」は、「ゆりかごから墓場まで安心してかかれる歯科医院」がコンセプト。健常者に加え、病気や障害など歯科治療にバリアのある患者まで幅広く診療を行うのが大きな特徴だ。そんな同院の原田達也院長は、大学の障害者歯科診療部などで経験を積んだ後に同院を開業。以来、障害者歯科や歯科麻酔を専門とする歯科医師などとチームとなり診療に取り組むと同時に、体の不自由な患者やハンディキャップのある患者に合わせ院内環境を整えてきたという。「障害や病気などが理由で一般的な歯科医院に行けなかった方にも、ぜひ来ていただきたいと思っています」と、優しく朗らかな笑顔で話す原田院長に同院での診療や歯科診療にかける思いを聞いた。

(取材日2022年2月9日)

誰もがバリアを感じることなく通える歯科医院をめざす

最初に、こちらのクリニックの特徴を教えてください。

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当院は、いわゆる健常者の診療はもちろん、障害や持病がある患者さんなど歯科治療にバリアのある方も積極的に受け入れているのが特徴です。ノーマライゼーションという言葉がありますが、障害や持病があっても、小さいお子さま連れの方も、バリアを感じずにかかれる歯科医院をめざしています。当院では、私のほかに障害者や障害児診療のスペシャリストである歯科医師、日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医をはじめとする歯科麻酔専門の歯科医師、ベテランの歯科衛生士たちなどが在籍しており、それぞれが専門の知識を生かし、特別な配慮をしながら安全に治療ができるよう体制を整えています。また、特別養護老人ホームなどの高齢者施設や重度知的障害者の施設などへの訪問歯科診療も行っています。これまで、障害や病気などが理由で一般的な歯科医院に行けなかった方にも、ぜひ来ていただきたいと思っています。

設備も充実していると伺いました。

1階には待合室と受付、多目的トイレ、スペシャルニーズ対応診療室。2階はユニットが3台あり、主に一般的な治療や歯科衛生士によるクリーニング。3階には鎮静麻酔や全身麻酔などのための設備を整えた診療室が2部屋あります。院内にはエレベーターを設置してバリアフリーにしてあるほか、付き添いを伴って来られる方も多いので、治療に同伴できるよう各診療室に椅子も用意しました。多目的トイレでは、車いすに加えオストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)にも対応し、ベビーシートも設置しています。また、安全対策としては、院内PHSや監視カメラによる全フロアからの見守り機能を強化しているほか、非常用発電設備も備えています。

IT技術も多く取り入れているそうですね。

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患者さんの安全、負担の少ない診療のためにIT技術は欠かせないので、ITコンサルタントやアドバイザーなどの専門家にも関わっていただいています。麻酔の際には、心拍数や血中酸素濃度、脳波、薬剤量などをコンピューターが自動記録するソフトウエアを導入しています。また、自閉症の方は置かれた状況やこれから起こることがわからないと混乱してしまいますから、視覚効果を考え、絵カードシステムの画像を天井に設置したテレビに映しながら治療を行うこともしています。さらには、歯型をコンピューターに取り込んで3次元画像にし、補綴物を設計・作製する先進のCAD/CAMシステムも導入しています。

環境設備を整え、信頼できる精鋭スタッフがそろう

最近、診療室を増設されたのですね。

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2021年の12月に駐車場から直接、車いすなどでもそのまま入室できるスペシャルニーズ対応診療室を増設しました。例えば、これまで普通の車いすで来ていた脳性麻痺の患者さんが、リクライニングつきの大きな車いすでないと通院できなくなってしまい、そうするとエレベーターに入れなくなり、訪問診療になってしまうことがありました。ですが、そういう方も来ていただいたからにはしっかり診ていきたいので、対応できるようにしたのです。車いすの患者さんのほかにも、待合室で待つのが困難な方や閉鎖的な環境が苦手な方、足の不自由な方などの診察に利用しています。

先生は、なぜ障害者歯科や有病者歯科に力を入れようと思ったのですか?

大学では、補綴科や保存科のように治療を縦割りでなく、一人の患者さんの診療をトータルに学べることが魅力で障害者歯科を専攻しましたが、開業当初は障害者歯科診療に力を入れていたわけではなかったんですが、「ゆりかごから墓場まで安心してかかれる歯科医院」というコンセプトは当時から変わっていません。そんな診療をめざす中で、障害のある方や有病者が、安全性が確保できないなどの理由から診療を断られている現状を目の当たりにしたのです。また、今まで健康だった患者さんが脳梗塞になり、車いすになったとたん歯科にかかれなくなっていた姿も多く見てきました。そこで、そういった患者さんにもバリアを感じることなく歯科治療を受けていただきたいと思い、力を入れ始めたのがきっかけです。ただ、私の中では障害者と健常者の治療を分けてはいません。どんな方の治療でも行うというスタンスです。

診療の際に心がけていることはありますか?

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私が患者さんの立場だったらどうしてほしいのかを考えるようにしています。私もこれまで結構病気をしてきて、患者になっていることが多いんです。その時に、待ち時間がすごく長かったりとか、もうちょっと話を聞いてほしかったりとか、いろいろと思うことがあります。そのあたりをできるだけ患者さんに寄り添っていきたいなと思っています。ただ、あまり一人の患者さんに時間をかけすぎると効率が悪くなって、ほかの問題が出てきますから、そのへんの兼ね合いが難しいなと思いますね。また、障害者の治療に限りませんが、確実な技術力が必要なのはもちろん、歯科治療を受けること自体に苦痛を感じる人は少なくありませんから、痛みに配慮することも心がけています。

これからも困っている人の思いに応えたい

開業からこれまでを振り返ってみていかがですか?

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大学を卒業後、母校の障害者歯科治療部に在籍しました。同時に5年ほど医療法人の歯科で一般診療を経験した後に開業しましたが、比較的若い時でしたので、患者さんの多くは年上の方。治療に納得してもらうには丁寧な説明が必要でした。加えて、声かけなどのコミュニケーションを心がけ、痛みのコントロールに力を注いできたことも患者さんとの信頼関係につながってきたのかなと思っています。やはり大学の障害者歯科治療部にいた2年間がなければ、今の診療にはたどり着かなかったと思います。ハンディキャップのある方や付き添いの方と接してケアや対話を重ねていくと、身内のような感覚になり、何とか力になりたい、ならなければと思うのです。高齢化が進み、健康だった方が寝たきりになり訪問診療が必要になることもあります。そうしたニーズは今後も増えていくと思うので、「ゆりかごから墓場まで」のコンセプトのとおりしっかり応えていきたいです。

お忙しい毎日と思いますが、オフの時間はどのように過ごしていますか?

物作りが好きなので、よくホームセンターへ行きます。売り場を歩き回って、何か使えるものはないか考えるのが大好きです。院内の改造や設備の充実化も、一部趣味の延長になっている部分がありますね(笑)。改装後も自分でいろいろ手を加えましたよ。鎮静タワーや嚥下内視鏡専用の自走カートなども自作しました。たまにスタッフに、勝手にシステムを変えるなと怒られることがあります(笑)。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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まず、患者さんから要望をどんどん伝えてほしいですね。意外と皆さん遠慮してしまうのですが、出入り口に屋根を作ったのも、雨の日に車いすの患者さんが濡れてしまうからという話を聞いたからですし、1階に診療室を作ったのも、さまざまな要望に対応しようと思ったからです。皆さんからの要望を聞いて対応することで、クリニックをより良くしていきたいですね。そして、口腔内の病気は予防できることが多いので、定期的に通い気軽に相談できるかかりつけ歯科医師を持つことが大切で、それは一般の患者さんも歯科治療にバリアを感じている方も同じです。そして、当院はさまざまな患者さんを思いやり、院内に和やかな空気が流れている、そんなコミュニティーのような場所でありたいと思います。そのための勉強やより良いサービスの提供を続けていきたいですね。

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