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原田 達也 院長の独自取材記事

原田歯科医院

(八王子市/西八王子駅)

最終更新日:2020/04/01

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八王子市川口町、秋川街道沿いにある「原田歯科医院」は、「ゆりかごから墓場まで安心してかかれる歯科医院」がコンセプト。健常者から、持病や障がいがある患者まで幅広く歯科診療を行うのが最大の特徴だ。大学の障害者歯科診療部での経験もある原田達也院長が同院を開院したのは1994年。地域住民に慕われ、遠方からの治療困難な患者も受け入れるなど、大きく信頼を得てきた。昨年夏には大規模改装を実施。3階建ての院内は車いすでもエレベーターで移動でき、バリアフリーであることはもちろん、車いす、ベビーシート、オストメイト対応多目的トイレも設置。専門的な麻酔設備も整う。設備の詳細や診療への思いなど、優しく朗らかな笑顔が印象的な原田院長に聞いた。
(取材日2018年3月28日)

誰もがバリアを感じることなく通える歯科医院

はじめに歯科医院の特色について教えてください。

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ノーマライゼーションという言葉がありますが、障がいや持病があっても、小さいお子さま連れの方も、バリアを感じずにかかれる歯科医院をめざしています。当院は、歯科治療と全身、麻酔管理の2部門となっており、それぞれのエキスパートを指導担当として迎え診療にあたっています。歯科治療部門は豊富な経験から培われたスピード感のある手際の良い治療を行い、全身、麻酔管理は日本歯科麻酔学会認定歯科麻酔専門医を軸として全身状態を把握するモニタリング、鎮静や全身麻酔などを行っています。専門知識を持って特別な配慮を行うことができるのが当院の特徴です。歯科治療にバリアがあると感じている方も、ぜひ一度相談に来ていただきたいですね。

昨年末にリニューアルされたばかりとお聞きしました。

はい。これまでもご要望や診療スタイルに合わせ、少しずつ院内環境を整えてきましたが、何分手狭になってしまって。改装の一番の理由は、狭い待合室で車いすの方が申し訳なさそうにしていたのがずっと気になっていたんです。健常者の方もいる中で、ハンディのある方が肩身の狭い思いをしないようにしたいと、改装を決意しました。大がかりな工事でしたが、フロアの雰囲気もとても明るくなりましたし、受付には常時2名スタッフを配置することで困った方がいたらすぐ手を貸せるようになりました。患者さんが喜んでいる姿を見ると、改装をして本当に良かったと感じますね。

具体的にはどのような点が変わったのですか?

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以前は1階が駐車場でしたが、隣の土地を新たな駐車場にすることで院内を広く使うことができるようになりました。院内はすべてバリアフリー、車いすのままエレベーターで移動できるようにしています。1階は待合室、受付、多目的トイレ。2階はユニットが3台あり、車いすの方も移動しやすいよう導線を広く取っています。3階は、個室対応や麻酔管理を必要とする方のために設備を整えた広い部屋と、主に歯科衛生士がケアで使う小部屋の2室です。付き添いの方を伴って来られる方も多いので、治療に同伴できるよう各診療室に椅子も用意しました。またトイレも多目的仕様にし、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)にも対応。安全対策としては、院内PHSや監視カメラによる全フロアからの見守り機能を強化し、非常時のために発電機を増強しました。吸引が使えないと時に命に関わってしまいます。

充実した設備と信頼できる精鋭スタッフ

どうして障がい者歯科や有病者歯科に力を入れようと思われたのですか?

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大学では、補綴科や保存科のように治療を縦割りでなく、1人の患者さんの診療をトータルに学べることに魅力を感じ障がい者歯科を専攻しましたが、実は開院当初は障がい者歯科診療に力を入れていたわけではなかったんです。開院当初から変わらぬコンセプトは、「ゆりかごから墓場まで安心してかかれる歯科医院」。そんな診療をめざす中で、障がいのある方や有病者の方が、安全性が確保できないなどの理由から診療を断られている現状を目の当たりにしたんです。また、今まで健康な患者さんが脳梗塞を発症し、車いすになったとたん歯科にかかれなくなっていた姿も多く見てきました。そこで、そういった患者さんにもバリアを感じることなく歯科治療を受けていただきたいと思い、力を入れ始めたのがきっかけです。

障がい者歯科や有病者歯科に取り組む上で大切なことはありますか。

まずは、困っている人の立場でものを考えることが一番大切だと思います。障がい者歯科では、確実な技術力が必要とされることはもちろん、痛みの管理やスピードも大切になります。歯科治療を受けること自体を苦痛に感じてしまう方が多いですからね。あとは設備と人手です。設備の一例でいえば、段々一般歯科では対応できないと言われた方々が増え、麻酔をしないと対応できない方も増えてきました。そこで6年前から改めて大学の歯科麻酔科に入局。導入した3階の麻酔設備は、大学病院で使用されるものと同様の性能を備えています。歯科医師は常勤の私の他に非常勤で歯科麻酔の専門医2名、障がい者歯科を専攻とする歯科医師1名と計3名おり、ほぼ2名態勢で診療しています。歯科衛生士は7人でほとんどが在籍10年以上のベテランぞろいです。

設備にはIT技術も多く取り入れているそうですね。

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患者さんの安全、負担の少ない診療のためにIT技術は欠かせないので、ITコンサルタントやアドバイザーなど専門家にも関わっていただいています。麻酔の際に心拍数、血中酸素濃度、脳波、薬剤量などをコンピューターが自動記録する自動麻酔記録ソフトを5年前から導入しました。自閉症の方は置かれた状況やこれから起こることがわからないと混乱してしまいますから、視覚効果を考え絵カードシステムから、タブレット端末を介して天井テレビに同期した画像を映しながら診療する方法に変えました。専門知識がないと難しい分野を専門家に任せることで、私たちのアイデアを具体的な形で臨床に作ることができます。また、歯型を動画でPCに取り込み3次元画像に再構成して、セラミックの歯をPCが設計、院内のミリングマシンで即日に作製できる先進のCADCAMシステムなども非常に多くの症例を行っています。院内LANや無線の構築は専門家が行っています。

これからも困っている人の思いに応えたい

開院から約25年、これまでを振り返られていかがですか?

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大学卒業後、母校の障害者歯科治療部に在籍しながら5年ほど医療法人の歯科で一般診療を行った後に、開院しました。比較的若い時に開院したので、多くの患者さんは年上の方。治療に納得してもらうには丁寧な説明が必要でした。それに加え、声かけなどコミュニケーションも心がけたこと、痛みのコントロールに力を注いできたことも患者さんとの信頼関係につながってきたのかなと思っています。やはり大学の障害者歯科治療部にいた2年間がなければ、今の診療にはたどり着かなかったと思います。ハンディキャップのある方や付添いの方と接しケアや対話を重ねていくと、身内のような雰囲気になり、何とか力になりたい、なり続けなければと感じるんです。高齢化が進み、健康だった方が寝たきりになり訪問診療が必要になることもあります。そうしたニーズは増えていくと思うので、コンセプト「ゆりかごから墓場まで~」のとおりしっかり応えていきたいですね。

お忙しい毎日と思いますが、オフの時間はどのように過ごされていますか?

物作りが好きなので、よくホームセンターへ行きます。売り場を歩き回って、何か使えるものはないかいつも考えているのが大好きです。院内の改造や設備の充実化も、一部趣味の延長になっている部分があります(笑)。改装後も、自分でいろいろ手を加えましたよ。鎮静タワーや嚥下内視鏡専用の自走カートなども自作しました。たまに、スタッフに勝手にシステムを変えるなと怒られることがありますね(笑)。

最後に読者へのメッセージと今後の展望について教えてください。

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口腔内の疾患は予防できることが多いので、定期的に通い気軽に相談できるかかりつけ歯科医師を持つことが大事。それは一般の患者さんも、歯科治療にバリアを感じている方も同じです。私も期待に応えられるよう、勉強やより良いサービスの提供を続けていきたいですね。さまざまな多様性を持つ患者さんを思いやり、院内に和やかな空気が流れている。そんな患者さんに来てもらえるコミュニティのような場所でありたいと思います。

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