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吉田 明博 院長の独自取材記事

吉田医院

(八王子市/京王八王子駅)

最終更新日:2021/10/12

吉田明博院長 吉田医院 main

JR各線・八王子駅からバスで10分ほどの大和田エリアは、浅川を見下ろして家々が立ち並ぶのどかな住宅街である。この地で1958年の開業から人々の健康を見守り続けてきたのが「吉田医院」だ。内科、循環器内科、小児科を標榜し、高齢者から子どもまで幅広い層の患者を受け入れる。院内には、エコー・心電図、エックス線、院内調剤が備えられ、ここ1ヵ所で基礎的な診療から検査、薬の処方まで対応できる。病院や訪問看護ステーションとも連携し、適切な施設に患者をつなぐ役割も果たす。「中には5世代にわたって通ってくれているご家族もいてうれしい」と2代目の吉田明博院長は語る。近隣地区での校医も務めながら地域医療を支え続ける吉田院長に、日々の診療に込める思いを聞いた。

(取材日2017年3月24日)

ぶどう畑時代から大和田の地域医療を支えて半世紀以上

こちらの医院の歴史を教えてください。

吉田明博院長 吉田医院1

当院の設立は1958年。初代院長だった私の父が内科・小児科の医院として開業したのが始まりで、2018年には60周年を迎えます。当時の大和田は一面ぶどう畑で、民家はちらほら。なんでこんなところに開くのか、と周りからも言われたそうです。大和田とJR八王子駅方面をつなぐ浅川大橋もまだ建設されておらず、川原に架けられた木橋を利用していたのを覚えています。そんな街はずれからのスタートでしたが、有り難いことに、今では高齢者から子どもまで幅広い方々に、時には1つの家族で複数世代にわたって頼りにしていただいています。1995年には旧医院を取り壊して、現在の建物で新たにリニューアルオープンしました。私自身は大学卒業後、研修医時代を経て、聖マリアンナ医科大学病院ハートセンターや相模原の東芝林間病院で勤務していたのですが、2002年にこの医院に移り、2008年からは2代目院長として診療にあたっています。

とても温かな雰囲気の院内ですね。

一番多い患者層は50代以上の方々ですが、その子どもや孫世代の患者さんも来るので、院内は親しみやすい雰囲気を大切にしています。たとえば、診療室の天井に子どもたちが描いた絵を貼ったり、窓際のベッドの横にぬいぐるみやおもちゃをたくさん置いておいたり……。すると、パッとドアを開けた時に子どもたちも興味を引かれるし、お兄ちゃんが診察を受けている間、下の子がおもちゃで遊ぶということもできる。子どもの診療はまず診察室に入ってもらうことがスタートなので、そうした小さな仕掛けをいっぱいつくっています。待合室に飾ってある絵は、大好きな画家さんの作品です。この絵の、その温かな目線がこの医院の雰囲気にぴったりのように感じています。

生家が医院ということで、早くから医師を志されていたのですか?

吉田明博院長 吉田医院2

高校生の頃には自然と「医師になるんだ」と思っていましたね。私は学生時代からずっと野球をしていて、怪我を病院で治療してもらったこともあって、当時は内科ではなく整形外科に憧れていました。ただ、やはり家業のこともあり、医大在学中に、だんだんと内科、その中でも循環器に関心が向くようになりました。そんな中、研修医時代に父が狭心症で倒れるという事態が発生しました。搬入先に急いで向かったところ、迅速で適切な治療をしてくださっていました。このことがひとつのきっかけとなり、本格的に循環器を専門とするようになりましたね。

病の早期発見のキーとなるかかりつけ医の役割とは

日々の診療では、やはり循環器の治療に力を入れているのですか?

吉田明博院長 吉田医院3

循環器の治療に特化するよりも、街の人々の健康の全般的維持に重点を置いています。日々の診療も、風邪や生活習慣病などの治療や、予防接種など、多岐にわたっています。ただ、これまで培った循環器の治療における技術を生かすため、今でも検査には力を入れています。24時間の心電図が計測できるホルター心電図も用意しておりますので、一日の生活を通して脈拍をモニタリングすることが可能です。腹部の痛みを訴えて来院した患者を検査したところ、心筋梗塞が見つかり、そのまま救急車で運ばれていったことも。このように普通の風邪などの症状だと思っていたところ、がんを含め重大な疾患が発見されるケースもあります。エックス線も含め、適切なタイミングで検査を受けることはとても大切です。自分のかかりつけ医を持ち、長期的・定期的に健康状態をフォローしてもらうことで、病の早期発見・治療につながるメリットはとても大きいと思います。

外部の医療機関とも連携されているそうですね。

これまで医大・勤務先・医師会などで頂いてきたご縁により、ここでは対処できない疾患があった場合も、多様な分野の転院先の紹介などを行うことができるようになっています。街の医院は身体に不調があった際、患者が訪れる第一の場所。自院でも適切な検査・治療を行うとともに、適切な医療機関に患者を振り分けるという役割も重要と考えています。近年では、訪問看護ステーションや地域包括支援センターとのつながりもできました。病院ではなく自宅で最期を迎えたいという方に、こうした機関を紹介することも増えています。私も何人かの患者を看取ったことがありますが、やはり安心できる環境で命を全うできることは人間にとって大切なこと。患者の抱える症状や悩みはさまざまですが、一人ひとりに合った治療体制につなげられるよう努めていきたいですね。

院内調剤も行っていらっしゃいますね。

吉田明博院長 吉田医院4

当院は開業当時からずっと院内調剤です。高齢の方や子どもを複数連れている親御さんの姿を見ると、やはり一度外に出て薬局に行くより、院内でワンストップで薬を処方できたほうがはるかに便利。複数の薬局をかけもちせず一ヵ所で処方された薬の内容がわかるので、薬の重複処方や、飲み合わせの悪い薬の処方を防ぐこともできます。また、診療の際に薬について聞き忘れたことも、院内なのでその場で私に確認してもらえます。さらに、薬の実物を患者に見せながら、投薬の意図や期待できる効果を説明できるので、服用のモチベーションもアップします。大学病院などから新たな患者が紹介されてきた場合は、その人に合わせた薬を仕入れて置くようにしています。医院側には余剰在庫を抱えがちというデメリットもありますが、それを上回るメリットがあり、これからも可能な限り続けていきたいですね。

患者と温かく触れ合える地域医療の醍醐味

診療で心がけていることは何ですか?

吉田明博院長 吉田医院5

一番大切にしているのは、敬意をもって患者に接することです。そして疾患ではなく患者としてその人自身の周囲の環境も踏まえながら診療を行うことも心がけています。例えば冬場は手が冷たくなっているので、ヒーターやお湯などで手を十分に温めてから、診察にあたるようにしています。診療器具もそのまま肌につけるとひやりとするので、やはり十分に温めてから診療に使います。今、当院で1日に診られる患者数は30~40人ほど。私1人と助手2人の計3人体制ではそれが限界ですが、その分、一人ひとりの患者に丁寧に対応できます。看護師を置いていないので、診察後の採血や注射、点滴なども私がしていますが、自分で診て、そこで指示した内容を自分で実施できるので再確認にもなります。小さい医院には、小さいなりの良さがあると感じています。

プライベートでの趣味を教えてください。

以前は野球が趣味で、子どもの野球チームを教えていたこともあるのですが、ひじを悪くしてからは、もっぱら観戦側で楽しんでいます。地元・西東京や神奈川の高校野球を観戦しに遠くまで出かけていくことも。それと、医師は体力が資本。時間ができるとジムに向かって身体を鍛えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

吉田明博院長 吉田医院6

当院には、身体の不調だけでなく、心の悩みを抱える方も来られます。そんな時、これまで地域のさまざまな人達と関わってきた私の経験がお役に立てると思います。気になることがあれば、身体のことでも、心のことでも、何でも相談しに来てください。現在、近隣8ヵ所の保育園・学校で校医を務めていますが、そうした取り組み含め、これからもこの街に根付いた医院として、地域医療に貢献し続けていきたいですね。

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