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秋山一也 院長の独自取材記事

医療法人財団敬寿会 相武病院

(八王子市/秋川駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR八王子駅からバスで約30分、多摩丘陵の澄み渡った空気と緑豊かな自然に恵まれた環境にあるのが「医療法人財団敬寿会 相武病院」。救急治療で一命をとりとめたものの、その後の療養について困難な患者などに対して高度な医療ケアを提供し、じっくりと療養に専念できる体制をめざしている貴重な病院だ。秋山一也院長は、2007年に院長に就任。心臓血管外科、循環器科の専門の医師として長らく東京女子医科大学に勤務しこれまでに多数の手術を手がけてきた。「患者さんご自身とご家族の希望を取り入れながら、一人ひとりに適した医療、看護、介護を提供していきたい」と語る秋山院長に、より高度な慢性期医療への取り組み、医療設備やスタッフの配置についてのこだわり、今後の展望などについて伺った。
(取材日2014年10月29日)

患者がじっくり療養に取り組むことができる病院をめざして

高度な医療による長期療養が必要な患者さんを受け入れているのですね。

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はい、そうです。当院は1971年に開設し、いわゆる慢性期の患者さんを受け入れる一般病院として運営してきました。2006年、医療制度の改革の流れを受け、同じ慢性期でもより高度の医療を担う病院として、人工呼吸器の装着や透析療法を必要とされる方をはじめ、救急治療は終わったもののまだ在宅治療には自信が持てない患者さん、一般病院で入退院を繰り返さざるを得ない状況の患者さん、高度なケアや特殊な医療機器を必要とし、なかなか在宅療養できない患者さんなど、医療度が高く長期療養が必要な患者さんを積極的にお受けし、じっくり療養に取り組んでいただくための療養病院をめざしてきました。慢性期ですので患者さんにあまり無理はさせず、患者さんご自身とご家族の希望を取り入れながら、一人ひとりに適した医療、看護、介護を提供しています。現在は、東京、千葉、埼玉、神奈川、山梨など首都圏を中心に、遠方ですと北海道からの患者さんもいらっしゃいます。最近では地域に根ざした医療も提供し、近隣の老人ホームや在宅からの受け入れも積極的に行っています。

具体的にはどのような疾患の患者さんが多いですか?

脳疾患の患者さんが多く、全体の約8割を占めています。当院では、頸椎損傷、筋ジストロフィーなど重度障害の状態の患者さんに加え、脊髄小脳変性症、多発性硬化症など特定疾患治療研究事業実施要項に定める疾患の患者さんにも対応しています。筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患であるALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんは、体は動かすことはできませんが意識はあるため24時間体制の看護が必要になります。それに加えて病状も変化しやすく、医療施設によっては受け入れが困難なこともあるようですが、当院ではこのような患者さんも積極的に受け入れています。その他、呼吸不全の方、がんの末期で疼痛コントロールが必要な方、透析が必要な方の割合が多いですね。

高度医療が必要な患者さんのために、どのような設備を整えていらっしゃるのでしょうか?

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医療の必要度が高い患者さんの入院に対応できるよう、当院では人工呼吸器をはじめマルチスライスCTや上・下部内視鏡などの医療設備の充実に力を入れています。中でも人工呼吸器の台数は約60台と、多くそろえています。この他にも、透析装置は19台、整体モニターや心電図などもあります。慢性期病院という当院の性質上、患者さんを診断するための設備というよりは、治療を維持するための設備を整えているところが大きな特徴だと思います。

長期にわたる入院生活をさまざまな角度からサポート

患者さんがゆったり療養できるよう、どのような工夫をされていますか?

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長期入院の患者さんがほとんどですので、院内設計については、ベッドとベッドの間を木製家具で仕切るなどプライバシーの確保に努めています。また、院内のところどころに観葉植物や水槽を置くなどして、患者さんだけでなく面会の方が少しでも気持ちがやわらぐような配慮を施しています。スタッフのサポート体制については、全6病棟それぞれに主治医と看護師長を配置し、この2人がキーマンとなって看護師や介護福祉士などと連携し、チーム医療を実践しています。非常勤の医師も、皮膚科、形成外科、整形外科、消化器内科、消化器外科、眼科、耳鼻科と多分野の先生に協力していただきながら、入院中の2次的なトラブルや合併症などにも臨機応変に対応しています。長期入院ですと、医療費などご家族の経済的負担もどうしても大きくなります。ひとり部屋を希望される患者さんの場合でも2人部屋との差額をいただかないようにしたり、経済的に弱い立場の患者さんも受け入れていったりなど、患者さんとその家族、それぞれの状況を考慮した上での対応を常に模索しています。

理学療法室も充実していらっしゃいますね。

当院には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在籍しており、医師や看護師と連携をとりながら、脳卒中、呼吸器疾患、難病をはじめとするさまざまな患者さんにリハビリテーションを提供しています。言語聴覚士による嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)も行い、嚥下障害に対しては機能訓練を行うとともにより安全な食べ方についての提案や指導を行っています。

災害対策についてはどのようにお考えですか?

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突然の災害への対応としては、人工呼吸器など酸素療法のための最大2週間分のタンクを所持しているほか、病院全体に電力を1週間供給できる非常用自家発電機を設置しています。東日本大震災のときは、直後に停電になりましたが自家発電で対応し、大きなトラブルにはなりませんでした。長期災害への対応としては、患者さんやスタッフの非常食の備蓄はもちろん、緊急避難が必要な場合、患者さんの負担を最小限に食い止めることができるよう年に2回防災訓練を行っています。また、八王子市には食に関わる危機管理連携会があり、当院も参加しています。大規模災害時の食料の確保や食中毒予防対策などを中心に活動しており、事故や災害などで食事が作れなくなってしまうような事態になっても近隣の施設同士で協力体制を持ちながら、患者さんやスタッフに安全で適切な食事を提供する……など、地域の病院同士で積極的にネットワークを作っています。

良い医療を提供し、患者やその家族の満足度を満たしていきたい

先生が院長に就任された経緯を教えてください。

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徳島大学医学部を卒業後、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科に入局し、心臓血管外科、循環器科の専門医として長らく勤務しました。諸事情により東京女子医科大学を辞めた後、福島県いわき市、東京都福生市の病院に勤務していましたが、当院の顧問であり東京女子医科大学時代の恩師であった小柳仁先生から院長への就任を勧められたのです。「これまでの老人病院的な意味合いの強い病院から脱却し、同じ慢性期でもより高度の医療を担う病院にしていきたい」という思いに賛同し、2007年、院長に就任しました。

医師をめざそうと思ったきっかけを教えてください。

正直なところ、「立派な医者になろう」という気持ちよりは、「学問としていちばん難しいとされている医学部受験に挑戦してみたい」という気持ちの方が大きかったです。大学卒業後、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科に入局した当時は心臓血管外科よりも脳外科の方に興味があったのですが、たまたま心臓血管外科の手術の様子を見学していたとき、現場の医師が手術中に手元を狂わせ大出血させてしまったところに教授がやって来て、ものの見事に適切な処置を行い、手術を無事に済せる姿を見て感動し、心臓血管外科の道に進むことを決めました。僕自身も医局で研鑽を重ね、これまでに、指導例も含めると多くの手術を手がけてきました。

勤務以外の時間はどのようにお過ごしですか?

当直勤務もあり、日曜日以外は休んでいない状態です。あまり時間もないのでゴルフなどのレジャーはしていないですね。お金もかかりますし。ペットでトイプードルを飼っているので、朝晩の犬の散歩が楽しみです。それと、自宅のバルコニーの家庭菜園で、ナスやピーマンなどの野菜をつくるのも楽しいですね。妻は元看護師で、今は一緒の職場で働いています。妻も仕事が忙しいので、布団のあげおろしなどできる家事は手伝うようにしています。

今後の展望についてお聞かせください。

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今後もこれまでと変わらず、慢性期で高度な医療を望まれる患者さんを全国から受け入れていきたいと思っています。病院が一般企業と違うところは、「良い製品を作れば売れる」、すなわち「良い医療を提供すれば病院が栄える」というわけでないところです。病院の運営は、医療保険制度の変革など行政の方針に左右されるところがあり、当院でも入院費の未払いなどデリケートな問題が多少なりとも存在するのが現状ですが、何よりも、患者さんあっての病院です。良い医療を提供し、患者さんとご家族の満足度も満たしていきながら、いろいろな意味で患者さんと共存していけるような病院の運営を継続して行っていきたいと考えています。

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