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川並 汪一 院長の独自取材記事

新宿漢方クリニック

(新宿区/新宿御苑前駅)

最終更新日:2019/08/28

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認知症やうつ病、パニック障害、抗がん剤の副作用などを、東洋医学の考え方にもとに改善へと導くのは、「新宿漢方クリニック」の川並汪一院長。東洋医学の知識と技術を臨床の場で生かすだけでなく、定期的にセミナーを開き後進の育成にも力を入れている。実は川並院長は、40年間内科診断学と病理学の研究、そして教育に携わってきた西洋医学の専門家でもある。医療に関して「洋の東西を問わず『患者を救いたい』ゴールは同じ」と穏やかにほほ笑む院長に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2018年12月18日)

話しやすい環境で、カウンセリング重視の診察を行う

漢方クリニックということですが、どういった診察をされているのでしょうか。

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当院は日本の漢方、つまり和漢方のルーツといえる中医学にもとづいて、診察、治療をしています。中医学では心身のバランスの崩れがさまざまな不具合を引き起こすと考えています。私は40年以上日本医科大学を中心に研究者・教育者として西洋医学に携わってきました。ですので、西洋医学の知識・知見を持ちながら、中医学の視点にもとづいて患者さんの病状を判断します。患者さんにとって最適な治療に、東洋、西洋といった垣根はありません。東洋医学と西洋医学、双方の観点から、その方に合った治療法をご提案するのです。もちろん、薬物療法でなく手術で治る病気が見つかれば適切な病院をご紹介します。その方にとっての身近な「かかりつけ医」、そして「家庭医」をめざしています。

どんな方が来院されるのですか?

クチコミの方も多いですが、インターネットで検索したという方が一番多いですね。西洋医学ではなかなか改善が見られなかったような症状や疾患に悩まれた方が、漢方や中医学に救いを求めて来院されるようです。中医学では、本人の症状と体質を診てバランスを整えます。西洋医学のように病名を決定する「診断」という概念がないため、当院では血液採取やレントゲン、CTなどによる検査は行いません。他の医療施設で病名を告げられた方には、その情報や検査結果を持参いただき、診療を行います。ですから、診察はカウンセリングが中心になります。初診の患者さんでも遠慮なくお話しいただけるよう、空間づくりにもこだわりました。自宅にいるような家庭的な雰囲気なので、皆さんリラックスされ、大声で笑いながら会話することもあります。

先生はなぜ東洋医学を?

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医学部学生だった頃から東洋医学には着目していましたが、大学院では臨床病理診断学、電子顕微鏡診断学を専門としていました。その後、ヨーロッパやアメリカの研究施設で経験を積み、日本医科大学に戻り大学院教授になりました。そんな私が中医学に興味を持ったのは、2009年に私が開催した認知症国際フォーラムで「東洋医学が認知症に挑む」をテーマに、鍼灸と漢方治療が認知症治療にどのように影響するかを紹介したのがきっかけです。研究者としての現役時代は論文を発表することが仕事でしたが、「この研究で助けられる患者さんはいるのだろうか」と思い悩んだ時期もありました。最先端の西洋医学でも治療困難な病気は意外なほど多く存在し、そのために苦しんでいる患者さんがいる。そうした方々の手助けをする一つの手段として、中医学が活用できるのではないかと考え、開業したのです。

東西医学のメリットを生かし、負担の少ない治療を提案

東洋医学と西洋医学は、まったく違う印象があります。

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そういう印象はあるでしょうが、洋の東西を問わず「患者を救いたい」というゴールは同じです。サッカーとハンドボールに例えてみれば、わかりやすいのではないかな。どちらもゴールポストにシュートを打つスポーツですが、ルールはまるで異なります。サッカーはキーパー以外は、手を使うことができません。一方、ハンドボールはキーパー以外が足でボールを扱うことはできません。真逆のルールですから、それぞれの選手から見れば反則まみれの競技です。だからといって、優劣をつけることはしませんよね。どちらも見ていて面白いからファンがいるわけですし、楽しいからプレーするわけです。医学も同様です。それぞれの優れたところをチョイスして、患者さんに最適な治療を提供するというゴールをめざせばいいのです。

具体的には、どのようなことをされているのですか?

当院で力を入れている診療の一つに、がん治療の副作用の改善があります。がんの標準治療は外科的手術、抗がん剤治療、放射線療法の3つで、いずれもがんそのものを叩きます。もちろん、これらの治療を否定しませんし、早期発見による早期切除は有効です。しかし抗がん剤治療や放射線療法の場合、副作用による苦痛を訴える患者さんが多いのも事実です。がん細胞への直接攻撃を重視するあまり、その他の臓器など全身へダメージが及んでしまうからです。また、全身のケアがおろそかになれば、がんが転移する可能性も高くなります。当院では健康保険適用の漢方薬を処方したり、健康食品をご紹介したりして、内部から環境を整えていくようにしていきます。いわば西洋医学ではカバーしきれない「銃後の守り」に向いているというわけです。めざすのは、がん細胞のアクションを抑制し、その人の生活の質(QOL)の維持と向上をめざしていくことです。

うつなどのメンタル疾患の相談も受けているとか。

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その通りです。パニック障害、不安神経症、認知症、うつといった心療内科の分野でも漢方薬の処方が注目されるようになってきています。当院ではお話をよくお聞きした上で保険適用の漢方薬、自由診療の生薬を使うほか、三焦鍼法の考えを取り入れたケアも用いて症状の改善をめざします。睡眠剤、抗不安剤、抗うつ剤、抗精神病薬などには、薬剤依存症や不快な離脱現象を伴うことがあります。とくに高齢者は、ポリファーマシー(多剤併用に基づく薬害)でメンタル障害などのリスクを併発するので要注意です。化学薬剤を出来るだけ避け、漢方薬や鍼灸治療を採用する方法があります。

健康寿命を延ばす手助けをしたい

今も取り組んでいる研究があるとか。

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私がめざすのは「漢方を取り入れ自ら鍼施術を実践する家庭医」です。そこで今、研究を重ねているのが認知症の治療と予防への取り組みです。認知症には記憶障害、見当識障害といった中核症状と、徘徊や暴力といった周辺症状があるのですが、特に周辺症状はご家族に不安や負担が重くのしかかります。ですので認知症の患者さんは、ご家族に近い存在の医師が診るべきだと思います。この症状の抑制が期待できる方法のひとつが鍼灸だと考え、私は長年、この鍼灸に注目してきました。また2010年に医師仲間と、医師・鍼灸師の養成講座「Gold-QPD(ゴールド・キューピッド)」を立ち上げ、189人の卒業生を輩出しています。今後も後進の育成に力を入れ、認知症とメンタル疾患対策としての鍼灸の可能性について研究を続けていきたいと思います。

東西融合医療セミナー「WEーMEZ(ウェーメッズ)」というものも行っているそうですね。

これまでその年のタイトルをつけてセミナーを開催してきました。2018年のテーマは「未病大全」。要するに、がんができるまでには助走期間があって、一般には20年といわれています。例えば、ヒトパピローマウイルスが男女の接触によって感染し、それががん化する子宮がん。段々と悪くなっていくのだけど、これにもやはり未病時期があります。がんの芽が出てきてから発芽まで約20年といわれます。だから子宮頸がんは恐らく20代で感染して、40~50代で発症が多いですよね。この未病期間に適切な対応を、というのが、今回のテーマです。「Gold-QPD」も「WE-MEZ」も現在受講者は鍼灸師が主ですが、東洋医学の知識は武器にもなるし、若いドクターにも積極的に受けてほしいなと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院でめざす医療は検査をたくさん行ったり、最先端の治療をすることではなく、カウンセリングを重視した診察と漢方治療です。患者さんの病気予防と日常の健康維持のため、東洋医学を踏まえた体質改善をアドバイスすることもあります。患者さんに申し上げたいのは、鍼灸や漢方に偏見を持たないでということですね。漢方薬はできれば煎じ薬がいいです。今は自動で煎じてくれるポットもあるので、利用すると便利でしょう。また苦くて飲みづらければ砂糖やはちみつを加えても構いません。もちろん、飲みやすいエキス剤も用意しています。遠慮なさらず、何でも気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

初診コンサルテーション:6000円、生薬:500~1000円/日、鍼灸施術:7000円/30分 ※いずれも税別

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