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上田 哲郎 院長の独自取材記事

東京都立墨東病院

(墨田区/錦糸町駅)

最終更新日:2020/06/23

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1879年にコレラへの対処のために建てられた「官立避病院」をルーツに、1961年に現在の名称となった「東京都立墨東病院」。28の診療科と765床の病床を有する区東部地域の健康を守る総合病院として、地域医療に貢献している。重症患者を受け入れる三次救急医療に加え、ハイリスク妊婦などを受け入れる周産期と精神科の救急医療にも対応。がん診療連携拠点病院として質の高さを重視したがん診療に取り組むほか、難病医療、障害者歯科医療、心臓病医療、脳血管疾患医療にも注力し、各診療科がそれぞれの専門分野を生かした診療を行うと同時に、内科系外科系が協力し総合的な医療を提供している。また、災害拠点病院として被災地への医療チーム派遣や第一種・二種感染症指定医療機関としての感染症対策など、都立病院の使命として、万が一の際に中心となって機能できるように体制が整えられている。加えて、医療・介護・福祉も含めた地域連携にも積極的な同院。区東部の健康を支える病院としての在り方を上田哲郎院長に聞いた。
(取材日2020年3月27日)

質の高い医療で地域住民の健康を支えたい

病院の特徴を教えてください。

1

約150万人が暮らす区東部を支える三次救急医療機関です。脳卒中や心筋梗塞などの5疾病、救急医療や小児医療などの5事業はもちろん、感染症医療、障害者歯科医療、災害医療などでも当地域で重要な役割を担っています。救急医療では、重症患者を受け入れる三次救急のほか、精神科救急や周産期分野の救急医療も担っています。都立病院として、都民にとって必要で、かつ民間の病院ではなかなかできない分野の医療を引き受け、この地域の医療の最後の砦のような存在であると自負しています。内科各専門分野の質向上のため、細分化して各科の専門性を深め、今春には総合診療科の組織改編を行い、診療基盤の強化を図りました。患者さんにとっても、何科を受診すれば良いかがわかりやすくなったと思います。また内科以外でも、スタッフを強化し、地域により開かれた病院をめざしています。

がん診療連携拠点病院としてどのように取り組んでいますか?

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当院のがん診療は複数の診療科が連携し、化学療法を含む内科的治療、外科的治療、そして放射線治療にも対応しています。地域にはがんの専門病院もありますが、重症の糖尿病、腎臓病、心疾患などのさまざまな基礎疾患を有する患者さんに対応できるのは総合病院である当院の大きな強みだと思います。また、婦人科、乳腺外科、形成外科、放射線科にはそれぞれ女性の医師が在籍しており、女性特有のがんの患者さんにとっても、より受診しやすい病院となればと考えています。また根治が難しいがんの患者さんやその家族の方々については、体や心などのつらさを和らげるための緩和ケアも行っています。当院はいわゆるホスピス機能はありませんから、在宅や転院が前提ですが、その中でどのような診療が患者さんにとって有益かを全人的に考えられればと思います。地域に密着した病院として、この地域のさまざまながんの患者さんをしっかりと診ていきたいと思います。

新たに発足した患者地域支援センターはどういった組織ですか?

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これまでも当院は入・退院の支援や転院先を探すなどの患者支援を中心とした活動をしてきましたが、墨田区、江東区、江戸川区を中心とした、地域の医療連携をさらに深めるために「患者地域支援センター」を設立します。患者(Patients)と地域(Regions)に根差したコミュニケーションの場(Public Relations)を意図することから、PRセンターと命名する予定です。患者さんへの入・退院の支援はもちろん、医療機関との連携強化、在宅支援、訪問看護ステーションや地域の介護従事者との交流など、介護・福祉を含めた地域連携を進めていきたいと考えています。さらに地域における防災・減災対策、感染制御などの包括的な患者地域支援をめざしていきます。当院のある墨田区や隣接する江東区・江戸川区などの住民の皆さんにとって、何かあったときは当院が頼りの綱となるべく、日頃から地域との連携を深めていくことが狙いです。

病院全体で共有している理念や大切にしていることはありますか?

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いつも職員に伝えているのは、「患者中心の医療で地域を支え、東京を支える」ということです。三次救急エリアは東京都全体ですし、感染症についても、どこで発生しようと当院で診ることはあり得ます。だからこそ「東京を支える」意識は大切ですね。ただこの地域を支えられないようでは東京を支えることはできませんから、まずはこの地域をしっかり支える病院であることが重要だと考えています。そのために今やるべきことは「Valueを高めること」。具体的には、常にコスト意識を持ちながら医療のクオリティーを高めていくことに取り組んでいます。患者さんからすれば、どこで治療を受けても医療費は同額。でも同じお金を払うなら、待ち時間は短く、病室はきれいなほうがいいでしょう。待ち時間なども患者さんにとってはコストだという認識を持てば、改善すべき点もいろいろ見えてきます。スタッフ全員で進めていきたいですね。

最後に、今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

5

今後は、遺伝子医療の分野も含めて、新しい医療を取り入れていきたいと思います。都立病院は誰にでも平等に質の高い医療を提供する場所だと考えています。これからますます少子高齢化が進む中、そういったことを、墨田区・江東区・江戸川区を中心とした都内では比較的医療体制が手薄いともいえるこの地域で、しっかりと提供していきたいと思います。ただ、当院だけで地域全員の健康を支えていくことはできません。当院で治療が終われば地域の先生方へ患者さんをお戻しし、地域の先生が困ったときには当院を頼っていただける、そんな関係性を目標に、何をしている病院なのかが外からも見える医療連携体制をつくっていきたいです。地域全体が一体となって地域住民の健康を守る、それが理想です。

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