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木下 順平 院長の独自取材記事

アース皮ふ科クリニック

(足立区/西新井駅)

最終更新日:2019/08/28

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患者の気持ちが誰よりもわかるからこそ、「治す」ことにこだわるのが、西新井駅前の「アース皮ふ科クリニック」院長・木下順平先生だ。アトピー性皮膚炎を克服した自身の実体験に基づき、肌の悩みを抱える人々に笑顔を取り戻してほしいと、真剣に患者と向き合う日々。それを支える息ぴったりのスタッフの存在もあり、同院には乳幼児から高齢者まで、親子2世代、3世代で通う患者も少なくはないそうだ。皮膚科のかかりつけ医として地域に根付いて8年。その軌跡や診療への思いなど、一見クールな印象の木下先生は熱く語ってくれた。
(取材日2018年6月12日)

家族みんなで通えるクリニックをめざす

駅前ということもあり、幅広い層の患者さんが通われているのではないでしょうか?

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0歳の赤ちゃんからご高齢の方まで、年齢を問わず来院していただいています。中でも子どもの患者さんが多く、お子さんの診療につき添われていたお母さんが次はご自身が受診され、その次におじいちゃんやおばあちゃんが来てくださることも少なくありません。親子2世代、3世代とかかりつけにしていただけるのは、信頼の証しだと思えてありがたいですね。長く通ってくださっている患者さんが、結婚、出産を経てご自分のお子さんを連れて来てくれることもあるんですよ。まるでおじいちゃんになったような、うれしい気持ちになります。

クリニックづくりでこだわっている点はどこですか?

家族で通いやすいよう工夫しています。特に当院は小さな赤ちゃんを連れた患者さんが多いので、トイレにおむつ交換台、待合室にキッズスペースを設置しました。いつ来ても退屈しないよう、おもちゃや絵本はスタッフが定期的に取り換えていて、絵本のストックは1000冊を超えます。図鑑や歴史マンガも用意しているので、小・中学生のお子さんにも好評ですね。診療室はすべて個室なのですが、そこにもぬいぐるみや絵本を置いていますし、タブレット端末でアニメを見られるようにもしています。

受診しやすいような工夫がいっぱいですね。

スタッフの存在も大きいです。8人全員が女性で、小児科出身の看護師や子育て中の看護師もいて、子どもの扱いに慣れているんです。私自身、小児医療に携わった経験がありますが、みんな自然と声がけができていると思いますね。それに患者さんへの説明が少し足りないときや、私が時に厳しいことをお伝えしたとき、患者さんにご理解いただけるよう何も言わなくてもスタッフがフォローしてくれます。まさに「チーム医療」ですね。

小児医療のご経験についてお聞かせください。

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もともとアトピー性皮膚炎の治療を確立したくて、大学病院の皮膚科に入りました。しかし当時は「塗り薬で頑張りなさい」「治らないのは体質だから仕方がない」という考え方が主流。それでは限界がある、何か解決策はないかと考え、小児の専門医療を担う国立成育医療センターに移ったんです。初めに所属した総合診療部では、他院で診断がつかないあらゆる疾患を診ると同時に、アレルギー科出身の先生が多かったため、アレルギー治療についてもみっちり学ぶことができました。その後、アトピー性皮膚炎治療に有用な考え方を求めてNICU(新生児集中治療室)や救急診療科、皮膚科などいろいろな診療科を回りました。皮膚科では小児皮膚科のエキスパートに3ヵ月マンツーマンでご指導いただき、現在の診療に生かされています。

「家族を救いたい」一心で、皮膚科診療を究めた軌跡

アトピー性皮膚炎の治療にこだわった理由は何ですか?

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実は私自身、幼少期からかなり重度のアトピー性皮膚炎に悩んでいたんです。右目はアトピー性白内障になり、中学生頃からは顔の症状が悪化し、かゆくて、かきすぎて、眉毛がなくなるほどでした。病院から処方された塗り薬も効果がなくて。しかも妹まで同じ症状。家族全員が悩み、苦しむ中、「家族の悩みは自分が解決するしかない」「何とかして妹を治してあげたい」という思いで文系から理系に転じ、新潟大学医学部に進みました。医師になってからは研究と臨床を重ね、自分自身に実践したところ、30歳くらいから症状が改善されていきました。そうした過程で見出したのが、ステップダウン方式です。今では逆に「きれいな肌ですね」と言われるほどで、妹も良くなり、結婚して子育てをしています。

ステップダウン方式とはどんな治療法ですか?

最初にたくさん薬を投与し、効果が見えてきたら減量していくという、新しいリウマチ治療の理論を応用したものです。わかりやすいよう、皮膚を取引先の社長に例えてみましょう。社長を怒らせた状態が症状の悪化です。まず若手社員に謝罪に行かせて、それで収まらなければ次に係長、課長、部長……という対処法が従来の方法でした。しかしそれでは余計関係がこじれてしまいますよね。対応の順番を間違えると大変なことになる。これは病気にもあてはまります。

リウマチ治療の理論ですか。ユニークな発想ですね。

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国立成育医療センターに勤めた後、さらに3年間は横浜市立大学附属病院でリウマチ・膠原病のエキスパートを師事しました。アレルギーを究める上で、免疫について学ぶことは必須だと考えたからです。そこで若年性関節リウマチや、全身性エリテマトーデスなどの難病、免疫不全などを診療し、先進的な治療法について学ぶ中、リウマチ治療の考え方を皮膚科に応用すれば、アトピー性皮膚炎に効くのではと論理を立てました。

皮膚疾患を招かない、悪化させない管理・治療法を啓発

診療ポリシーを教えてください。

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患者さんの主体性を大事にすることです。私たちがどれだけ患者さんのつらい気持ちに共感し、治したいと願っても、残念ながらご本人が本気で治療に取り組まなければ症状は改善されません。つらい思いをしてきた分、いろんな考え方が蓄積されていると思いますが、それらを一度リセットし、専門家を信頼して、主体的に治療に取り組むことが大切なんです。その後押しができるなら、私は厳しいことも誤解を恐れずお話しします。すぐには意見を聞き入れられないという方は、いくらでも待ちます。気持ちが前向きに変わる瞬間って、目に見えてわかるんですよ。効果が現れるとより好転して、治療がスムーズに進んでいきます。そういった好循環をつくりたいと、スタッフ一丸となって患者さんと本気で向き合っています。

そう考えるようになったきっかけは?

勤務医時代に経験した糖尿病治療がお手本です。糖尿病の患者さんに血糖値を下げるインスリンを処方しても、食べ過ぎや運動不足を改善しなければ効果は期待できません。患者さんがすべきことをした上で、薬剤との相乗効果で改善に向かいます。しかし、病気になるとどうしても「なぜ自分ばかりがこんな目に遭うのか」と思ってしまうもの。実は自分の対応が適切ではないことで、症状が悪化していることもあるのです。

皮膚疾患の予防に大切なことは何でしょうか?

温度管理と触り方です。ご自宅では「洗顔、保湿、触らない」を徹底し、化粧水、乳液、クリームなどは適量にとどめてください。たくさん塗って、叩いて、パックして……足し算の美容術には、個人的に賛成できません。皮膚から水分は入りませんし、叩いたら皮膚を傷つけることになりますから。洗顔については、石けんを使わないという考え方もあるようですが、清潔な状態を保つためには石けんが必要だと私は考えます。また、肌トラブルが起こりやすい体質の方も諦めず、傷めない、早く治すための管理方法を小さな頃から身に着けて、自分の体とうまくつき合っていただきたいですね。当院ではその方法もしっかりアドバイスさせていただきます。

最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか?

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「皮膚科と小児科を融合させたクリニック」という開業時に描いた姿が、今実現できていると感じます。一方、専門家として正しい知識をお伝えするという役割は、今後も力を入れたいところです。ちまたにあふれる健康情報に振り回され、適切とはいえないスキンケアや治療を続けている方は少なくありません。例えば、ステロイドは正しく使えば有用性があるのに、偏見を持たれがち。ニキビの改善に一生懸命ビタミンを摂取している方もいますが、効果については疑問があります。ニキビも、かぶれも、アトピー性皮膚炎も根本は皮膚の炎症。炎症を抑える薬と生活指導が大切なのです。皮膚のことで悩み事があるからといってご自身で調べるのは、最終的に時間の無駄になりかねない。そうではなく、適切な処置への近道としてすぐに頼っていただけるクリニックを、これからもめざしたいと思います。

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