横山 貴之 院長の独自取材記事
深川ギャザリアクリニック
(江東区/木場駅)
最終更新日:2025/08/01

木場駅から徒歩4分、複合商業施設内にある「深川ギャザリアクリニック」。横山貴之院長は患者と同じ目線で話をすることを初期研修医時代から自然に実践し、今も変わらぬ姿勢で診療にあたっている。2025年4月の移転では職員全員で理想のクリニック像を話し合い、隔離診察室の設置や内視鏡室の増設など、地域のニーズに応える体制を整えたという。「何かのついでに、ちょっとした相談をしに来ていただくのも歓迎です」と親しみやすい笑顔で語る横山院長に、新クリニックへの思いや診療方針について聞いた。
(取材日2025年7月3日)
ニーズに応えられるように体制を整えた新クリニック
移転の経緯と、新クリニック開設への思いをお聞かせください。

移転の話が持ち上がったのは、ちょうどコロナ禍の頃でした。この場所に新しいビルができることを機に、クリニックを移転させようという計画がスタートしたんです。そこで「どういったクリニックが、本来のわれわれの立ち位置なのか」を、職員皆で一緒に考えました。その時の話し合いで一番大切にしたのが「真のかかりつけクリニック」をめざすということ。地域住民の方や、周辺で働いている方が自分の健康管理の基点にできる、そんな役割を担いたいと考えました。そのためには健康診断と外来の両方の設備をさらに充実させた医療施設が必要でした。今回の移転で規模を約1.5倍に拡大し、より多くの患者さんの期待に応えられる体制を整えることができました。
院内の設計やレイアウトで工夫された点を教えてください。
院内の配置やデザインは職員全員で意見を出し合って決めたものです。一人ひとりがそれぞれ理想のクリニック像を出し合い、それを形にしていきました。特にこだわったのは、受付とナースステーションの位置を近づけたこと。これにより患者さんについての連絡事項がスムーズに伝わるようになりました。また婦人科と乳腺科の診療室は隣接させ、女性が気になる症状や疾患を大きな移動なしに診療できるよう配慮しています。少し奥まった位置にしてあるので、他の診療科を待つ患者さんの視線も気にせずに済むでしょう。内装は白い壁や床ではなく、ブラウンを基調に木目を生かした落ち着いたデザインにしました。使いやすく過ごしやすいクリニックができたと思っています。
隔離診察室も設置されたと伺いました。どのような思いがあったのでしょうか?

移転前のクリニックは建物の都合上、新型コロナウイルス感染症がまん延した時、感染症対策の面で苦しんだ経験がありました。その経験から、同じようなことがまた起きた時に万全の対応ができるクリニックをつくろうと強く思いました。隔離診察室がある区間は全体が陰圧室になっていて、診察室や内視鏡検査室、会計窓口もあり、感染症の患者さんを他の患者さんから完全に隔離した状態で、診察からお会計までを行える造りです。一人ひとりの患者さんに不安を与えないよう、安心して来てもらえる設備と体制をつくることは、地域のクリニックとして必要な役割だと考えています。
多様な診療科を設けて包括的医療の実現を図る
幅広い診療科をそろえることの強みについて教えてください。

内科の診療は、消化器内科や循環器内科、糖尿病内科、呼吸器内科などを専門とする医師が担当するので、必要に応じて専門的な知見から診ることが可能です。他にも婦人科、乳腺科、心療内科がありますので、何か病気を発症した後、さらに別の病気が派生したとしても、患者さんのこれまでの情報もスムーズに共有できますし、クリニック内で身体と心の両面のケアの完結をめざせるのです。例えば生活習慣病から循環器の問題が生じたとしても、その日のうちに循環器内科の医師に診てもらうことが可能です。より専門的な診療が必要だと判断したときには、より大きな病院へ連携することもできますのでご安心ください。地域に住む方や、周辺の企業に勤める方に、身近な医療の相談窓口として利用していただけたら幸いです。
病診連携や術後のフォローも充実されていますね。
例えば、循環器系の急性期疾患の治療や手術を受けた方は、再発を防ぐためには引き起こす原因となる生活習慣病や慢性疾患の管理が重要であり、定期的なチェックや管理のために当院をご利用いただくことができます。私自身、今でも順天堂大学の病院で外来や検査を担当しており、病院との医療連携をスムーズに行える体制構築ができている点は当院の強みの一つだと思っています。また、当院の呼吸器内科は隔週火曜日午前にがん研究会有明病院の呼吸器内科から医師を派遣してもらっていたり、消化器内科では昭和医科大学江東豊洲病院の消化器外科から医師を派遣してもらって胃の内視鏡検査を行っているなど、各診療科の質や専門性は非常に高く、医師が病院と当院を行き来していることは、紹介・逆紹介などの連携の取りやすさにつながっています。ちなみに、今回の移転で内視鏡室を3室に増やしたので、今まで以上に稼働できるようになりました。
健康診断にも力を入れているそうですね。

個人の健康診断も企業の健康診断も、どちらも受診することが可能です。一般健診の他、人間ドックにも対応しています。さまざまな検査機器がそろっていますので、超音波検査、CT検査、マンモグラフィ検査、胃カメラ検査など、幅広い検査が可能で、大腸検査以外ほぼすべての検査が可能です。健康診断の際に特に重視していることは検査の精度で、画像診断や心電図などは必ずダブルチェックで判定を出しています。どうしても1人だと見落とす可能性が高くなりますからね。見落としを極力減らすように必ず2人以上の医師が判定に携わる体制を取っているのです。健康診断をきっかけに、当院をかかりつけクリニックにしていただけたらと思っています。区民健診も行っていますので、地域の皆さん、健康管理の入り口として当院をご活用ください。
患者と同じ目線で向き合う診療スタイルを重視
診療で特に心がけていることは何でしょうか?

私が一番大事にしているのは目線です。患者さんを上から見ない、なるべく同じ目線で対応したいと心がけています。ですから患者さんがベッドに横たわっている場合は、上から話すのではなく、隣に座ってお話をします。これは研修医時代から続けていることです。勤務医時代、研修医と回るようになった時に、「先生って必ず患者さんの隣に座りますよね」と言われて初めて気づきました。「他では見たことがありません」と言われて驚いた記憶があります。自覚してからも、患者さんと対等な立場で話をすることが、私の中で一番大切な部分ですね。患者さんと話すのも好きなんでしょうね。だからこそ患者さんにとって身近な存在であり、心理的にも距離が近い地域のクリニックで診療を行いたいと思っていました。スタッフとも患者さんとの接し方や向き合い方についてはよく話し、クリニック全体として思いやりのある対応ができるよう心がけています。
患者さんにはどのように利用してもらいたいと考えていますか?
距離感が近いことが強みの一つということからも、気軽にたくさん来ていただきたいですね。「明日来てください」と言えることがクリニックの良さでしょう。実際、採血結果などは翌日には結果が出るので、明日もう一度来ていただき結果を見ながら相談しましょうということもよくあります。また脱水や熱中症の方は連日点滴をしに来てもらうこともあります。患者さんが頻繁に行くのも苦ではないと思っていただけるように努めています。患者さんが気軽に受診できて、不安の解消につなげられる身近なかかりつけクリニックでありたいですね。
最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

医療施設というと少しハードルが高い感じがあるかもしれませんが、気軽にちょっとした相談をしに来ていただくのも歓迎しています。ぜひ買い物などのついでに利用していただけたらなと思います。当院は複合商業施設の中にありますから、スーパーやカフェ、映画館もあります。待ち時間の間に映画を見てこようという方もいらっしゃいますよ。受付に言っていただければ出入りは自由ですので、周りの施設も使いながら当院をご利用ください。何か気になることがあれば、いつでも受診していただければと思います。まずは一度来ていただくことで、適切な専門性を持つ医師を割り振りすることもできます。何でも相談できるかかりつけ医として使っていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万8400円~