岡 史篤 理事長の独自取材記事
東京イースト21クリニック
(江東区/東陽町駅)
最終更新日:2025/11/07
東陽町駅より江東区役所などが並ぶ大通りを歩くこと8分、都市型複合ビルの2階にある「東京イースト21クリニック」は、地域の健康を長く支えてきたクリニックだ。理事長の岡史篤(おか・ふみあつ)先生は、泌尿器科が専門。父が開業した1992年より副院長として従事し、2013年より院長を務める。内科と泌尿器科を中心とする外来診療からスタートした同院は、2014年に「健康管理部門」を開設し、健康診断や人間ドックを開始。今後は訪問診療にも力を注いでいくという。「頼ってくれる患者さんは責任を持って守ることがポリシー」と語る岡理事長に、間口を広げていくという訪問診療の内容を中心に話を聞いた。
(取材日2025年4月15日)
外来・健診・訪問の「3つの柱」で地域の健康を支える
クリニックの特徴を教えてください。

当院は外来診療と、健康診断、訪問診療の「3つの柱」を診療の軸としています。外来診療は、私の専門である泌尿器科と内科、小児科が中心です。ほかに発熱症状を専門に診る外来、睡眠時無呼吸症の対応や予防接種も受けつけています。オンライン診療も行っていますが、こちらの利用はまだ少ないですね。診療時には、患者さんがなんでも相談できるような雰囲気づくりに努めています。そのせいか、一般的に女性が男性医師に相談がしにくいといわれる泌尿器科でも、当院は女性の患者さんが多いですね。仮に医師に伝えにくいことがあった場合は、看護師がフォローする体制です。また、小児科でも泌尿器の診察を行っているほか、学校の健康診断でわかった蛋白尿や尿潜血の二次検査も受けつけています。
健康診断のニーズも高いそうですね。
健康診断専門の医療機関では、患者さんが検査科目ごとのブースを回る形態が一般的ですが、当院では1人の患者さんに1人の看護師がつく体制で検査を行っています。エックス線検査などは専門のスタッフが行いますが、視力、聴力などの科目は付き添いの看護師が行います。このシステムのおかげで待ち時間が少なくスムーズに各検査が行えています。外来も健診も、一人ひとりの患者さんに寄り添うというのが当院の基本姿勢。検査結果で何か問題が見つかった場合は、そのまま外来で診療・治療が行える点も特徴です。ただ、当院はCTやMRIを導入していません。これらの医療機器は高額で、導入すれば維持費もかかります。その分、患者さん一人ひとりをきめ細かに診療していくための環境づくりに生かしたいという考えがあるんです。ですので、脳ドックをはじめCTやMRIの検査が必要な場合には、当日検査も可能な提携施設で実施しています。
訪問診療に力を入れ始めたと伺っています。

訪問診療を開始したのは、新型コロナウイルスの感染拡大で皆さんが外出を控えるようになった2020年頃ですね。何らかの事情で通院できなくなった患者さんを対象に始めました。月に2回程度、看護師と一緒に患者さんのご自宅を訪問しています。外来で診療していた内容を継続してご自宅で行うほか、薬の処方、血液検査、心電図検査、尿道留置カテーテルの交換、胃ろうの交換も行っています。訪問時以外でも、心配事が生じた場合にはスタッフが対応しています。また、エックス線検査が必要な場合は外来に来ていただき、CTやMRIが必要な場合は信頼のできる提携施設に依頼し検査を実施しております。現在、当院の患者さんだけでなく、他院を退院し在宅治療を始める方や、初診から訪問診療をご希望される方にも間口を広げているところです。さらに体調不良になられた際には24時間、365日医療者に連絡ができる体制も取っています。
クリニックに来た患者は必ず守ることがポリシー
患者さんの年齢層や主訴について教えてください。

内科については、働き盛りの若い方から高齢者までと患者さんの年齢は幅広いですね。主訴は慢性疾患です。内科で多い訴えは、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病です。主な治療は薬物治療と生活習慣の指導になります。生活習慣病は、まず食事や運動などの生活習慣を見直すことから始めます。生活習慣の改善によって肥満を解消することが、高血圧や高血糖の改善につながることは大いに期待できます。一方、泌尿器科で多いのは前立腺肥大と、後ほど詳しくお話ししますが、最近は尿漏れや頻尿の原因となる過活動膀胱という疾患を訴える方が増えてきた印象です。
開業して33年になります。印象的なことや時代による変化はありますか?
新型コロナウイルスが蔓延し、どの医療機関も先が見えない状態だった中、すぐに発熱患者さんを診る外来を設け、患者さんを積極的に受け入れたことが印象深いですね。当院における変化は、外来診療から始まり、健康管理部門を設け、訪問診療に裾野を広げてきたことです。患者さんの変化についていえば、先述した過活動膀胱の症状を訴える人が増えたことです。この疾患は言い換えると尿漏れで、主な原因は加齢により膀胱が硬く小さくなることで起こります。一昔前は、恥ずかしいとか、年だから仕方がないという理由で受診する方が少なかったのですが、時代が変わり、疾患に関する知識と薬の存在とが広く知られるようになり、近年は積極的に治そうと診察を受ける方が増えています。
患者さんと接するときに心がけていることは何ですか?

患者さんの話をよく聞くことと、そのために話しやすい雰囲気をつくることですね。たまに待ち時間が長いというクレームをいただくこともありますが、一人ひとりの患者さんを大切に診ることに主眼を置いています。自分が担当していない患者さんのカルテや検査結果にもすべて目を通すことも、院長に就任以来欠かさず続けています。私を信頼してこのクリニックを受診してくださった患者さんは、必ず守るというのが、開業当初から一貫しているポリシーです。クリニックは大きな病院と比べると設備などはもちろんかないません。しかし、高額な設備がなくても、医師の人柄や話しやすさ、対話を通して病因を探っていくきめ細かな診療スタイルなど、大きな病院にはないものを求めて患者さんは来てくださっていると思うので、それを常に提供できるように心がけています。
患者の一生に寄り添えるクリニックへ
医師をめざした理由とこれまでの歩みをお聞かせください。

私の家系は代々医師で、私で4代目です。兄が医師とは別の道を選択したこともあり、自然にこの道に進んだのですが、私にはこの仕事が合っていたようです。大学では泌尿器科を専攻しました。当時は泌尿器科はネガティブなイメージもあったのですが、内科的な診療と外科的な診療の両方を学べる学科なので、選択は間違いではありませんでした。手術の経験も積みましたし、内臓疾患の診療も行ってきたことが、患者さんの全身の管理をする上で大きな強みとなっています。大学卒業後は大学病院に勤務しながら、仕事の終わった後と週に1度当院に来て父を手伝っていました。本格的に当院の診療に関わるようになったのは2003年からで、父が引退した2013年から院長を務めています。
今後の展望をお聞かせください。
これからも外来診療、健康診断、訪問診療の「3つの柱」をしっかりと守っていきたいです。今、国の方針で、医療は在宅診療に力を入れる方向へと変化しています。現在当院では、通院が困難となった外来患者さんを中心とした訪問診療を行っていますが、一般的な在宅診療所のように、初診から訪問診療をご希望される患者さんにも対応していく計画があり、そのために医師も増やす予定です。ケアマネジャー、訪問看護師、グループホーム担当者など、現場の方々とも連携を取りながら充実した診療を提供していきたいですね。訪問診療の患者さんが増えても、当院の特徴である一人ひとりの患者さんを大切にするというきめ細かな対応は変わらずに提供していきます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

開業当初より小児科も標榜し、2020年から訪問診療も始めたことで、「最初から最後まで」診ることができるクリニックとなりました。開業して30年以上になるため、かつて小児科にかかっていた患者さんが大人になり、風邪などのときに「安心できるのでここに来ました」と言って来てくださるのですが、頼りにし続けてくれることがうれしいですね。これからも、クリニックだからこそできる患者さんに寄り添った治療を通し、地域医療に貢献していきたいです。何か気になることがある方は、一人で悩まずにお気軽にお越しください。スタッフ全員でお待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万1910円~
一般定期健康診断/法定健診(1)7315円、生活習慣病健診1万4465円(35歳・40歳以上)、雇用時健診1万4465円
※その他各種健康診断有り

