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長谷山 繁子 院長の独自取材記事

木場整形外科

(江東区/木場駅)

最終更新日:2022/03/25

長谷山繁子院長 木場整形外科 main

東京メトロ東西線・木場駅の地上2番出口を出るとすぐ、橋のたもとに見える「木場整形外科」。エレベーターで3階に上がると、白を基調とした清潔感のある待合室で、受付の女性がにこやかに迎えてくれた。院内に入ると目につくのは、富岡八幡宮の本祭りの駒番や同神社の祭りのカレンダー。クリニックのある深川エリアが大好きという長谷山繁子院長は「江戸っ子気質が私の肌に合うんです。地域の皆さんと波長が似ているから、ここに開業したようなもの」と話す。ちゃきちゃきの江戸っ子と思いきや、生まれは秋田だという。木場に開業して15年、地元に愛されるクリニックをめざして、患者とのコミュニケーションを大事にしているという長谷山院長に、診察のポリシーやプライベートについて話を聞いた。

(取材日2022年2月21日)

痛みの改善には運動療法が重要なことを知ってほしい

まずはクリニックの紹介をお願いします。

長谷山繁子院長 木場整形外科1

整形外科のトラブル全般に対応できるクリニックをめざして、2007年に開業しました。この辺りにお住まいの方だけでなく、お勤めで通っていらっしゃる方たちの、「ぶつけた」「転んだ」をはじめ、スポーツのケガやリウマチ、骨粗しょう症などさまざまな痛みを診察しています。新型コロナウイルス感染症の流行拡大をきっかけにテレワークが増え、「首が痛い」「腰痛に悩んでいる」という理由で来院される方が以前より多くなりました。ご高齢の方は「腰が痛い」「膝が痛い」という慢性的な痛みを訴えられる方が多いです。ケガや慢性的な痛みの治療には運動が必要ですから、リハビリテーションの機械は首や腰をけん引する器具やウォーターベッド、低周波治療器など一通りそろえていますし、看護助手のスタッフがしっかりサポートをしてくれます。ほかにスタッフは看護師、受付事務という体制です。

どのような診察・治療を行っていますか?

整形外科は「自分で運動することが治療につながる」という考え方ですから、それを患者さんにも理解していただくよう努めています。膝や腰のような慢性的な痛みだけでなく、手術をするような場合でも、治すためには運動が大切なんですよ。例えば、膝が痛いという患者さんには足首を動かすストレッチ、四十肩、五十肩で悩んでいる方には、首や腕のストレッチを指導します。その場で私が実演して、さらに運動の方法を解説したリーフレットもお渡しして、普段から実践していただくんです。必要に応じて薬も処方し、多角的な治療を行って痛みの軽減を図ります。またどんな病態なのか、治療内容はどうすればいいか、どのような効果が見込めるかも、しっかり納得していただけるように、わかりやすい説明を心がけています。

整形外科の治療は運動が大切なんですね。

長谷山繁子院長 木場整形外科2

そうなんです。もちろん無理に動かさないほうがいい時期もありますが、基本的には運動で改善をめざすことが必要になります。ですから患者さんが自分のペースで運動を続けられるようにアドバイスしています。「痛くて歩けないんです」という患者さんには「歩かなくてもできる、ちょっとした体操があるからやってみましょう」という感じで、一人ひとりの状態に合わせご提案しています。目標を決めると続けられない時にそれがストレスになりますから、テレビを見ながらや、お風呂入る前にちょっとやってみる程度でいいんですよ。1回くらい忘れちゃっても、「まあいいや」くらいの気持ちで取り組んでいただけばいいのではないでしょうか。10あった痛みをいきなりゼロにすることは難しいので、まずは5まで減らすというようなスタンスで臨んでいただいています。

江戸風情の残る下町に魅せられて、木場に開業

医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

長谷山繁子院長 木場整形外科3

父が内科の医師だったので、その影響が大きいと思います。でも、子どもの頃から強く憧れていた、というわけではないんですよ。医師である父のことを、当時は「働いているんだな」ぐらいにしか思っていませんでした。父は休みや夜でも呼ばれると病院に駆けつけていましたが、それを「大変だな、偉いな」とは思わず、そういうものなんだと冷静に見ていたんです。医師をめざそうと考え始めたのは高校生になった頃から。かねてから母親に、「手に職をつけなさい」と言われていましたが、やはり父の背中をいつも見ていたので「やっぱり医師かな」と。潜在的だったにせよ、父をリスペクトする気持ちを持っていたことは事実です。そうでなければ、医師にはなってはいなかったと思います。

こちらで開業する前は、大学病院に勤務されていたんですよね。

はい。東邦大学医学部を卒業後、同大学付属大橋病院の整形外科に入局しました。学生の頃から外傷学の勉強が面白いと感じていたんです。傷になっていた所がきれいに治ったら、うれしいじゃないですか。それで整形外科を選んだのです。入局した当時は医局員が少なく、新人は私1人だけでした。ひたすら忙しかったのですが、外来から病棟まで症例も広く診ることができました。ただし勤務時間は長く、朝8時半に出勤して、夜は何時に帰れるか、といった感じで。でも頭がやわらかいうちにいろいろと勉強し、手術も数多く経験できたので良かったです。大学病院には、関連病院も合わせて計16年在籍しました。ちなみに私が医師になりたての頃は、女性の整形外科医は少なかったのですが、今はだいぶ増えましたよね。

木場に開業された理由、地域への思いを聞かせてください。

長谷山繁子院長 木場整形外科4

東京の深川周辺の雰囲気が大好きなんです。この辺りに住み始めて20年以上たちますが、お祭りやおみこし、住んでいる方たちの下町気質と波長が合うんですかね。この地域の方々はいわゆる江戸っ子の方が多く、威勢が良くてパワフルで、元気をもらえるんです。ですから「開業するなら、深川周辺がいいな」と思っていました。開業して15年、ありがたいことに当初から通い続けてくださっている患者さんもいるので、一緒に年を重ねてきたなという感じです。8月に富岡八幡宮で開かれる深川八幡祭りには毎年参加しています。半纏を着てお神輿も担いでいますよ。ちょうどお盆の時期ですからクリニックも休診なんです(笑)。

何科かわからなくても相談できる開業医でありたい

スポーツ医学についてもお詳しいそうですが、ご自身もスポーツをされるとか。

長谷山繁子院長 木場整形外科5

体を動かすことが好きなので、テニスとジョギングをやっています。テニスは週に1度テニススクールに通っていますし、ジョギングは週末にこの辺りを走るんですよ。汗をかいた後に飲むビールがおいしいんです。健康のため、ストレス発散のためという意識はあまりなく、ただ体を動かしたいんですよね。スポーツ外傷・障害など、スポーツ医学についても学んできましたので、スポーツをされる方のケガの治療はもちろん、スポーツをやる者としてアドバイスもできます。「こういうふうに走ると楽だよ」とか、「運動の前にこういうストレッチするといいよ」とか、「靴はこれがいい」とか。スポーツをされている患者さんとは共感できることが多いと思います。

開業医の役割についてどのようにお考えですか?

「気軽に来られて、なんでも聞ける」というのが開業医の役割だと思います。「体の調子が悪いけど、何科に行けばいいのかわからない」「どの病院がいいのかわからない」という患者さんでも、ご相談ください。直接診させていただければ、どこへ診察に行けばいいのかもアドバイスできますから。明らかに整形外科ではない時は、「これは内科へ行ってください」と教えてあげられますし。患者さんを必要な医師につなぐことが、開業医の役目だと思っています。もちろん、同じ整形外科でも当院では難しい症状でしたら、すぐに大学病院へおつなぎします。この近くには昭和大学江東豊洲病院や順天堂大学医学部附属順天堂医院がありますから、必要なら紹介状を書きますよ。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

長谷山繁子院長 木場整形外科6

「困ったことがあったら、お気軽にお越しください」これに尽きます。慢性的な痛みがあるならば、運動は良い影響がありますから、実践できるアドバイスができたらと思っています。もちろん、「歩きなさい」と言われても、痛くて歩けない時もありますよね。無理をする必要はありません。できる範囲で、細く長く続けていただきたいですね。痛みを受け止めながらうまく付き合っていってほしい。痛いながらでも楽しい生活ができるように、当院でサポートさせていただきます。

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