畑中 理 院長の独自取材記事
桂 歯科医院
(江東区/住吉駅)
最終更新日:2026/02/27
都営新宿線・住吉駅B1出口から徒歩8分。「桂 歯科医院」は、横十間川沿いに立つ医療モールの1階にある。院内は明るく、ほっと一息つけるような空間が広がる。院長を務める畑中理(はたなか・おさむ)先生は、歯科技工士から歯科医師に転身したという異色の経歴の持ち主。前職での経験を生かした入れ歯やかぶせ物などの補綴治療を得意としている。開業して20年が過ぎ、患者の年齢も高くなり、増えてきた入れ歯の相談に対応するほか、口腔機能を測る検査機器を導入し、嚥下の力を維持する取り組みも始めている。「口から食べることが元気につながるので」と話す畑中院長に、診療におけるこだわりや高齢者に寄り添う治療について話を聞いた。
(取材日2025年4月24日)
歯科技工士の経験を生かし質の高い補綴治療を追究
もともとは歯科技工士のお仕事をなさっていたと伺いました。

ええ。幼い頃から医療への憧れがあり、物作りや細かい作業が好きだったこともあって歯科技工士の道に進みました。歯科技工士は1人で黙々と技工物を作るのが仕事です。やりがいはあったものの、もともと人と接することが好きだったことから、次第に「もっと患者さんとふれあいたい」という思いが強くなっていったんです。そこで、これまでの経験を生かしつつ患者さんと深く関わることのできる歯科医師へと方向転換しました。ですから、歯科医師としてのスタートは遅いんです。大学卒業後は東京医科歯科大学で歯周病治療、歯科口腔外科、根管治療などを重点的に学び、勤務医としていくつかのクリニックで経験を積みました。
この地に開業したきっかけを教えてください。
クリニックに数年勤務した後、法人の分院で院長を務めてから2004年に開業しました。当初は故郷の千葉で開業したいという思いもあったのですが、なかなか事が運ばないでいたところ、しばらくして紹介されたのがここです。ほかの診療科の入った医療モールというのも私の考えにぴったりでした。こういった地域に根差した場所で医療に貢献したいという気持ちが強かったので、ご縁があり、理想に近い場所にご縁があり開業できて本当に良かったなと感じています。
開業されて20年以上たちますが、変わってきたことはありますか?

以前と比べると、予防を中心に考える人が多くなりましたね。予防を希望される若い世代の患者さんも少しずつ増えてきているんですよ。なので、みんな歯への意識が変わってきたのかもしれませんね。それと、長くお付き合いしている患者さんたちがご高齢になってきて、入れ歯や咀嚼機能などの相談に乗ることが多くなりました。人にとって口から食べることが、元気でいるためにはとても大切なんですね。当院も口からずっと食べられるように患者さんの力になりたいと考えています。新しく、口腔機能の検査というのが保険診療でも始まったんですよ。口の中にバルーンのような機械を入れ計測したり、噛み合わせを調べたりといろいろ方法があり、当院でも検査キットを用意して検査をしています。また、歯科衛生士も口腔内の機能改善に関心が高く知識も豊富なので、誤嚥性肺炎を防ぐパンフレットも制作し、患者さんにお伝えする取り組みを始めました。
外来と訪問診療で高齢者への嚥下指導に力を注ぐ
クリニックの強みは何ですか?

歯科技工士時代に多くの入れ歯を作ってきましたので、噛み合わせにも十分配慮した入れ歯を監修できると自負しています。入れ歯を作った患者さんに「食事がきちんと食べられるようになって」と言っていただけるよう、使いやすい入れ歯づくりに努めています。もちろん入れ歯治療だけでなく、根管治療、予防歯科、審美歯科にも対応していて、特に補綴物の審美性には自信を持っています。歯科技工士の経験から技工物の精度にはこだわりがあり、納得できないものに関しては妥協せず作り直してもらいます。歯科技工士に高い技術力を求め、色も形も細部までこだわり抜いたかぶせ物・詰め物を提供できるよう心がけています。また、素材もできればいいものを提供したいので、セラミックの一種であるジルコニアなど自費治療の領域のものも含めてご提案しています。当然患者さんにもご予算があるでしょうから、相談しながら希望に沿った方法で治療したいと考えています。
最近、ホワイトニングを希望する方も多いと聞きました。
当院は、口腔内全体を診ることを大事にしています。なので、ホワイトニングだけを希望されても、基本的には口腔内全体を治療しきれいになったところでご相談に乗る方針です。ただ、ホワイトニングを行うことは、実は歯に刺激を与えることにもつながるので、歯の色に関してそれほど違和感がないレベルの方には、特にはお勧めしていないですね。
訪問歯科診療を始められたそうですね。

2024年8月からスタートしました。介護施設から依頼され、2つの施設に訪問しています。歯科衛生士と2人で月に1回訪問していますが、お口の中を診て口腔ケアを行います。外来の時も同じなんですけれども、患者さんがちゃんと口から食べられるように口腔機能を維持することを一番に考えています。例えば、食事のテーブルについて椅子に座って足を床に着いていることが、飲み込みに非常に大事なんです。足を浮かせて食べるのでは踏ん張りがきかずうまく飲み込めないことが多いんですよ。こういう嚥下の知識を訪問先のご家族や介護スタッフの方に、歯科医師が伝えていかないといけないと思っています。訪問するのは今は施設が中心ですが、この先は通院できなくなった患者さんのご自宅にも範囲を広げていきたいと考えています。
予防に加え高齢者の口腔サポートにも重点を置く
こちらならではの特徴などありますか?

完全予約制を取っており、誰もが気軽にストレスなく通えるよう環境を整えていることですね。私自身、病院などで待たされるのが苦手なので、患者さんをできるだけお待たせしないよう心がけています。診療にかける時間もしっかり管理していますから、前の患者さんが終わっていなくて待つということはほぼなく、スムーズに治療を受けてもらえると思います。スタッフもみんなで互いに協力して効率を考えて動いてくれるので助かっています。そうやって待合室の混雑を緩和することは、感染症対策にもつながっています。
今後の展望について教えてください。
今までは予防に力を入れてきましたが、これからは社会の高齢化がさらに進んでいくので、予防だけではなくて、摂食嚥下の問題や口腔機能低下の問題に向き合ってサポートしていきたいですね。そのためには外来だけでなく訪問歯科診療にも力を入れたいと考えています。患者さんにも口腔機能を低下させないことが大事だという意識を持っていただき、「飲み込みが悪い」とか「飲み込むとむせやすい」などの症状があれば相談に来てほしいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医師と歯科技工士の技術を持っているからこそのアプローチをご提案できますので、セカンドオピニオンも歓迎です。高齢の方にとっては、満足に噛めて食事がおいしく感じられることが生きる上で大切になります。当院は、口腔機能をチェックする機械も導入していますので、保険診療で口腔状態を確認することもできます。嚥下に関する知識も、歯科医師と歯科衛生士とも豊富なので食べることに関してサポートすることに力を入れています。訪問歯科診療も行っていますので、通院が困難な方はご相談ください。口腔細菌が体全部を悪くするというのがわかってきた今の時代、歯科検診だけでもよいので、遠慮なく来院してほしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはコーヌスクローネ義歯/15万4000円~50万円、ノンクラスプデンチャー/10万円~40万円、金属床義歯/16万5000円~35万円、ホームホワイトニング(前歯6本)/3万3000円、オフィスホワイトニング(1本)/3300円、セラミック/4万4000円~(素材によって価格が異なります)

