上川 明久 院長の独自取材記事
上川歯科医院
(江東区/住吉駅)
最終更新日:2026/01/15
住吉駅から徒歩すぐ、下町風情が残るこの街で1991年に開院した「上川歯科医院」。ユニット2台、スタッフ2人という非常にコンパクトなスタイルで、1日あたりの患者数も控えめであるにもかかわらず、患者の通院継続率は非常に高いという。診療の特徴は、フルマウスのリコンストラクション、すなわち、全顎の咬合再構築治療に注力している点だ。また、上川明久院長はこれまで多くの症例に携わり、一般歯科はもちろん、歯周病治療、噛み合わせ治療などを幅広く手がけ、近年はチタンニオブ合金線という特殊素材を用いた矯正治療にも力を注いでいる。「信用と信頼を大事に、患者さんにはうそをつかないことが診療のモットー。患者さんとともに理想のゴールを設定し、一緒に計画を考えていきたい」と語る上川院長に、日々の診療にかける思いを聞いた。
(取材日2023年1月12日)
恩師の言葉を胸に、患者とじっくり向き合う診療を
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

私は静岡県静岡市清水区の出身で、清水といえば昔からサッカーが強いことで有名ですよね。私自身も学生時代はサッカーに夢中で、子どもの頃からずっと熱心に練習していたんです。とはいえ、プロのサッカー選手になるのは困難ですし、能力の問題もありますから(笑)、現実的に考えてサッカー選手として生計を立てていくのは難しいかな、と。では何の職業にしよう、長く勤めるならやりがいのある職業を選びたいと考え、両親にも相談しながら、最終的に歯科医師という職業を選びました。物事にコツコツ取り組むのは性分に合っていますし、手先を使うことも得意ですから、歯科医師という職業は私に合っていると実感しています。
こちらで開院された経緯を聞かせてください。
大学卒業後、明海大学歯学部歯周病学講座に入局し、そこで3年間、歯周病についての学びを深めました。同時に、咬合についても関心を持ち、咬合の分野を研究している阿部晴彦先生のもとでオーラルリハビリテーションや全顎治療についての研究を行いました。その後、都内の歯科クリニックで勤務してから独立。実は、ここ住吉は妻の地元なんですよ。この辺りは以前、「深川住吉町」といわれていて、下町情緒が今でも色濃く残る街。駅周辺は商店が続いていて活気があり、親しみやすい街の雰囲気がとても気に入っています。当院に来られる患者さんも商店の店主さんや経営者の方が多いんですよ。
リビングのような、落ち着いた雰囲気の内装ですね。

患者さんにはリラックスしていただきたいという思いから、このような雰囲気の内装にしました。受付の正面に飾ってあるステンドグラスは、恩師である阿部先生のお嬢さんが作られたもの。そして受付横に飾ってあるほほ笑ましい写真のモデルは、お嬢さんのお子さんです。診察室のユニットは2台、スタッフも2人しかいませんが、これも阿部先生の教えによるもの。先生はよく「コンパクトなクリニックをめざしなさい」とおっしゃっていました。1人の歯科医師が責任を持って診られるのは、それほど多くないはずだから、と。効率性と専門性を考慮して、分業制が取られている大学病院や大規模なクリニックと異なり、ここでは私一人ですべての患者さんを診察しなければなりません。そして、休みの時間は技術向上のための勉強に欠かせないもの。ですから1日に診察する患者さんの人数も控えめにし、その分一人ひとりにじっくり時間をかけて治療を行うようにしています。
全顎の咬合再構築を数多く手がけてきた
こちらで特に力を入れている治療は何ですか?

街のクリニックですから、幅広い症例を抱えた患者さんがやってきますが、その中で特に多く手がけているのが、フルマウスのリコンストラクション。日本語に訳せば「全顎の咬合再構築」です。虫歯や歯周病などが原因で歯が抜けたり動いたりして咬合が乱れている場合に、すべての歯の状態を詳細に診て、かぶせ物などで新しい噛み合わせを作ることにより、咬合を正しくしようと試みる治療です。これにより、咀嚼機能や神経筋の機能回復を図ることはもちろん、審美的な改善もめざします。義歯など一部の技工物は院内で製作するほか、経験豊富な外部の歯科技工士とも緊密に連携し、やり直しのない治療を提供することが歯科医師の果たすべき責任だと思っています。
歯科医師としてのやりがいをどんなところに感じていますか?
顎のずれは頸椎のずれ、さらには脊椎全体のずれを招き、体全体のバランスにまで悪影響をもたらします。当然、肩凝りや腰痛などの症状も出ますし、また、頸椎の周りには自律神経が密集しているため、自律神経失調症などの神経系の症状を引き起こすケースも珍しくありません。ですから、フルマウスのリコンストラクションを行うことによって、正しい噛み合わせにとどまらず、それにひもづくさまざまなつらい症状の改善にもつながると考えています。治療を終えてそうした苦痛から解放され、患者さんから感謝されたら、歯科医師としてのやりがいを感じますね。
治療の際にモットーとしていることは?

私にとって、歯科治療とは「作品」を残すこと。患者さんによって、治療方法はそれぞれ異なりますが、めざすゴールは一緒だと思うんです。正しい噛み合わせを作り、きちんと噛める歯を作ること、それが歯科医師としての役割であり、私にとっては患者さんの治療そのものが「作品」だと思っています。その一方で、歯科治療は患者さんの人生にも影響を及ぼしかねない大仕事。歯1本で人生が好転することもあれば、逆に苦しいものになってしまうこともあるでしょうから、歯科医師という仕事は非常に怖いという自覚も持っています。だからこそ責任を持って治療に取り組まなければならないと、自戒の念を常に忘れないようにしていますね。
信頼と信用を大事に、効果を実感してもらえる治療を
患者さんとのコミュニケーションで大切にしていることは?

特に大切にしていることは、患者さんに対してうそをつかず、信頼と信用を大事にするということ。歯科医師としてできる限りのことを行い、最大限の治療効果を得ようと努力するのは当然ですが、残念ながら歯科治療にも100%はありません。できること、できないことの区別を明確にし、その中で患者さんのご希望に沿う治療を行うように努めています。当院の場合、1日あたりの患者さんの人数は少ないですが、継続して通院してくださる患者さんの割合は非常に高く、とてもありがたいと思っています。継続率が高いのは、まず患者さんご自身に有用性を実感していただくことを大事にしているからかなと、自分では考えています。
近年は矯正治療も本格的に手がけているそうですね。
歯科医師がめざすべき最終目標は、健全な咀嚼器を作り上げること。しかし、それを成し遂げる上で、どうしても矯正治療を組み合わせて行わないと治せないという症例に、私自身これまで数多く出合ってきました。そんな折、神奈川歯科大学の准教授をされていた長谷川信先生とのご縁に恵まれ、チタンニオブ合金線という特殊素材をワイヤーとして使用する手法を直接指導していただきました。チタンニオブ合金線を用いた矯正は素材の特性から、強すぎない適切な力で歯を動かそうとしますから、歯の根の吸収の抑制につながり、何より短期間で矯正治療を終えられることが期待できます。長谷川先生は残念ながらお亡くなりになってしまいましたが、素晴らしい技術を直々に指導していただいたことへの恩返しの意味も含め、この治療を多くの患者さんの咀嚼機能の改善に役立てていきたいと思っています。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

お仕事や家事などで忙しく、なかなか継続して歯科治療に通うことが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。しかし歯科治療というのはそもそも、患者さんと歯科医師が協働で行うもの。どちらか一方のモチベーションが低ければ、本当に良い治療結果は当然ながら得られません。せっかく頑張って治療を行い、良い状態になったとしても、それをキープするためには定期的なメンテナンスが必要です。また、虫歯や歯周病を発症したとしても、早期に治療開始できれば、歯を失ったり大きなダメージを受けたりすることも少ないでしょう。ぜひ、時間を作ってクリニックでのメンテナンスを習慣にしていただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはチタンニオブ合金線を用いた矯正/110万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

