関根 伸行 院長の独自取材記事
かめいどファミリー歯科
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2021/10/12
亀戸駅前のにぎわいを少し離れ、レトロな雰囲気の亀戸香取勝運商店街に入ると、どこか気持ちがほっとする。この商店街中ほどにあるのが「かめいどファミリー歯科」だ。エントランスを入ると季節の花が迎え入れてくれ、洗練されたサロンのような印象を受ける。だが、2階から階段を下りる高齢の患者を歯科医師が何気なく支えたり、帰る子どもには別の歯科医師が「じゃあ、またね」と手を振ったりと、下町らしい温かしさにもあふれている。「患者さんとの距離はとても近いですね」とにこやかに話す関根伸行院長。関根院長は、全顎的な治療を専門とし、歯周病と全身疾患との関わりについての啓発活動も行っている。そんな関根院長に診療にかける思いやクリニックの特徴などについて話を聞いた。
(取材日2020年3月13日)
季節感あふれる快適性を追求したクリニック
開業の経緯について教えてください。
もともとここで勤務医として働いていましたが、前の院長が亡くなられてしまったのです。古くからの患者さんもおられましたので、私が引き継ぐかたちで自分の歯科医院として開業しました。当初は2階だけでしたが、これまで3回増床しています。現在、1階はバリアフリーで車いす、ベビーカーもそのままお入りいただけます。お手洗いにオムツ台を完備していますのでお子さま連れの方にも安心してご利用いただけます。また毎週クリニック内を清掃し清潔で快適な空間の提供を心がけ、待合室や診療室には花を飾っています。お正月は金を入れたアレンジ、2月は梅、3月は桜というように、患者さんに季節の変化を楽しんでいただければと思っています。
今、こちらにはどんな患者さんが多く来られているのですか。
小さなお子さんからご高齢の方まで幅広くいらしていただいています。ここで治療を受けて気に入って、お知り合いに勧めてくれる方も多いですね。地元の方だけでなく、栃木や群馬など関東一円、遠くからいらしていただいています。中には友人5、6人の団体で来られる方もいます。クリニックで治療を受けた後は、都内で観光したり有名店で食事をしたりと、旅行も兼ねているようです。日本在住の外国の方たちもよくいらっしゃいます。
そもそも先生はなぜ歯科医師をめざされたのですか。
5歳になった頃、自転車で転んで前歯を地面に打ちつけてしまったことがありました。両親に連れられて日曜でもやっている歯科医院に駆け込んだところ、先生は、「乳歯だからいらないでしょう」とぐらぐらしていた前歯を2本抜いてしまったのです。後日、かかりつけの先生のところへ行くと「どうして抜いたの」と両親は怒られたそうです。実は乳歯は適切でない時期に抜くと歯並びに大きな影響が出るのです。実際、3年後にとんでもない方向に永久歯が生えてきました。口が閉まらないほど出っ歯になり、鼻の通りにも影響が出てしまったのです。そのため11歳から矯正治療を始め、終わるまで7年かかりました。矯正装置を外した日の感動は今でも忘れられません。この経験を通して、助けてくれた歯科医師に憧れと尊敬の念を抱くようになったことがこの道を志したきっかけです。自分と同じように苦しんでいる人の力になれたらうれしく思います。
歯周病菌は全身の健康に影響を及ぼすこともある
先生が今、力を入れている歯科診療について教えてください。
当クリニックでは全顎的な治療を基本としています。単に虫歯だけの治療というのではなく、歯周病治療や根管治療、噛み合わせなど口腔内をトータル的に診ています。ここに遠くから来られている患者さんもすべてを診てほしいという方がほとんどです。口は、すべての入り口で全身の健康に深く関わっていますので、歯周病の治療にも力を入れています。歯周病菌は歯肉の毛細血管から体の血管に入り、全身を巡ることもあるといわれます。このため歯周病菌はさまざまな体の部位に影響を及ぼし、生活習慣病とも深く関わっているのです。例えば、糖尿病。歯周病は糖尿病の合併症といわれており、逆に歯周病が重症化すると糖尿病が悪化することもわかってきています。ですので、歯周病を抑えることが糖尿病のコントロールにもつながるわけです。
歯周病はほかにはどんな疾患と関係があるのですか。
血液によって心臓に運ばれた歯周病菌が、血管に血栓を作りやすくする要因となることで、脳卒中や心疾患などのリスクが高まる可能性が指摘されています。また歯周病菌の刺激によって動脈硬化を誘導する物質が産生されやすくなるともいわれています。認知症、リウマチや骨粗しょう症の進行抑制を図るためにも、歯周病の予防が重要であることがわかってきています。誤嚥によって歯周病菌が肺に入ると、誤嚥性肺炎を引き起こす場合もあります。このように歯周病菌と体の疾患とは深く関わっているのです。今、日本人の平均寿命と健康寿命との差は、8歳といわれていますが、歯周病を未然に防ぐことで健康寿命を延ばせる可能性もあるのです。ぜひ定期的に検診を受けて、歯周病の原因となる歯石を除去していただきたいですね。
歯周病治療の主力となるのが歯科衛生士さんですね。スタッフについて教えてください。
スタッフは歯科医師が3人、矯正を専門とする歯科医師が1人、歯科衛生士が7人、滅菌専任のスタッフが1人います。歯科衛生士は担当制となっています。みんなとても勉強熱心で、外のセミナーや勉強会に積極的に参加しています。クリニック内でも月に1回勉強会を開いています。それぞれがテーマを決めて発表したり、外のセミナーで学んだことを発表したりとスタッフ全員で共有しています。それによって、誰に尋ねても同じ答えが返せるようになっています。スタッフはみんなプロ意識が高い人が集まっていると感じます。今日もお昼休みを利用して歯科医師が症例検討会を行っているんですよ。
口腔環境と健康との関連について関心を寄せてほしい
普段、どんなことを心がけているのでしょう。
笑顔です(笑)。私が暗くイライラしていたら、その空気がクリニック全体に伝わりますから、患者さんもスタッフも気分が悪いでしょう。私自身の性格もあるのでしょうか、あまり物事を深く考えず、常に前向きに笑顔でいることが多いですね。スタッフ同士も仲が良くて、いつも明るい雰囲気です。スタッフは一人ひとりそれぞれ得意なことがあり、その部分をお互いに認め合いながら切磋琢磨しています。患者さんにも思いやりを持って接してくれているのでとても感謝しています。当クリニックでは、スタッフ教育の一環としてコーチングも取り入れていますので、患者さんお一人お一人に即した接遇やコミュニケーションがとれていると思います。
ところでプライベートはどのようにお過ごしですか。
週に2回ジムに通っています。自分の体が健康でないと良い治療もできませんから。やはり体を動かさないと何か変な感じです。あとは、お酒を飲みに行ったり、カラオケに行ったりといった感じでしょうか。スタッフとは3ヵ月に1回懇親会を開いています。スタッフはみんなよく飲むんですよ。お店の人がびっくりするくらい。なので、みんなで集まる日は、事前にお店に告知しておいて、いつもより多くお酒を準備してもらっています。「スタッフさん同士の仲がいいね」と患者さんによく言われるのは、プライベートでも仲がいいことが秘訣なのではないでしょうか。
では、最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。
これまで欲も何も持たずに続けてきたら、クリニックが自然と成長した印象です。すべて良いタイミングで、いろいろな良い巡り合わせがあったのだなと感じています。これからも欲張らず、少しでも多くの患者さんやスタッフに喜んでもらえたらいいなと思っています。読者の皆さんには知ることの大切さにぜひ気づいていただきたいですね。知ることで、3年後、5年後の健康状態が変わってくると思います。健康寿命を延ばすために、口の中の環境と全身との関わりについて関心を寄せていただいて、歯周病予防の大切さをご理解いただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正5万円~、ワイヤー矯正80万円~、マウスピース装置を用いた矯正20万円~、
※症例によって異なりますので、詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。