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福羅勝久 院長の独自取材記事

ふくら歯科医院

(江戸川区/船堀駅)

最終更新日:2019/08/28

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船堀駅を出て徒歩2分。歯ブラシを手に持つ1匹のビーバーが窓に描かれている「ふくら歯科医院」。船堀で開業して14年目。最初の開業の地・篠崎時代から数えると21年の歴史を誇る。院長の福羅勝久先生の掲げる診療科目は一般歯科、小児歯科、矯正歯科、予防歯科に審美歯科と幅広い。特に先生が柱にしているのが小児の矯正治療だ。発育に伴って歯並びをきれいにする咬合調整を小さい頃からすることで、大人になったときの矯正治療の負担も減らせるという考えだ。一見、少し人見知りの印象も受けたが、こと治療の話となると熱く語る姿が印象的だった。今回は遺伝子研究のために一度理系の大学に進んだという異色の経歴から、先生の姿を見て理系の道に進もうとしているという娘さんのことなど幅広くたっぷり伺った。
(取材日2014年11月27日)

開業医の喜びは、患者と人生をともにすることにある

先生が子どもの頃の話を聞かせてください。

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私は東京・世田谷の生まれです。かつての世田谷は自然も多く、少年時代は虫を取ったりしてよく遊んだものです。でもそんな遊び場だった場所も今やすっかり様変わりしました。マンションや新興住宅が建ち並び、見る影もありません。時代と言えば仕方ないのかもしれませんけど、少し寂しいですよね。この仕事に就いたきっかけといいますか最初の原点は中学生の頃でした。担任の先生が生物の教師だったこともあり、理科の面白さに目覚めたんです。当時は「遺伝子」というものがクローズアップされていた時代。私もそれに興味を持ち、東邦大学の理学部に進みました。複雑な構造を持つDNAなど初めて知ることに驚きと感動の連続でしたが、教授には「将来は社会に貢献できる仕事を選びなさい」とも言われたんです。もちろん、私としても遺伝子研究の意義は大いに感じていましたが、仕事ということで考えると少しとらえどころがなかったんですね。では自分に何ができるかと考えたときに、医療の道もあるんじゃないかと思ったんです。また手先も割と器用でしたから、それなら歯学の道をめざそうと思い立ち、東邦大学を卒業後、昭和大学歯学部に入りました。

遺伝子の研究には未練はありませんでしたか?

まったく未練がないと言ったらウソになりますけど、昭和大学でも研究畑の「口腔微生物学教室」に入りましたし、また歯学博士を取ったときの研究テーマも「口腔細菌の遺伝子解析」というものでしたから、多少関連しています。昭和大を卒業後、最初に勤めたのは品川区にある「宮田歯科医院」というところでした。こちらは、大学時代には足りなかった臨床を叩きこまれたのはもちろん、セラミック治療やインプラントなど、治療の際に使う材料や機器といった面でより精度の高い自費診療も学びました。もちろん自費に移る前に、保険の範囲内でどこまで治せるか追求するということも教わりましたね。そこで3年間勤務したのち、埼玉にある「鷺宮歯科医院」で院長職に就きました。ここは集合団地の1階にありましたので、比較的お子さんの患者さんが多かったんですね。むし歯、歯が取れた、歯並びが悪い……といった多くの訴えに対応するうちに、小さいうちからの歯の治療はとても大事だと思い、開業後、小児歯科にも力を入れることにしました。

こちら船堀で開院されたのはどうしてですか?

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結婚後、家内の姉夫妻が江戸川区で歯科医院を開院していたのです。江戸川区は福祉に手厚く、子育ての助成も充実しているということも、この地で開業しようと思った理由です。ただし最初は南篠崎で1993年に開業したのですが、篠崎公園の整備拡張工事の関係でこちらに移転してきました。今の場所は2000年に移転しましたから14年目になります。当時こちらに通っていた幼稚園児だった子がもう中学生、高校生。私も年を取りました(笑)。開業医の喜びは、患者さんとともに年を重ねていけるところにあると私は思っています。特に歯科医師の場合、そんな子どもの成長を口腔内からも診ることができる点がいいなと思います。でも、口の中は歯が乳歯から永久歯に生え変わっても、昔と意外と変わらなかったりします。ですから、久しぶりに来て、かつての面影もないくらいにすっかり大人びているのに、口の中を見ると、「あ、あの子だ」と思い出すことがよくあります。もちろんカルテに目を通してもすぐ当時の記憶とともに甦ります。院内をよく走り回ってたなとか(笑)。

細菌の母子感染でむし歯になる可能性も

先生がこちらの柱の一つにしている子どもの矯正治療について教えてください。

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言うまでもあれませんが、乳歯も時期を見て抜かなければいけません。でも今のお子さんは自分で抜くことを嫌がります。また親御さんも、大事なお子さんの歯を抜くのを敬遠し、自然に抜けるのを待っている傾向にあります。しかし、歯茎を傷つけないようにすれば意外と簡単に抜けるんです。しかも、永久歯が下から伸びてきて乳歯の根元がグラグラしてきた時点で乳歯の役目は終わり。そのまま放置して永久歯と乳歯が共存してしまうことで歯が重なり、一方が外に飛び出してしまうなど歯並びがガタガタになってしまうのです。でもその時点でもまだ手遅れではありません。大体月に一度のペースで歯列を整える咬合育成をすることによって、もし大人になって最終的に治療を行わなければいけない場合でも時間や費用をかなり減らせますし、場合によっては矯正治療をしなくてもよくできるのです。

子どもの頃からの歯の治療というのは大事なんですね。

そうですね。成長するのは体だけではありません。歯も発育にともなって見てほしいと思いますね。当院では「アンチエイジング歯科治療」という名目で、予防歯科にも力を入れています。お肌を例に取ってみると、老化は止めることはできなくても努力次第で遅らせることはできると思うんです。歯も同じように、前々からケアしておけばお年を召しても自分の歯で食べられます。むし歯菌によって歯が悪くならないよう、常日頃から予防をしておくことが大事なんです。そこで当院ではむし歯や歯周病の治療後、ご自身のセルフケアでは見落としがちな細かい歯垢を落とすため定期的な来院を促し、メンテナンスとクリーニングを行っています。ただ、患者さんの中には「良い状態を維持する」大切さが実感としてとらえられず、痛くもないのにどうして通院する必要があるのか、ということで通院を辞めてしまわれる方もおられます。でも歯のケアを怠れば、最後はその人にすべて跳ね返ってくるのです。結果、歯を抜かざるを得なくなり、入れ歯になってしまう方もいらっしゃいます。しかし、それはひとえに、歯科医師である私の力不足。今まで以上にわかりやすいアナウンスをしていかなければと思っています。

やはり、技術だけではなく、患者さんとの信頼が大事になってくる、ということでしょうか。

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そうですね。私たちは治療ロボットではありませんから、心と心で向き合わないといけないと考えています。コミュニケーションはもちろん、通院を促すためのツールとして治療を解説してあるパンフレットを差し上げて見ていただいたりもしています。さらには近年、PCやスマートフォンを使用する方も増えているので、「ご自分で調べてみると面白いですよ」と、治療について検索してもらうようにしています。当院でお伝えしても家に帰ると忘れてしまうことも多いですし、自分で調べてみることで頭に入ってきやすいこともありますから。次に来院するまでに、これからどんな治療をしていくのかをきちんと把握しておけば患者さんも安心ですよね。もちろん、まだ歯が生えそろっていない、生え変わりの時期などの子どもを持つ親御さんには、歯のケアの大切さをお話しています。母子感染といって、お母さんの口腔内の細菌がお子さんの口の中に入ってむし歯になることもあります。子育ての中に「お子さんの歯の成長」という項目もしっかり入れていただきたいと思いますね。

一生のかかりつけ医でありたい

こちらのクリニックの雰囲気づくりに関して、先生が大事にしていることは何でしょうか?

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当院はお子さんの患者さんが多いことから、子どもが来院しても楽しい雰囲気づくりを心がけました。外の窓ガラスに描かれている歯ブラシを持ったビーバーくんのマスコットキャラクターは南篠崎の時代から採用しています。クマとかいろいろな動物から選んだんですが、ビーバーが一番、歯もイメージできるし、しっくりくるなと思って。当院には5台のユニットがありますが、敷地が広いためユニットを2台ほど増設することもできたんです。また、お子さんのためにちょっとしたキッズスペースを設けました。置いてあるおもちゃやお人形さんは、大きくなった患者さんたちからの“おさがり”です。その他にも、治療を頑張った男の子にはスーパーボール、女の子にはシールや消しゴムをご褒美にプレゼントしています。スタッフは歯科医師の私、衛生士3人、受付1人です。篠崎の頃から20年勤務している人もいます。また彼女たちの中には実際にお子さんを持つ人もいますから小さい患者さんをあやしてもらったりと何かと心強いですね。たまにスタッフと駅近くの居酒屋で飲んだりすることもあります。お酒にめっぽう強い子がいるので、私なんかはすぐ音をあげています(笑)。

プライベートについてもお聞かせください。

子どもが2人いて、上が高3の女の子、下が中1で男の子です。この長男とは外房沖へ海釣りに行ったり、渓流釣りをしたりしています。ほとんどキャッチアンドリリースですが、たまにたくさん釣れると、その中から何匹か家へお土産として持って帰ります。長女はもうそろそろ大学受験を控えています。以前、彼女の治療もしたことがあります。初めて見る父の職場と後ろ姿に刺激を受けたのでしょうか、「私も理系に行きたい」と言ってくれました。もちろん歯科医師になるかどうかはわかりませんが、私が大学時代に教授に言われたように、社会の役に立つ仕事に就いてほしいと思います。これからは、巣立っていく彼女の後ろ姿を見ながら、輝かしい将来に思いをはせるのが楽しみになることでしょう。

最後に、患者さんへのメッセージはありますか?

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歯科治療というのは、治した箇所が元通りになるわけではありません。神経を取ったり、被せ物をしている時点でそもそも健康な歯ではないからです。さらに、一度治療した箇所がまた悪くなったりするもの。ですから繰り返しお伝えしているように、大事なのは予防なのです。一生という、あまりにスパンが長い次元での話なので現実味がわかないのは無理もありませんが、それでも生まれたときから気をつけていかなければならない。そういう意味で私は皆さんの、一生のかかりつけ医でありたいと思っています。篠崎での開業から通算して20年。今でも、篠崎からの患者さんも来てくださいます。来院してくださり健康な歯を見せてもらうたびに、自分がやや口うるさく言っていたことが間違ってなかったことを実感します。でも治すのも患者さんご自身、こちらに来るのもご自分の意志。自分の健康を維持しようという意志が大切なんです。我々はある意味、助言やアシストしかできません。患者さんには「治していただいてありがとうございます」と声をかけられることはありますが、私が本当にねぎらいたいのは患者さん。「それを頑張ったのはあなたですよ」と言いたいです。

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