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宮平 睦美 院長の独自取材記事

太田医院

(江戸川区/船堀駅)

最終更新日:2025/01/15

宮平睦美院長 太田医院 main

江戸川区の住宅街で、100年近く近隣住民の健康に寄与してきた「太田医院」。祖父、母からバトンを受け継いだ宮平睦美先生が3代目院長に就任したのは2023年のことだった。内科と婦人科を2つの柱として地域の健康をきめ細かに見守っている。慶應義塾大学で学んだ経歴を持ちながら、おっとりとした笑顔が印象的な宮平院長。すべての診療において重視しているのは、患者の心だ。無理やりこじ開けるのではなく、患者自らが開いてくれるのを信じて待つ。その姿は患者の信頼感にもつながるだろう。なぜ、宮平院長が深く患者に寄り添うスタイルを会得したのか、これまでの道のりなどを詳しく聞いた。

(取材日2024年12月19日)

長い歴史を持つクリニックで地域の健康を守る

100年近い歴史を持つクリニックと伺いました。

宮平睦美院長 太田医院1

祖父がこの場所に開業したのが1929年なので、2029年に100周年を迎えます。地域の方々が支えてくださったからこそ、長い間診療を続けることができました。最初は小さな産婦人科医院で入院施設などはなく、外来だけの診療をしていたと聞いています。2代目院長を継承したのは、祖父の働く姿を間近に見て育ち同じ産婦人科医師になった母でした。心臓外科を専門としていた父も時々手伝っていて、この頃に形成された内科と産婦人科を両軸とするスタイルを今も継承しています。両親が建て替えをして入院も可能な有床診療所となったのは1970年代。高度経済成長のピークで出生率も高く、子ども心にも母がいつも忙しそうにしていたのをよく覚えています。

先生は医院とともに成長してこられたのですね。

同じ敷地内に母屋のようにして実家があり、日常生活の中に医療がありました。「医院に住んでいる」といった感覚さえありましたね。何の抵抗もなく医学の道に進み、専門に選んだのは内科でした。医師になって4年目で夫の留学に伴い渡米して2年ほど主婦をしていましたが、それまでの人生の中で一番のんびりできたひとときでした。ところが、1997年に母が体調を崩したため、私が一人で急きょ帰国してきました。母は診療をセーブしなければならず、実質的には私が診療体制のメインになり、入院施設は内科中心の病棟にするなどの変遷を経て、今に至ります。2023年に母は亡くなり院長交代をしましたが、今度は私自身が体調を崩してしまったんです……。

今はお元気になられて本当に良かったです。

宮平睦美院長 太田医院2

ありがとうございます。2024年の5月から10月まではクリニックを閉めていたので、近隣の皆さまにはご心配とご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳なく思っています。おかげさまで、外来診療のみではありますが再開することができました。当院には生活習慣病の患者さんも多く受診されます。また、母娘2代で女性医師の時代が長かったためか、患者さんは女性が多いですね。内科、婦人科のさまざまなお悩みを抱えた方がいらっしゃいます。漢方も含めて院内処方を行っているのも当院の特徴の一つですが、患者さんが薬局に立ち寄る手間を省くためにも、今後も続けていきたいです。

内科と婦人科を2つの軸として幅広い診療を行う

こちらの中心である内科診療についてお聞かせください。

宮平睦美院長 太田医院3

発熱・頭痛・腹痛などのよくある症状はもちろん、生活習慣病の管理を希望される患者さんも少なくありません。当院は、中でも高血圧が中心です。血圧管理をして経過を見ながら、服薬指導、食事指導、運動指導などを行っていきます。ご高齢の方は「先も長くないし、もういいよ」という気持ちから、モチベーションの維持が難しいケースもありますが、できることから少しずつでも続けてもらわなければいけません。患者さんに前向きな気持ちを持ってもらうのに、これまでの歴史が役立つこともあると思います。祖父や母の思い出話など昔話に花が咲けば、患者さんの気持ちもきっとほぐれるはずです。

婦人科ではどのような相談が多いのでしょうか。

主に性感染症、更年期障害に関する相談が目立っていますね。性感染症の相談は低年齢化が進んでいて10代の子が親御さんではなくお友達と一緒に問い合わせてくれることもあります。いろいろな問題を抱えている様子がうかがえ心配になりますが、医師の私がすべきは診察を行い、しかるべき検査をして治療をすること。それでも、その子に少しでも明るい未来が待っているようにと思いを寄せずにはいられません。一方、更年期障害は40代から50代が中心ではありますが、若い方の訴えも増えています。ホットフラッシュ、異常発汗、イライラ、不眠などの特有の症状があるようならば、年齢を問わずできるだけ早く受診してください。ホルモン剤、抗不安薬、漢方薬などを、症状とご希望に合わせて細心の注意を払って処方しています。

診療にあたって大切にしていることは何ですか。

宮平睦美院長 太田医院4

必ず患者さんの目を見てお話しすることを大切にしています。たくさんの患者さんでいつも混雑しているわけでもなく、一人ひとりにきちんと時間をかけられるのは当院の強みです。体の具合が悪いからだけではなく、「話したい」「聞いてほしい」という気持ちがあってここまで来られる患者さんもいらっしゃるでしょう。主訴だけではなく、家庭の問題などについても、途中でさえぎることなく、時間をかけてすべてに耳を傾けたいです。私の小さい頃を知っている患者さんもちらほらいて、何歳になっても「こんなに大きくなって」と見守ってくださっている方もいます。だからこそ、体だけではなく心もケアしていきたいと切に願っています。

病むことを自ら体験したからこそできる医療がある

今後の展望についてお聞かせください。

宮平睦美院長 太田医院5

これからも、長年通ってくださっている方はもちろん初めての方でも、誰でも気軽に利用できる場所でありたいと思っています。内科ではニーズの高い生活習慣病の管理をますますしっかりと行っていきたいですね。婦人科では子宮頸がんワクチンの啓発をしていきたいです。若年層の子宮頸がんが増えていますし、注意を呼びかけていかなければと考えています。妊娠前に手術が必要になり、人生設計が変わってしまうような事態はどうにかして避けなければいけません。内科でも婦人科でも、必要があれば迅速につなげることができるよう、高度医療機関との連携も深めていきます。プライマリケアクリニックとして、やるべきことを一つずつ着実に積み重ねていきたいです。

お忙しい毎日ですが健康維持法などはありますか。

夫の出勤に合わせて毎朝、駅までウォーキングするようにしています。今も医院の敷地内に住んでいるのですが、最寄り駅まではちょうど2kmほどで健康維持のためのウォーキングにちょうど良い距離なんです。夫は昔からの習慣にしていたのですが、私が体調を崩した後に「一緒にやろう」と誘ってくれました。7時に家を出て帰宅する頃はちょうど8時になっています。一休みしてから、8時半に来るスタッフたちを迎える毎日です。生活習慣病の方に「歩いてください」とだけ言ってもなかなか響きませんが、私自身も続けていると話せれば説得力が増すのではないでしょうか。本当は私のように一緒に歩いてくれる人がいれば励みになるのですが、「健康は足から」と根気強く伝えていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

宮平睦美院長 太田医院6

病気一つせずにバリバリと働く医師も多く、かつての私もそうでしたが、もしかしたら病む人の心を真に理解できていないかもしれません。自分自身、体調を崩したことで初めて「あの時の患者さんはこんな気持ちだったのか」と思い至ることもたくさんありました。以前よりきちんと患者さんに寄り添えるようになったと感じています。患者さんにも「先生、変わったね」と言われることも増えましたしね。これからは途切れることなく、皆さんの健康を見守っていけたらと思っています。どんな小さなお悩みでも、気兼ねなくお立ち寄りください。

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