受けておけばと後悔しないために
詳しく知りたい消化器内視鏡検査
高野医院
(江戸川区/篠崎駅)
最終更新日:2024/02/29


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がんが「不治の病」といわれたのはもう大昔の話。今の時代、胃がんや大腸がんなどは早期発見・早期治療さえできれば、治癒も見込める病気となっている。そして、消化管の異常の早期発見において有用なのが、胃・大腸の内視鏡検査だ。とはいえ、心情的になんとなくハードルが高いと感じてしまうのも事実。がん専門病院で長年にわたって診療に携わり、膨大な症例と向き合ってきた「高野医院」の高野浩一院長は、「どんなに治療方法が進化しても、早期発見・早期治療にはかなわない」と話す。内視鏡検査の達人ともいえる高野院長に、内視鏡検査の重要性について詳しく解説してもらい、私たちが抱く素朴な疑問に答えてもらった。
(取材日2023年2月8日)
目次
がんをはじめとする重篤な疾患を早期発見・早期治療につなげる鍵は、定期的な内視鏡検査
- Q内視鏡検査とはどのような検査ですか?
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A
▲上部と下部どちらの内視鏡検査にも対応する同院
胃や腸などのことを消化器管といいますが、この消化器管の異常を見つけるための検査機器が内視鏡です。内視鏡には先端にCCDなどの小型撮像素子という装置がついていて、ビデオシステムにつなげてあります。それを体内に挿入して直接消化器管の内部を観察するのが内視鏡検査です。一般に胃カメラといわれる上部消化管内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸を検査範囲とし、がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎といった疾患の早期発見に有用です。一方、大腸と直腸を調べる下部消化管内視鏡検査、大腸カメラでは、がんや大腸ポリープや大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎の有無を調べることができます。
- Q何歳頃から受けると良いのでしょう?
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A
▲40歳から定期的に検査を受け、病気の早期発見につなげよう
健康増進法で定められている自治体の胃がん検診と大腸がん検診は、40歳から受けることが推奨されています。上部消化管内視鏡検査は50歳以上となりますが、早期発見のためには40歳から定期的に検査を受けてほしいですね。また、20~30代の方でも、ご家族にがんになった方がおられる場合は、早めに検査を受けられたほうが良いと思います。検査間隔については1~2年ごとの検査をお勧めします。1回受けて何もなければ検査間隔を空けても良いと思われる方も多いかもしれませんが、うっかり経過観察のまま放置したり、数年検査を受け忘れたりしている間に静かに病気が進行していることもありますので、忘れずに受けましょう。
- Q検査を早めに受けたほうが良い症状はありますか?
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A
▲スタッフ一同で患者一人ひとりに寄り添う
第一に何らかの気になる症状があったら早めに受診し検査を受けてください。まずは便の異常。直腸などの中に何らかの腫瘍ができている場合、便が押されて平たくなることもありますし、便に血が混じる血便、便秘と下痢を繰り返したり、便の色が黒っぽくなったりすることもあります。便に血が混じるだけでなく下血したときは要注意です。また、胸焼け、吐き気、ムカつきなどの胃の不快感、食べ物が飲み込みにくい、思うように食べられなくなる摂食障害、貧血、急な体重減少なども気にしてください。しかし何といっても検査の目的は、自覚症状がないような初期段階での病気の発見です。何も自覚症状がないときこそ検査を受けてほしいと思います。
- Q検査時の痛みや、検査後の不快感など、いろいろと不安です。
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A
▲昭和レトロな趣のある雰囲気で、居心地の良いリカバリールーム
患者さんが一番気にされるのは痛みでしょうか。痛みを抑えるためには、鎮静剤を使います。鎮静剤の働きが検査後も残りますので、1時間程度休んでいただいてからのご帰宅になります。帰宅時は車や自転車の運転はできません。下部消化管内視鏡検査は肛門から内視鏡を入れますが、検査時には、専用の下着を着ていただくので、下半身が直接さらされることはありません。消化管の内部が見やすくなるように空気を注入するため、検査後は少々おなかが張った感じがする方やおならが出る方もおられますが、長時間ではありません。消化管内部をきれいにして行う検査なので、むしろおなかの中がすっきりした感じになる方が多いようです。
- Q内視鏡検査で異常が発見された場合はどうなりますか?
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A
▲がん専門病院で、長年膨大な症例と向き合ってきた高野院長
ポリープが見つかった場合は、その大きさにもよりますが、通常は検査時に切除、病変の疑いがある場合は、その部分の組織を採取して病理検査を行います。近年上部で多く行われている鼻から内視鏡を入れる方法では組織を採取できませんから、一度で検体採取ができるお口から入れる方法がお勧めです。ポリープのようにできもの状の異常は比較的発見しやすいのですが、粘膜面に凹凸がなく色やただれ状の異常は検査する医師の経験値や技術力も問われます。検査の結果、専門的な治療が必要となった場合は、医療連携しているがん研有明病院に迅速にご紹介いたします。また、加療後の当院でのフォローも可能です。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部消化管内視鏡検査/1万4000円~、下部内視鏡検査/1万8000円~