綾瀬産婦人科

布施 政庭院長

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「赤ちゃんは見ているだけで楽しいんですよ。笑顔もそうですが、大人とは違う表情や世界観を見せてくれます」。満面の笑みで、目の前に赤ちゃんがいるかのように話してくれるのは、「綾瀬産婦人科」の布施政庭(せいてい)院長。とても穏やかな人物だ。1990年に綾瀬に開業してから26年間、子どもを産む母親をサポートしてきた。出産については「かなり体力を使うきつい仕事」と一言。このシンプルな言葉の裏には、真摯に必死に出産に向き合ってきた歴史が見える。一人で不安を抱える母親が多い時代に突入したことを実感し、2年前からは産後の母親のフォローに力を入れ始めた布施院長に、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2016年6月30日)

子育てへの自信と子どもへの愛着を育む

―院長が医師をめざした理由をお聞かせください。

私は台湾の出身なのですが、小さい頃から親に医師になってほしいと言われて育ったことが、医師になる上で大きく影響していますね。大学は、台湾の高雄医学大学医学部を1975年に卒業しました。産婦人科医をめざしたのは赤ちゃんが好きだから。赤ちゃんは見ているだけで楽しいんですよ。笑顔もそうですが、大人とは違う表情や世界観を見せてくれます。触ると柔らかいし、明るいですよね。また、産婦人科は慢性疾患などを診る他の科と異なり、赤ちゃんが誕生すること自体が成果であることもいいですよね。手術が好きだったこともあります。そうして1979年に来日し、東京大学産婦人科に入局しました。

―来日、そして日本で開業されたのはなぜですか?

当時はまだ日本に留学するドクターも少ない時代でしたが、私も若かったので視野を広げたいという思いが強かったんです。日本語では苦労をしましたが、東京大学の教授をはじめ、周囲には助けてくださる方がたくさんいたことはたいへん恵まれていたと思いますね。日本の医師国家試験に通った後は、関東労災病院や三楽病院の産婦人科での勤務、東京専売病院(現・国際医療福祉大学三田病院)産婦人科医長を経験しました。次第に、今までの知識を生かして幅広く診たいという思いや、自分の理念を掲げて治療に携わりたいという思いが強くなり、1990年に近隣に当院を開業し、1997年にはこの場所に移転しました。

―大事にしている理念とは、どのようなことですか?

出産前後に安全・安心できる環境を提供したいと思っています。母親が子育てへの自信をつけることができれば、お子さんへの愛着が形成されます。出産を経験した人の1~2割が産後にうつ状態で悩んでいると言われているのをご存知でしょうか。とりわけ最近は、大学病院にお産が集中しており、長く入院することができない新米ママと赤ちゃんは5日程度で退院しなければなりません。昔は産後に里帰りすることが多かったのですが、最近は妊婦もその親も高齢化し、実家が地方にあることも多いという理由から、里帰りする人が減っています。それで新米ママは一人で悩みを抱え、うつ状態になってしまうのです。こういう状態を何とかしたいと思っていました。

記事更新日:2017/10/24

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