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前田 佳宏 院長の独自取材記事

和クリニック

(町田市/鶴川駅)

最終更新日:2021/04/28

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2013年の開院以来、心理療法やカウンセリングを用いて患者に寄り添うメンタルクリニックとして診療を続ける「和クリニック」。その診療方針に共感し、2021年4月から同院を引き継いだのが、トラウマ専門の診療や児童精神科専門の診療で経験を積んできた前田佳宏院長だ。前田先生は、精神分析、認知行動療法、家族への心理療法、マインドフルネスなどのカウンセリング技術に加え、身体心理学とイメージを利用した心理療法を統合したケア、漢方、睡眠医学なども取り入れた診療が大きな特徴。特にトラウマに対する診療の技法は幅広い。薬は治療のサポートと捉え、「困りごと」を抱える患者とともに改善の道を見つける。そんな治療方針で診療に取り組む穏やかで優しい雰囲気の前田院長に話を聞いた。
(取材日2021年4月14日)

さまざまな心理療法を学び研鑽を重ねての開業

とても居心地の良いクリニックですね。

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前院長の金子和磨先生がデザイナーさんに相談して作られたと伺っています。待合室、診療室ともに広々としていますし、今後もこの環境を生かした診療を続けていきたいと思います。前院長と僕の診療スタイルに共通点が多いことは、当院を引き継いだ理由の1つでもあります。スペースのある診療室で、心理療法を大事にし、漢方なども取り入れる、薬は適量用いるなど似ている点が多く、ほとんどのスタッフが、臨床心理士としてカウンセリングの力を持っているなど、僕が開業するなら、こういうクリニックにしたいというところが一致していました。駅に近い立地でありながら駐車場がある点も強みの1つです。電車やバスで来られないという患者さんも安心して車で来院していただけると思います。

院長にご就任されるまでのご経歴を教えてください。

大学卒業後、東京大学医学部附属病院で2年間研修し精神科に入局しました。入局後は1年間群馬の病院で勤務。急性期の病院だったので、長く薬を服用している人の副作用や、難治例で措置入院されている方も多く、いろいろなことが学べる環境でした。その後、1年間東大病院でてんかんや他診療科の対応などの診療に携わり、その後の2年間は国立精神・神経医療研究センターで、薬物依存の治療に取り組む松本俊彦先生の研究部で診療を担いました。同院の認知行動療法センターで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知処理療法の治療マニュアル部分監訳もしました。前職では、トラウマ専門の外来、児童精神科の外来を有するクリニックで心理療法の経験を積みました。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

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クリニックでの診療時間には制限がありますが、さまざまな心理療法を取り入れた診療が当院の特徴です。薬はあくまでもサポートに過ぎず、本人を治していくために重要なことの1つは、家族の理解やストレスの少ない環境、もう1つは本人が自分で自分に対処でき、感情をコントロールしていける力を育てていくことです。そのために、ここでは診療だけで終わるのではなく、カウンセリングも大切にしていきたいと考えています。先ほどもお話しましたが、薬はサポートとして処方し、本人ができること、環境を変えていって薬を減らせたらと思います。

経験を生かしトラウマへの心理療法や児童精神科に注力

先生は多くの心理療法を学んできていらっしゃると伺っています。

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心理療法は、所属していた東大病院も重要視しているため、さまざまな専門家が来てくださることもあり、学べる機会がたくさんありました。精神分析の一方法論である対象関係論セミナーに3年間通い修了しましたし、1年間認知行動療法を学ぶコースにも参加しました。家族への心理療法など、薬に頼らない、人と人とのつながりも扱える心理療法を中心に学んできました。

トラウマにアプローチするために、さまざまな手段があるのですね。

トラウマに対する日本での治療は、欧米と比べて20年ぐらい遅れていると言われています。現在は、PTSDだけでなく、パニック発作、過敏性腸症候群、不安やうつ、愛着障害、パーソナリティー障害、大人や子どもの発達障害にも対応しています。これまでとの違いは、イメージや身体の感覚を扱うということ。トラウマに対する従来の治療は、言葉にできる範囲しか扱えませんでした。現在では、なぜかモヤモヤする、なぜか避けてしまう、あるいは身体が勝手に反応するなど、明確なトラウマの記憶と関連していない反応も扱うことができます。

これまでの「和クリニック」と変わる点はありますか?

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以前の和クリニックは、中学生以降の患者さんしか診ていませんでしたが、児童精神科でも診療経験を積んできましたので、今後はお子さんも少しずつ受け入れる予定です。児童専門の外来はなかなかないこともあり、心配している親御さんも多いと思います。お子さんにどのように関わったらいいのか、理解したらいいのかなどを親御さんが相談に来ていただいても良いと思います。親の理解や対応が変われば、お子さんの症状の変化にもつなげられる可能性もありますので、ぜひ一度来院していただけたらと思います。身体の反応も含めると、トラウマがない人はいないと言われています。なぜか自分がありたい自分でいられない、自分の中で制限がかかってしまうなどの反応で困る人にも対応していきたいと思っています。

患者の「困りごと」にフォーカスした診療を

先生が精神科をご専門に選ばれたのはなぜですか?

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私は子どもの頃から、誰かに言われて何かする人よりも、自分で考えて行動を選択していく、物語の登場人物みたいな人を見ていくのが好きでした。そして、その人が自分自身を少しでも好きでいられる人生になったらよりうれしく思います。他の診療科では、診察で体の話しか扱いません。でも精神科は、患者さん自身の人生を扱います。私にできることは限りがありますが、目の前の人が自分の人生を描いていく姿を応援できたらと思います。そのために薬物療法だけでなく、カウンセリングも学んできました。

どのようなクリニックでありたいと考えですか?

メンタルクリニックを選ぶポイントは3つあると思っています。1つ目は薬物療法以外のカウンセリングや環境調整などの選択肢も大事にしているということ。2つ目は治療計画を患者さんに伝えること。薬をいつまで飲むのか、薬をどう止めていくかについても話せること。当院では、それらを話した上で本人と決めることを大事にしています。3つ目は安心して話せる環境を大事にしていることです。診療の時間を患者さんにとって役立つ時間にしていくことが重要です。このように話してもらいたいなど話し方への希望もお聞きできたらと思います。睡眠障害や愛着障害などに対応している医療機関は少ないので、その辺を含めたケアもしていきます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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患者さんが少しでも自身を好きになれる人生のお手伝いができたらと思います。診療では、お薬を出さないという選択肢もありだなと思っていて、それも患者さんと一緒に決めていきます。相談だけで来てもらい、診断をつけなくてもいい。診断をつけることが、必ずしも患者さんの困りごとを解決するわけではありません。決めつけることはせず、本人のできることを広げる心理療法を用いて、患者さんの困りごとにフォーカスした診療を行っていきたいと思います。

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