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増田 幹生 院長の独自取材記事

共和堂医院

(北区/東十条駅)

最終更新日:2024/07/25

増田幹生院長 共和堂医院 main

JR東十条駅から徒歩3分の「共和堂医院」は、1960年の開院以来、約60年にわたって地域住民の健康を守ってきた。院長の増田幹生先生が同院の診療に携わり始めたのは1980年、父である初代院長からクリニックを引き継いだのは2005年のこと。消化器内視鏡が専門で、苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査を得意とする増田先生のもとには、検査のために来日する海外在住者も含め多くの患者が多く訪れる。「一期一会」をポリシーに、患者の話に耳を傾けることを大切にする増田先生。患者が来院する前に事前に電子カルテを見て、検査結果を確認したり、診療方針や薬の変更などを考えたりといった「下ごしらえ」を欠かさない。患者思いで地域密着型の診療スタイルを大切にする増田先生に話を聞いた。

(取材日2019年8月5日/情報更新日2022年5月30日)

歴史あるクリニックで地域密着型の診療を提供

とても歴史のあるクリニックだと伺いました。

増田幹生院長 共和堂医院1

私の父が1960年に開院したので、約60年になりますね。子どもの頃は診療所の中で生活をしていたようなもので、父が診察している姿を見て育ちましたから、当時から「将来は医師になるんだ」と思っていました。大学卒業後は聖路加国際病院などで経験を積み、1989年頃から当院で週に2日ペースで診療し始め、父が他界した2005年に院長に就任しました。よく人から「都心で開業したらどうですか」と言われるのですが、もともと「父と一緒に地域医療に貢献したい」と思って医学部に入っているので、他の場所で診療することは考えたことがありません。父が築き上げた「地域密着型」の診療スタイルをこれからも守っていきたいと思います。

クリニックの患者さんは、どのような方が多いのでしょうか?

東京23区内でも高齢化率が高い地域ということもあり、近隣のご高齢の方が約8割を占めています。高血圧や糖尿病など慢性疾患のお薬を取りに来る方が中心ですね。ほかには、私の専門分野である消化器疾患や、胃・大腸の内視鏡検査で受診される方が多いです。苦痛の少ない検査を心がけているので、一度検査を受けたことのある方が再来院されたり、検査を受けた方が家族や友人知人を紹介してくれたりといったケースも多いです。遠方から働き盛りの若い世代の方がいらっしゃることもあります。また、内視鏡検査を受けるために来日される海外在住者の方もいらっしゃって、たいへんうれしく思っています。

感染症対策はどのような工夫をされていますか?

増田幹生院長 共和堂医院2

感染症対策では空間的分離が重要と考えました。そこで発熱者専用の出入り口、待合室、診療スペース、トイレを用意し、感染症の疑いのある患者さんと一般診療の方の空間を分離させました。診療時間内ならいつでも万全な状態で診療や抗原・PCR検査ができるような体制づくりに努めていますので、まずは電話でご連絡ください。また、万が一検査結果が陽性だった場合は、個別で電話をさせていただき、患者さんが不安にならないよう、また放置して悪化することのないように回復までサポートします。患者さんの数が増えたときのために、周辺のクリニックに呼びかけて、当院以外でも安全に検査が受けられるように地域の体制を整えました。ここまで感染症対策に取り組んでいる地域は、世界的に見ても少ないのではないでしょうか。将来的にはこの医療体制をどこでも構築できるロールモデルにして、東京都北区医師会会長として啓発していきたいですね。

長年の経験を生かした苦痛の少ない内視鏡検査

内視鏡検査を受けるメリットを教えてください。

増田幹生院長 共和堂医院3

一番のメリットは、がんの早期発見につながることです。胃と大腸の内視鏡検査を受けてがんを早期に発見できれば、内視鏡による切除で済む場合が多いので、胃の切除など大きな手術をする必要がなく、体への負担も軽くて済むでしょう。1~2年に1度、定期的に内視鏡検査を受けていただくことで、胃がん、大腸がんによって命を落とす方は少なくなると考えています。また、消化器系の症状を訴える方で原因がはっきりしない場合にも、原因の特定に内視鏡検査が役立ちます。

何歳くらいから検査を受けたほうがよいでしょうか?

20代のうちに一度は検査を受けておいたほうがいいと思います。特に胃がんに関しては、ピロリ菌がいるかいないかで、発症率がまったく違います。若くてもピロリ菌を保有する方は少なくないので、20代でまず検査をし、ピロリ菌がいたらきちんと除菌をしておくことが大切です。ただ、ピロリ菌は一度除菌すればそれで終わり、もう胃がんにはならないというものではないので、その後も定期的な胃がんの検診がお勧めです。

内視鏡検査はつらいというイメージで、いまだに受診をためらう人も多いのではないでしょうか?

増田幹生院長 共和堂医院4

内視鏡検査は確かにつらいものだと思いますが、それがわかっているのでさまざまな工夫を重ねています。まず、機器の面では、胃は細いカメラを用いた経鼻内視鏡検査を実施、また二酸化炭素送気装置を導入し、検査終了後のおなかの張りからくる苦痛を緩和するよう配慮しています。大腸の内視鏡検査なら、患者さんの腸管の状態が手元の感触でだいたいわかるんです。手元の感覚に神経を集中させ、患者さんが痛みを感じないように操作するよう心がけています。患者さんにとって苦痛の少ない検査を行って検査へのネガティブなイメージを払拭し、定期健診を積極的に受けていただけるようにしたいですね。そのためにも「明日はもっとうまくなりたい、苦痛の少ない上質な検査をしたい、そのためにはどうすれば良いか?」を毎日考えています。

「下ごしらえ」で患者の待ち時間をできるだけ軽減

診療の際、気をつけていることはありますか?

増田幹生院長 共和堂医院5

私の診察における座右の銘「一期一会」を心がけ、日々患者さんと向き合っています。具体的には前回の診察で患者さんが話していたことを電子カルテに記入しておいて、こちらから話を聞いたり、時間が許す限り患者さんのご相談に乗ったりしています。患者さんの悩みに耳を傾けることが、信頼関係を築くきっかけになっているように思うからです。また、診察前の「下ごしらえ」も必ずするようにしています。それは、外部委託していた検査結果が返ってきたら、患者さんが来る前に電子カルテに記入しておいて、「患者さんの薬をこう変えるのはどうか」「次回はこんな説明をしよう」など、シミュレーションをしておくことです。こういった下ごしらえをしておくことで、患者さんの待ち時間を減らせていると思います。

待ち時間の軽減にも気を配っていらっしゃるのですね。

そうですね。診療の下ごしらえをしているので、患者さんが診察室に入った時点ですぐ本題に入ることができ、1回の診療で5~10分の短縮ができていると思います。この積み重ねによって、患者さんの数が多いわりに待ち時間が少なくできているのではないでしょうか。患者さんの中には30~40代のビジネスパーソンの方も多いのですが、この年代の方っておそらく一番休みにくいですよね。それでも来院してくださっているのだから、できるだけ効率の良い診療の提供を大切にしています。感染症の疑いのある患者さんの場合、症状によっては来院するのも大変でしょう。そのため、院内の滞在時間を最小限にするために、事前に連絡をしていただいた時に詳しく問診を行うようにしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

増田幹生院長 共和堂医院6

ぜひご自身に合ったかかりつけ医を見つけていただきたいですね。まだ大規模病院志向、専門医志向が強いように感じますし、それも悪いことではないですが、場合によっては専門外の病気を見落とす可能性もあると私は思っています。そのため、総合診療的にプライマリケアができるかかりつけ医を持つことが重要です。専門外のことも相談できるし、病気の早期発見につながることもあるでしょう。もし他院を紹介してもらうことになっても、人脈を生かして適切に医師を紹介してくれることが多いと思います。また、医師の初期教育として、そうした総合診療ができるようになるための知識と経験を積む機会を大切にしてほしいと思いますし、今後私自身、一層若い医師の教育に力を入れていきたいと思います。

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