飯田 正樹 院長の独自取材記事
いいだ耳鼻咽喉科
(北区/田端駅)
最終更新日:2026/05/15
田端駅北口から徒歩3分、クリニックモールの2階に「いいだ耳鼻咽喉科」はある。2007年に開業した飯田正樹院長は、大学病院や総合病院で悪性腫瘍を含む幅広い症例を経験してきた日本専門医機構耳鼻咽喉科専門医だ。穏やかな笑顔が印象的な飯田院長が診療で大切にしているのは、患者の話を聞き、何を求めているかを把握すること。小さな子どもには恐怖心を与えないよう保護者の膝の上で診察を行い、耳鼻咽喉科は怖い場所ではないと伝え続けている。アレルギー検査や舌下免疫療法に加え、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療まで院内で完結できる体制も強みだ。「気になる症状があったらとにかく来てください」と語る飯田院長に、その診療姿勢とクリニックの強みを聞いた。
(取材日2026年4月16日)
「やれることが幅広い」耳鼻咽喉科の魅力に惹かれて
まずは、開業された経緯からお聞かせください。

もともといずれは地域で開業して患者さんを診たいという思いがありました。教授の退官というキャリアの節目を迎えたとき、ちょうど自分の将来を考え直すタイミングが重なったんです。なかなか希望に合う物件が見つからず、半年ほど探していました。そんなときに、大学の同級生や後輩の薬剤師とのつながりでこちらの物件に空きがあるという話が舞い込んできて。実際に来てみると駅から近く、1階に薬局、他のフロアにも複数の診療科が入っていて、地域の方が足を運びやすい環境だなと感じました。ご縁とタイミングに恵まれ、2007年にこの地で開業することになりました。
耳鼻咽喉科を専門に選ばれた理由をお聞かせください。
耳鼻咽喉科は一般的には鼻と耳を診るイメージが強いかもしれませんが、実は脳の下から胸部の上までの広い領域をカバーしています。赤ちゃんから年配の方まで、あらゆる世代の患者さんの診察に携わり、薬による内科的な治療をはじめ、中耳炎や喉の手術など、できることが本当に幅広いです。その奥深さに面白みを感じて、この道を選びました。また、風邪や副鼻腔炎、中耳炎のように日常的にニーズのある疾患を地域の開業医として診られることも魅力でした。卒業後は昭和医科大学藤が丘病院の耳鼻咽喉科に入局し、助手を経て横浜旭中央総合病院では医長を務めました。一般的な疾患から悪性腫瘍まで幅広い症例を経験できたことが、今の診療の土台になっています。
クリニックの環境づくりで工夫されていることはありますか?

当院は田端駅北口から徒歩3分のクリニックモールの2階にあります。エレベーターを降りるとすぐ入り口なので、ベビーカーや車いすの方もそのまま入っていただけます。1階に薬局があり、診察後のお薬の受け取りもスムーズです。院内にはおもちゃや絵本をそろえたキッズスペースを設けていて、お子さん連れの方が少しでも診察に集中できるようにしています。予約に関しては、以前は順番予約を採用していたのですが、いろいろ試行錯誤した結果、現在は時間予約制に一本化しました。あらかじめ時間が決まっていると、小さなお子さんのいるご家庭でも予定が立てやすいと思います。急な症状で予約が取れない場合も、合間で柔軟にお受けしていますのでご安心ください。
子どもから大人まで、耳鼻咽喉科の不安を取り除く
お子さんの診察では、どのようなことを心がけていますか?

一番心がけているのは、恐怖心を与えないことです。私たちは痛いことをしようとしているわけではありませんし、嫌がる子には基本的に無理強いはしません。嫌な思いをさせてしまうとトラウマになりかねませんから。不安の大きいお子さんは、保護者の方の膝の上で体と両手を包み込むように抱っこした状態で診ていきます。成長とともに自然と慣れていくので、焦らず見守っていただければ大丈夫です。小児科と耳鼻咽喉科で迷われる保護者の方も多いのですが、鼻水や咳、喉の痛みといった風邪症状は耳鼻咽喉科の領域です。咳がなかなか止まらないとき、鼻汁が喉に回っている場合もありますので、吸引などの処置ができる耳鼻咽喉科にまず来ていただけたらと思います。
アレルギーの検査や治療について教えてください。

当院ではアレルギー検査を2種類ご用意しています。一つは39種類のアレルゲンを調べるための採血検査です。外部の検査機関に出すため結果は後日になりますが、アレルゲンごとの値まで詳しくわかるので治療の方針を立てやすくなります。もう一つは指先から少量の血液を採るだけの検査で、院内の機器で約30分で結果が出ます。小さなお子さんや採血が苦手な方にも受けていただきやすい検査です。患者さんの年齢や体質に応じて使い分けています。検査でスギやダニのアレルギーが強いとわかった方には、舌下免疫療法もご提案しています。5歳以上から始められて月1回の通院で続けられますし、他のアレルギーもある場合は抗アレルギー剤との併用も可能です。
他に力を入れている診療があれば教えてください。
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療には、長年携わってきました。以前は大学病院や専門病院に紹介するケースが多かったのですが、今は検査からCPAP療法まで、当院で完結できる体制を整えています。CPAPは就寝時に装着して気道を確保するための治療機器で、ご自宅で使いながら定期的に経過を診ていきます。通院の間隔が空いてしまった患者さんにはスタッフが電話で状況を確認するなど、チームで治療の継続を支える体制もつくっています。生活習慣病との関連も指摘されている分野ですので、耳鼻咽喉科医としてできることで少しでも力になれたらと考えています。
まずは患者の訴えに耳を傾け、本当の悩みを聞き出す
日々の診療で大切にされていることは何ですか?

一番大切にしているのは、患者さんの話をお聞きし、何を求めているのかをまず把握することです。「この人はあまりお話が得意ではないのかな?」と感じても、耳を傾け、患者さんのお心が開くまでお待ちします。ある程度こちらから引き出さないと、その方の本当の悩みが見えてこないことがありますから。第一印象で嫌な思いを抱かせてしまうと、それだけが記憶に残ってしまうので、初診の方には特に気を配っています。また、もしも今までの説明で不安が残っているということがあれば、どんなお薬をもらったか確認した上で、改めて丁寧にお伝えするようにしています。もちろん手早く薬を出してほしいという方もいれば、不安をじっくり聞いてほしいという方もいるでしょう。その方が何を求めているかに合わせて、柔軟に対応していくことを心がけています。
長いキャリアの中で、今の診療に深く影響を与えた経験はありますか?
研修医の頃、先輩から「喉を診てここまでで異常がなくても終わりじゃない。食道と胃も必ず確認してもらいなさい」と教わりました。当時、入院されていた40代の女性が食道がんだったのですが、表面に現れにくいタイプで胃カメラでも見つかりにくかったんです。喉の違和感で長く外来に通われていたのに、別の症状が出て初めて判明した症例でした。その経験が今も強く残っていて、喉の違和感で来られた方には「胃カメラはやっていますか」と必ず確認するようにしています。食道は専門外ですが、だからこそ自分が診られる範囲の先にあるリスクもきちんと伝えたいんです。必要があれば大学病院などをご紹介しますし、何もなければそれが一番の安心材料になりますからね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

鼻の吸引や耳の掃除だけで通院される方も多くいらっしゃいます。それらも耳鼻咽喉科ならではの大切な役割です。お子さんの症状で小児科か耳鼻咽喉科のどちらに行ったらよいかわからないといったお悩みも多く、迷ったら耳鼻咽喉科を頼っていただいて構いません。お話を伺った上で、もしうちの範囲を超えるようであれば適切な医療機関への道筋をお示しすることもできます。何か気になる症状があったら、とりあえず来てください。些細なことでも何か疑問があれば、一緒に解決の糸口を探していきましょう。

