木村 優介 院長の独自取材記事
木村耳鼻咽喉科医院
(練馬区/大泉学園駅)
最終更新日:2025/11/12
大泉学園駅から徒歩7分の住宅街にたたずむ、「木村耳鼻咽喉科医院」。1989年に父が開業したこのクリニックを、2025年4月に承継した木村優介院長は、日本大学医学部で約15年間、耳の手術と小児耳鼻咽喉科・小児難聴を専門に研鑽を積んできた耳鼻咽喉科医だ。「父がこれまで築いてきた地域の方々からの信頼を引き継ぎながら、僕の専門性も生かした診療を提供していきたいです」と語る木村院長。承継する前から父の診療を手伝い続け、ついに院長職を継いだ今も、父と二人三脚で診療にあたっている。そんな木村院長に、さまざまな専門の外来を設けていたり、言語聴覚士による「ことば」の相談ができたりと、一般的な耳鼻咽喉科のクリニックとは一線を画すような診療体制が特徴的な同院について、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年9月10日)
父から継いだ、地域に根差した耳鼻咽喉科クリニック
まずは、木村院長のご経歴を教えてください。

日本大学医学部を卒業後、そのまま同大学病院をはじめとする多様な医療施設にて、15年ほど耳鼻咽喉科の医師として勤務しました。勤務医時代には一般的な耳鼻咽喉科の診療はもちろん、数多くの手術にも携わらせていただけたので、豊富な経験を積むことができましたね。また、当時お世話になった先生方が耳の手術や小児耳鼻咽喉科・小児難聴の専門家だったこともあり、僕もその2つの分野を専門とし、知識・技術を磨いてきました。その後2025年4月に父から「木村耳鼻咽喉科医院」を承継。当院で診療を行う際、これまでに培ってきた診療スキルを、地域の患者さんに還元できることにやりがいを感じています。ちなみに現在も大学病院に籍を置き、難聴の外来を担当しているんですよ。
お父さまから院長職を承継しようと思った経緯もお聞かせください。
勤務医時代に父の診療を手伝っていた際、長年通ってくださっている高齢の方や、赤ちゃんの頃から診ているお子さんなど、多くの患者さんの思いに応えようと父が頑張ってきたことに気がついたのです。そのことをきっかけに、父が開業からずっと大事にしてきた診療姿勢と、築いてきた患者さんとの信頼関係を引き継ぎたいと思い、承継を決意しました。現在は基本的に、月・火・水曜日を僕が、木・金・土曜日を父が担当し、協力しながら診療しています。もしも1人では判断に迷うような症例があったとしても、すぐに2人で相談し合える環境が整っていますので、今後さらに医療の質が高まると考えています。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院は耳鼻咽喉科診療に必要な検査機器を多様に導入してあるので、風邪やインフルエンザといった感染症をはじめ、花粉症などのアレルギーや小児難聴など、一般的なものから専門的なものまで幅広く診ることができます。また、言語聴覚士に在籍してもらい、発音や言葉の発達に関するお悩みに応じる「ことばの教室」を行っています。お子さんに吃音や言葉の遅れがあるのではと不安に感じるものの、どこに相談していいかわからず困っている親御さんは、ぜひご相談ください。他にも、補聴器やめまいなど、さまざまな専門の外来も設けています。医療の窓口的存在であるクリニックで、こうした専門的なサポートも行える点は、大きな強みだと思っています。
専門の外来を充実させ、地域の聞こえと言葉を支える
木村院長の専門である、小児耳鼻咽喉科・小児難聴について詳しく教えてください。

小児耳鼻咽喉科疾患には、風邪などをきっかけに細菌やウイルスが中耳に入り炎症を起こす急性中耳炎や、体液が中耳にたまり難聴や耳の詰まった感じを引き起こす滲出性中耳炎、言葉の発達や社会性に影響を及ぼす恐れもある小児難聴などがあります。3歳児健診の際に「聞こえが気になる」と指摘されたり、生活の中で「呼んでも反応が遅い」「テレビの音を大きくする」など気になる点があったりする場合は、すぐに相談してください。お子さんの診療のとき僕は、親御さんの違和感をないがしろにしないよう心がけています。毎日お子さんを見ている親御さんの違和感は侮れないものですし、実際に見逃してはいけないケースもありますからね。ですから当院では、少しでも不安があれば検査・治療をご提案しています。その結果もし疾患が見つかれば、基本は院内で治療を行い、より専門的な検査・治療が必要な場合は私が在籍している大学病院に円滑につなげます。
言語聴覚士による「ことばの教室」とはどのようなものですか?
「発音がはっきりしない」「吃音がある」「言葉が遅い」といったお子さんの様子をきっかけに受診されたら、まず僕が聴力検査で聞こえに問題がないかを確認し、状態に応じて言語聴覚士につなぎます。そして言語聴覚士が、お子さんと親御さんと時間をかけてじっくりと話します。その後は指示の聞き取り訓練や会話練習、ソーシャルスキルトレーニングなど、お子さんごとに合わせたオーダーメイドの指導を実施します。指導後の評価も当院で行いますので、検査や指導のたびにいろいろな場所に足を運ぶ負担はありませんよ。聞こえ・言葉・コミュニケーションに関して気になることがありましたら、お子さんだけではなく、大人の方もぜひご相談ください。
補聴器やめまいの専門の外来についても教えてください。

近年、練馬区では補聴器の助成金制度ができたことから、ニーズが高まっています。そうした状況に加えて、僕も父も補聴器に関する専門的な知識を習得していることから、補聴器の外来を設けました。複数の補聴器業者さんに来ていただき、さまざまな補聴器を試せる体制を整えています。補聴器を選ぶ際は業者さんに任せきりにすることはなく、医師視点でのアドバイスをして、患者さんの不安を和らげたり、長く使い続けられたりできるようにサポートさせていただきます。めまいの外来を設けたのは、もともと父が得意としていた分野だったことが理由ですね。僕もめまいに関する専門的な知識を身につけているので、天井がぐるぐる回る、耳鳴りや難聴を伴うめまいがあれば頼りにしていただけましたらうれしいです。
真っ先に頼りにしてもらえるようなクリニックをめざす
診療で心がけていることは何ですか?

患者さんの訴えを、絶対に否定しないことです。たとえ検査結果としては何も出てこなくても、「気のせい」「異常なし」と片づけるのではなく、「検査結果には表れませんでしたが、こういう可能性があるかもしれません」と丁寧にご説明。そして、患者さんがしっかりとご理解・ご納得してからお帰りいただけるように努めています。また必ず、「これからどんな検査・治療を行うか」をきちんとお伝えしてから診療を勧めるように心がけていますね。これは小さなお子さんに対する診療の際にも、親御さんだけではなく、お子さん本人にもお声がけしています。コミュニケーションが取れる取れないに関わらず、少しでも安心していただけるようにという思いからです。
今後の展望について聞かせてください。
院内の環境が清潔かつ快適であるかは患者さんにとって重要だと思いますので、少しずつにはなりますが、院内の設備を新しくしたいと考えています。機器もさらに増やして、将来的には日帰りの耳の手術が院内でできるようにしたいです。当院には、父が開業当初からつくり上げてきた、「ならではの強み・良さ」がたくさんあります。その一方で、質も患者さんの満足度ももっと高い診療の提供をめざせると感じています。クリニックでできる範囲で、より良い診療を追求していきたいです。
最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

耳・鼻・喉のことで困ったら、真っ先に思い出していただけるようなクリニックになりたいですね。「木村耳鼻咽喉科医院に行けば何とかなる」と思っていただけるような、本当の意味でのかかりつけ医をめざしています。当院では僕と父が豊富な知識・技術・経験を生かし、地域の皆さんの健康をサポートします。風邪やアレルギーといった症状から、お子さんの聞こえや言葉の心配、補聴器のご相談、めまいの症状など、気になることがあれば何でも気軽にご相談ください。これからも、地域医療に貢献していきます。

