松永健嗣院長の独自取材記事

松永歯科医院

(練馬区／練馬駅)

最終更新日：2025/12/15

交通アクセスの良い環七通りに面している「松永歯科医院」。待合室には信州・分抗峠（ぶんぐいとうげ）の湧き水が飲料水として設置されるなど、訪れる人への配慮に満ちた空間だ。松永健嗣院長が心がけるのは、コミュニケーションを大切にしたきめ細かな診療。一般歯科、予防歯科、小児歯科、審美歯科、入れ歯治療、インプラント治療などと幅広い診療を手がける中で、訪問歯科診療にも力を入れていることが特徴だ。「お年寄りの役に立ちたいと思い開業しましたので、訪問歯科診療は私の使命です」と語る松永院長。歯科医師をめざしたきっかけや理想とする歯科医師像、訪問歯科診療にかける熱意と意欲、今後の展望までたっぷりと話を聞いた。

（取材日2012年11月29日／情報更新日2025年12月3日）

幅広い世代のさまざまな人の役に立てる歯科医師に
できる限り削る量を抑えた痛みの少ない治療をめざす
訪問歯科診療に尽力することが歯科医師としての使命

幅広い世代のさまざまな人の役に立てる歯科医師に

歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

医学に興味を持ち始めたのは高校生の頃からです。医師は病気やけがを治して人の役に立つ仕事だと思っていましたが、当時は漠然としたイメージしかなくて、興味のあった理学部に進学したました。卒業後は精密機器メーカーで時計の製造や生産技術開発に携わり、10年ぐらい勤めていました。当時はあまり景気が良くなかった関係で時計の生産が縮小され、残念ながらやりたい仕事を任せてもらえませんでした。そうして「何か新しいことに挑戦しよう」と思っていた頃に目にしたのが、社会人から医師や歯科医師になった人の雑誌記事でした。その時、社内にも会社を辞めて歯科医師になった先輩がいることを思い出しました。それがヒントとなって歯科医師になろうと決めたんです。

歯学部時代はどのような歯科医師をめざしていましたか？

お年寄りの役に立てる歯科医師になりたいと思っていました。何よりお年寄りは戦中や戦後の混乱をくぐり抜けながら日本経済を支えてきた人生の大先輩です。そんな方々に歯科医療で恩返しをしたかったんです。「歯医者さんは怖い」というイメージをお持ちの方も少なくありませんので、優しく丁寧に説明して患者さんに喜んでもらえる治療ができる歯科医師が理想でした。一歩一歩、階段を上るように経験を積み重ねていこうと決めており、国家試験に向けて全力を尽くしましたので、合格した時は「これで次のステップに進める」と思い、期待に胸が膨らみましたね。

練馬で開業しようとお考えになったのはなぜですか？

2008年の秋頃に開業したのですが、この地を選んだのはなるべく周辺に歯科医院がない場所で地域の皆さんの助けになろうと考えたからです。また、ここは環七通りに面しており、車で来られる方にとってもわかりやすい場所であることも決断の要素の一つでした。実は自宅近くでもあって、以前から車やオートバイでこの辺りを走っていたんです。なじみのある場所でしたので、この場所に開業することに決めました。

できる限り削る量を抑えた痛みの少ない治療をめざす

どのような患者さんが多いのでしょうか？

患者さんの年齢層は小さな子どもからお年寄りまでと幅広く、家族で通われる方も多いですね。目立つ主訴は痛みで、歯や歯茎の痛み、あるいは入れ歯が当たった時の痛みなどです。一方で、虫歯が痛いという方でも診察してみると、実は歯周病が原因だったというケースなどもあります。当院では、一般歯科、予防歯科、小児歯科、審美歯科、入れ歯治療、インプラント治療、訪問歯科診療などと幅広く手がけています。ここに来ればお口の中のトラブルがすべて解決できると思っていただけるような歯科医院でありたいですね。

松永院長が得意とする治療を教えてください。

歯周病治療ですね。歯周病は歯茎が腫れたり出血したりする病気です。厚生労働省の調査では、40歳以上の日本人の約8割が歯周病にかかっているという報告があります。口腔内に汚れが残っているとそれが歯石となり、そこに歯周病菌が繁殖して歯周病を発症するんです。初期症状がほとんどありませんので、早期に発見して歯石を除去すれば、ある程度、歯周病をコントロールすることが可能です。その後も口腔内の環境を整えるプラークコントロールを続ければ、再発予防につながります。そのためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。たまっている歯石の量は患者さんによって違いますので、当院では状態を見ながらメンテナンスの時期をご案内しています。一般的に、腫れや痛みが治まると歯科医院から足が遠のきがちだと思いますが、お口の中がさっぱりしますので、美容院やエステに通うような感覚で定期的にお越しいただきたいと思います。

診療方針をお聞かせください。

できる限り削る量を抑えた痛みの少ない治療で患者さんのご負担を軽減することをめざしています。とはいえ、虫歯の進行したケースでは、大きく削らないといけません。そのようなときは、麻酔注射時にできるだけ痛みを感じない場所に針を刺し、麻酔液を入れるときもゆっくりと注入するように配慮しています。虫歯や歯周病の状態によっては抜歯が必要なこともありますが、基本的には患者さんの意見を優先しています。ですので、抜歯を避けてほしいという方には、歯を残すための努力を惜しみません。患者さんがしてほしい治療を行うためにもコミュニケーションを大切にしていますので、リラックスした気持ちで受診していただければと思います。さらに、根管治療や歯周病治療には半導体レーザーを活用し、より精密で負担の少ない治療を提供しています。加えて、CTを導入しており、インプラント治療前には3次元映像による精密な診断と治療計画を行っています。

訪問歯科診療に尽力することが歯科医師としての使命

訪問歯科診療にも力を入れておられるのですね。

ええ。先ほども申しましたが、開業当初からお年寄りやお体の不自由な方の役に立ちたいと思っていましたので、毎週金曜の午後を訪問歯科診療の時間にあてています。一番ニーズの多いのが口腔ケアですね。寝たきりの状態が長引くと口腔ケアが十分にできなくなり、肺炎などさまざまな病気を引き起こすことがありますので、口の中にたまっている汚れのお掃除をさせていただきます。実は、以前勤務していた歯科医院でも訪問歯科診療に力を入れていたんです。そこで私も一般のご家庭や老人ホームに出向いていました。少し遠方にお住まいの方でも、帰り際に「じゃあ、また来週もお願いします」と言われると、来て良かったなと思ったものです。一方で、訪問歯科診療が受けられることをご存じない方が、まだまだたくさんいらっしゃると思います。少し大げさかもしれませんが、訪問歯科診療は私の使命と思い、これからも力を入れて取り組んでいきたいですね。

お忙しいと思いますが、プライベートではどんなことにご興味をお持ちですか？

神社仏閣やパワースポットが好きで、いろいろな場所を回っています。鎌倉や伊勢神宮、熊野神宮、長野県・伊那市にある分杭峠にはよく行きますね。分杭峠は世界有数のパワースポットと言われているんですよ。この湧き水を取りに行っています。諏訪インターチェンジから1〜2時間ほど山道を進むと、車1台すれ違うのがやっとの場所に着きます。人気スポットなだけに遠方から来る人も少なくありません。実は、ここで採取した水を患者さんにも飲んでいただけるよう院内に設置しているんですよ。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

虫歯や歯周病を治療していると、歯並びの悪さが気になることがあります。歯並びが乱れていると、磨き残しが生じやすく、虫歯になりやすいんです。でも、矯正治療で歯並びを整えることで虫歯の発生や悪化をコントロールできる可能性が高まります。当院でも2011年から矯正治療を行っています。主に軽度の歯列不正の方を対象としていますが、診療中に矯正治療が必要と思われる方には、その都度お声がけしています。今後も、お子さんからご高齢の方まで丁寧な治療を心がけていきますので、歯に関することでしたら何でもご相談ください。