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桑名 啓二 院長、桑名 慶和 副院長の独自取材記事

桑名医院

(練馬区/光が丘駅)

最終更新日:2022/07/22

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院 main

都営大江戸線光が丘駅から歩いて10分。光が丘団地にある「桑名医院」は、開院して37年、近隣に住む人々の健康に関するさまざまな悩みに答えてきた町のかかりつけ医だ。クリニックを立ち上げた桑名啓二院長とともに、息子の桑名慶和副院長も非常勤医師として診療にあたる。桑名院長は近隣に大規模病院がある東京の特性を考慮し、患者の悩みに広く対応しつつ、専門的な治療が必要な場合は早期に適切な医療機関に紹介。診療時には患者の話をよく聞き、話の中から重要点に着目していく。その診療姿勢は慶和副院長からも「理想の医師像」と言われるほどだ。「なんでも気軽に相談できる存在でありたい」と話す2人に、診療への思いや取り組みについて聞いた。

(取材日2022年6月21日)

開業医はなんでも相談できる存在であるべきと考えて

こちらに開院された理由からお聞かせください。

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院1

【啓二院長】開院は1985年、私が38歳の時です。妻の知人からこちらでクリニックを募集していることを教わり、当時は何の土地勘もありませんでしたが興味を覚えました。当時私は日本大学医学部の第一内科に在籍していたのですが、長く大学に勤めるのではなく、地域医療に携わりたい思いが強かったのです。それで、このお話を聞いてから開院するなら早いほうが良いだろうと決意しました。
【慶和副院長】僕が診療に加わったのは2017年4月からで、今は非常勤医師として週に1~2回外来診療や既存の患者さんを対象に訪問診療を行っています。いずれくるであろう世代交代について2人で話し合い、父のサポートとクリニックの診療に携わっています。

どんな患者さんが来院されますか?

【啓二院長】当院は小児科も標榜しているので、お子さんからお年寄りまでの幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。開院当初は小さなお子さんがいる若いご夫婦が多かったのですが、そういった方々がだんだんと年を取り、子どもは独立していくという経過をたどっていきました。一定数新規の若い世代の患者さんも毎年来院されています。大半の患者さんは団地とその周辺にお住まいの方が中心ですが、当院には駐車場も備えているので、少し離れた地域からお車で来院される方もいます。患者さんの主訴としては、不眠や強い不安感などといった精神的なお悩みの方も多く、そういった方々のお話もしっかりお聞きしますが、専門的な治療が必要な場合は適切な医療機関をご紹介しています。

開院から37年、今までどんなクリニックをめざして診療を続けてこられてきましたか。

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院2

【啓二院長】東京は大きな病院が近くにありますから、クリニックと病院の役割を考え、開業医にふさわしい診療を行うように努めてきました。開業医は患者さんにとっての地域医療の一次窓口であり、日頃からなんでも気軽に相談できる存在であるのが望ましいでしょう。アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、ちょっとしたすり傷・切り傷など、他科の領域でも当院でできることは行い、当院での対応が難しい場合や緊急性の高い場合は即座に高度医療機関をご紹介しています。その線引きを正しく行うことが開業医として重要なことだと思います。

患者の話をよく聞き、丁寧に説明する

慶和副院長から見たクリニックとは?

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院3

【慶和副院長】何らかの体の不調があった時は、小さな頃から父に診てもらっていました。当時は父親と医師の仕事の区別ができなくて、みんなもお父さんやお母さんに薬を選んでもらっているんだと勘違いしていたんです。それほど僕にとって医師というのは身近で、安心できる存在でした。医師である今も理想の医師像はやはり父です。「ここに行けば相談に乗ってくれる」、「安心する」と思ってもらえるような医師になりたいです。僕が子どもの頃に感じた感覚がほかの患者さんにも伝わってくれればいいと思っていて、そんな安心感を届けられるのが良いクリニックだと感じています。

診療時に心がけていることをお聞かせください。

【啓二院長】とにかく患者さんの話をよく聞くことです。忙しいからといって話を遮ってしまうと患者さんは心を開いてくれませんから、まずは患者さんがいろんなことを話しやすいよう受け入れる姿勢を取ることが大切。すると、話を進める中でぼそっと重要なことを言ってくれることがあるものです。
【慶和副院長】説明も重要です。患者さんの状態が今どうで、問題を解決するためにはどんなことをする必要があるのか。クリニックは大規模病院に比べて治療の選択肢が限られるので、紹介する際にも心配りが必要です。「うちではできませんね。はい、ここに行って」とつっけんどんに言うのと、「この医療機関はこんな特徴があって、こんな治療をしてくれるので、悩みを解消できるかもしれません」と丁寧に伝えるのとでは印象が違うでしょう。

この地域で長く診療を続けてこられたわけですが、時間の経過で患者さんの意識に何か変化はありましたか?

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院4

【啓二院長】お子さんの患者数は減っているわけですが、お母さん方の意識は高まっているといえます。今は医療をテーマにしたテレビ番組が増え、インターネットで手軽に情報が手に入るので、お母さんや患者さんからすれば情報が多すぎて何を信じればいいかわからなくなって、余計に不安感が強まってしまう。だからこそ、今の開業医には一方的に自分の意見や方針を伝えるのではなく、患者さんの思いを聞き、相談しながら治療方法を決めていく姿勢が一層求められているように思います。
【慶和副院長】この2~3年は新型コロナウイルスの影響もあり患者さんの中で予防接種への関心が高まっているように感じます。新型コロナワクチンに限らずインフルエンザや肺炎球菌などのワクチンに関しても「効果はありますか?」「本当に接種したほうが良いですか」など以前は出てこなかったようなご質問を受けることが増えた気がします。

患者に恵まれ、患者に学んできた医師人生

お二人はそれぞれ、なぜ医師を志されたのですか?

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院5

【啓二院長】祖父と母が医師で、母は眼科医師として開業していました。自宅はクリニックに併設されていたので、小さな頃から医師としての母の姿を目にしていました。妻として、母として、医師として人生をまい進するたくましい母に憧れたことが大きかったです。
【慶和副院長】身近に自分の健康のことを相談できる人がいる安心感を、僕だけが感じているのはもったいないなと感じていました。父から「医師になれ」と言われたことは一度もありませんが、僕が感じた安心感を、今度は僕が医師として誰かに与えられたならうれしいなと思いました。

休日はどんなふうに過ごされていますか?

【啓二院長】犬と散歩したり、空気のきれいな山を散策したり。中でも好きなのは長野と群馬の境にある浅間山です。純朴な人が多いですし、食べ物はキャベツなど野菜がおいしいです。私は秋田の田舎の生まれなのでやっぱり自然が恋しくなるのかもしれませんね。飼っているのは私より体重のある大型犬です。前に飼っていたバロン(男爵)にあやかり、デューク(公爵)と名づけました。
【慶和副院長】4人の男の子がいる6人家族でとてもにぎやかに暮らしています。今は他院で宿直もしていますから、土日は映画に行ったり、遊園地で遊んだりと家族と過ごす時間を大切にしています。

今後の目標、めざしたいことについてお聞かせください。

桑名啓二院長、桑名慶和副院長 桑名医院6

【慶和副院長】父の色を残しつつ、訪問診療などを含めて僕の特徴もうまく取り入れていければと思います。何より大切なのは、患者さんが困る状況にしないことなので、患者さんのことを考えながらどうすれば良いかを考え、対応していきたいです。患者さんとともに成長する町のかかりつけ医として、年齢が上がってきて通院が厳しくなってきた患者さんに対しても「一度ご自宅に伺って診療してみましょうか」など生活スタイルに寄り添える医師をめざしたいです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

【啓二院長】患者さんに恵まれ、学んできた人生でした。医師がこうだろうと思っていても実際は親御さんのほうがお子さんのことには詳しく、教わることも多いのです。気力や体力に支障が出ない限り診療を続けていきたいです。それとご高齢の患者さんに見られる傾向として、調子が悪いのにずっと我慢していて当院受診時間ギリギリに来院されることがあります。当院で対応できる範囲であれば良いのですが、基幹病院との連携が必要な症状だった場合、タイミングによっては受け入れ先の病院の受診時間内に対応できないことがあります。体調が悪い時には早めにかかりつけ医に相談するようにしてください。

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