瓦井 徹 院長の独自取材記事
かわらい歯科医院
(練馬区/大泉学園駅)
最終更新日:2025/10/22
大泉学園町の住宅街に位置する「かわらい歯科医院」。「当たり前のことをやっているだけです」と謙遜する瓦井徹院長だが、その話しぶりから察するに、豊富な知識と技術を持ち、勉強熱心で、患者の立場になって適した治療法を選んでくれる歯科医師のように感じられた。一人ひとりに最善と考えられる治療を追求するため、先進の治療機器の導入や院内のデジタル化にも力を注いでいる。また、患者の院内感染を予防するために4年もかけて滅菌のシステムを編み出した、こだわりの人でもある。院内は明るく清潔感にあふれ、スタッフ間の風通しも良く親しみが持てる。「こんな歯科医師がかかりつけ医であってくれたら」と思わせられる瓦井院長の、歯科治療にかける秘めたる熱い思いに迫った。
(取材日2025年6月23日)
患者の生育環境や生活習慣に合わせた治療を
どのような方が通われているのですか?

お子さんからご高齢の方まで幅広く来院されています。3世代で通われている方も多いですね。当院の体制は、歯科医師3人、歯科衛生士5人、それと受付、助手、滅菌係、さらに非常勤として麻酔や矯正、口腔外科を専門とする先生がおり、全員が力を合わせて診療にあたっています。患者さんの3、4割はメンテナンスのためだけに通院されているんですよ。メンテナンスは歯科衛生士たちが一人ひとりに合わせたオーダーメイドのメニューを考えて、しっかりと行っています。もちろん、何か問題があれば私が診ますし、最後のチェックは私が行っています。ですが歯科衛生士がとても優秀なので、ほとんどを任せています(笑)。
診療方針をお聞かせください。
当院は歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正歯科、インプラント治療と、オールラウンドな歯科治療を行うかかりつけ医として、一人ひとりの患者さんに対してオーダーメイドの治療を提供したいと考えています。忙しくて「毎週通院する時間の余裕がない」という方もいれば、「悪いところはすべて診てほしい。できるだけ歯を長持ちさせたい」という方もいらっしゃり、その要望はさまざまです。それぞれのケースにベストな方法を提案していきたいです。勉強会に出席したり、専門書にあたったりして、知識の習得を怠らないようにも努めています。その中で感じているのは、技術は日進月歩で変化していくものもあれば、時がたっても変わらないものもあるということ。温故知新と申しますか、昔ながらの良いものにもこだわりながら、新しいものも取り入れていくというスタイルで診療しています。
診療の際は、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

大切にしているのは、「点で診るのではなく、長い線で診て適切な診断をする」ということです。点というのは、その時々に痛かったり悪かったりする部分を治療するということ。線というのは、患者さんの育ってきた環境や、今の生活習慣といった背景をよく伺って、それを治療やメンテナンスなどに反映させていくことです。忙しいときはなかなか難しいことではありますが、さまざまな情報を引き出すために、雑談にも積極的に興じるようにしています。例えば、ご家族の介護や歯磨きをとても熱心にされていながら、ご自身のことはついおろそかになっていたというようなケースがあります。そういった患者さんがいらした場合は、定期的な来院と歯科衛生士によるクリーニングをお勧めすることもあります。このように患者さんの背景も踏まえながら、地域の皆さんのお口の中を健康に保つお手伝いができれば、と考えています。
院内感染予防にとことん注力
滅菌に力を入れていらっしゃると伺いました。

はい。院内感染予防をするために、滅菌にはとにかく力を入れています。それが、お口の中の健康を保つことにもつながると考えているからです。赤ちゃんの口の中に虫歯菌や歯周病菌といったばい菌はいませんが、人間は成長するに従って、多かれ少なかればい菌を持つようになります。それはつまり、誰かから菌をうつされているということなんですね。そして、歯科医院という場所にも感染の危険が潜んでいるということを忘れてはなりません。歯周病が重度の患者さんが受診されて、そこで使った器具などを滅菌しない場合、うつってしまう可能性はゼロではないのです。ですから人から人に感染させない環境づくりが必須だと考え、4年かけて納得のいくシステムを構築してきました。
具体的にはどのようになさっているのでしょうか?
15年以上前から国際基準のクラスBのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を使用しており、それも2代目になりました。新型コロナウイルス感染症の流行で、さらに高性能で器具を傷めにくいプラズマ滅菌機も追加導入し、衛生管理を徹底しています。すべての器具を袋詰めしてから滅菌処理しているので、かなり手間がかかります。そのため滅菌専門のスタッフが在籍しています。そして、滅菌済みの器具は、すべて棚や箱にしまい、使う度に取り出します。新しく滅菌した物を積み重ねて上から使ってしまうと、古いものが残ってしまいますから。きちんとローテーションできるよう、取り出す順番も決めています。治療の上で必要な器具だけを、その都度、棚や箱から取り出しています。当院の滅菌業務は日々進化しており、今できるベストな方法を選択しています。ここまでこだわっている歯科医院は、あまりないのではないかと自負しています。
なぜ、そこまで熱心にされるのですか?

実は、自分の体験に深く関わっているのです。私も虫歯で苦労してきました。しっかり磨けていなかった自分が一番悪いと思ってはいるのですが、ほかの要因として、歯科医院で院内感染したこともあるのではないかと推測しています。このような苦い経験があるので、他の人には絶対に味わってほしくないと強く思っており、滅菌にこだわっているのです。これができてこそ、予防歯科が成り立つと考えています。
地域住民の口腔の健康を支えるために尽力する
特に力を入れている診療があれば教えてください。

歯周病治療については、2025年3月から新たな機器を導入し、ブルーラジカルレーザーによる治療を行っています。歯周病はさまざまな全身疾患と関わりがあるとされていますが、一方でこれまではエビデンスのある治療法の乏しさを感じていました。この治療は、長年十分な研究がなされた上で厚生労働省が認可した治療法ですので、私自身も安心して患者さんにお勧めできると感じています。麻酔が必要な治療ではありますが、重度の歯周病患者さんに、手術などと比べて負担の少ない方法で、歯周病菌の殺菌や歯周ポケットの減少がめざせるようになりました。また、矯正においては大学病院から専門の先生に来てもらっています。歯科用CTや迅速かつ精密な歯型データを採るための口腔内スキャナーといった先進の機器と、さまざまな治療の動向を熟知する歯科医師とのタッグで、小児から成人まで、より専門的な診療を行うことができています。
診療のデジタル化にも尽力してこられたと伺いました。
そうなんです。院内では、2代目のCT、光学印象、CAD/CAMシステム、マイクロスコープ、予約システムと完全キャッシュレス化など、先進のものは一通りそろえていると思います。前述の矯正もそうですが、インプラント治療においても、一部を除いてデジタル化しています。診断から、顎の骨に穴を開けインプラントを埋入するまで、コンピューターによる3Dガイドシステムを使用することで、より安全性に配慮しながら精密な治療ができるようになりました。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

長く定期的にメンテナンスに通っていただき、皆さんに健康な人生を送ってもらうことが目標です。この地域に、歯も含めた口の中が健康な状態である「健口」な人が少しでも増えるとうれしいですね。健康でいるための秘訣は、免疫力をアップさせること。免疫を担う細胞の7割から8割は腸でつくられているといわれていますので、腸の先頭の器官である口を健康に保つことは、とても大切なことです。地域に寄り添った歯科医院として、皆さんの健康を支えるお手伝いができたら幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/70万円~、インプラント治療/50万円~、ブルーラジカルレーザーを用いた治療/1万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

