それぞれの長所短所を把握して
自分に合う診療を選ぶことが重要
かわべ歯科医院
(練馬区/大泉学園駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
- 自由診療
歯科医院で義歯やかぶせ物などの補綴治療を受ける際、保険診療と自費診療のどちらにするかと歯科医師から尋ねられた経験は誰でも一度はあるだろう。審美的にも機能的にも自費診療のほうが良さそうに思えるが、その分費用はかさんでしまう。では保険診療はというと、確かに費用は抑えられるものの、見た目や耐久性に疑問が残る。「かわべ歯科医院」の河部幸男院長は、常に患者の立場になって保険診療と自費診療それぞれの特徴を、費用を含めて懇切丁寧に説明する頼りがいのある歯科医師だ。そんな河部院長に、保険診療と自費診療それぞれの特徴を中心に、歯科医師の立場からの見解を聞いた。
(取材日2020年7月15日)
目次
保険診療・自由診療ともに、治療後の定期検診やメンテナンスによって、歯根の健康を保っていくことが大切
- Q歯科治療における保険診療と自費診療の違いを教えてください。
-
A
▲穏やかな口調でわかりやすく説明してくれるので安心だ
まずは患者さんが負担する治療費の割合が違います。保険診療では治療費の一部を負担すればよいのに対し、自費診療はかかった治療費の全額を支払わなければなりません。また、保険診療の場合は歯に必要な機能回復を短期間に行うのが目的で、選択できる治療法や補綴に使用する材料に制限がありますが、自費診療では治療法に制限がなく、先進の治療技術や材料を使用することが可能です。これらの点から、審美性と長期的な耐久性といった面で差異が生じやすいといえるでしょう。
- Q保険診療のメリットはどんな点ですか?
-
A
▲主にレジンや銀歯を使用し、費用を抑えられる保険診療
最大のメリットは費用面でしょう。前述したように治療法や材料に制限がありますが、一般的な症状であればきちんと治していくことができますし、義歯やかぶせ物といった補綴治療の際はレジンというプラスチックや銀歯などを使用するため費用を格段に抑えることができます。
- Qでは自費診療のメリットはどこにあるのでしょう?
-
A
▲より審美性や耐久性を重視するなら自由診療という選択もできる
治療法や材料に制限がないため、選択肢が幅広くなります。特に義歯やかぶせ物といった補綴治療に関してはセラミックやジルコニアなどの材料を使用して適合性、審美性、耐久性を重視した治療を受けることができます。例えば保険診療では入れ歯になってしまうようなところを、自費診療ではブリッジという形での補綴も可能です。特に金歯は材質がやわらかく、人間の歯の硬さに近いのが特徴です。そのため天然歯のようにすり減っていってくれるので、材料が硬すぎるがゆえに起こるトラブルも比較的少ない材料といえるでしょう。
- Q貴院ではどのように選択するのですか?
-
A
▲治療法ごとにメリットデメリットの説明を丁寧に行う
保険診療と自費診療それぞれのメリットデメリットを、治療費を含めてすべてお話しして、患者さんの判断で選択していただくようにしています。その際、自費診療のみを勧めるようなことはありません。理由は、例えば保険診療の義歯でも定期的な検診と精密な診断を行い、噛み合わせを調整していくことで人によっては予想以上に長持ちしたり、適合性がよくなることもあるからです。逆に自費診療でもメンテナンスを怠れば寿命が短くなってしまうことも十分にあり得ます。
- Q選択の際に気をつけるべき点について教えてください。
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A
▲専門的な知識をもった院長がさまざまなアドバイスをくれる
義歯やかぶせ物にはそれぞれ特徴があります。例えば保険診療の白い歯は材質がプラスチックなので汚れがついて変色しやすい上に欠けやすいという短所があります。自費診療で使用する材料の中ではセラミックが最も汚れがつきにくいものの欠けることもあります。またジルコニアは最も欠けにくいのですが硬度が高すぎて噛み合わせが狂ってくることもあります。いずれにしても、守りたいのは「歯根」ですから自分に合ったものを歯科医師と相談して選ぶ必要があるでしょう。費用面では自由診療の場合は価格が定まっていないため、クリニックによって差異がありますから、比較検討をしてみるのも一案です。
自由診療費用の目安
自由診療とはオールセラミッククラウン/10万円~、メタルボンドポーセレン/10万円~、ジルコニアクラウン/10万円~、自費のブリッジ/1本8万円~(税抜)