河部 幸男 院長の独自取材記事
かわべ歯科医院
(練馬区/大泉学園駅)
最終更新日:2021/10/12

西武池袋線・大泉学園駅より徒歩1分のところに位置する「かわべ歯科医院」。1990年から、長きにわたりこの地で地域の人たちの歯の健康を守ってきた歯科医院だ。院長の河部幸男先生は、丁寧で正確な診療を行うことを心がけている先生である。虫歯の治療に関しては検知薬を繰り返し使い、取り残しのない的確な治療を心がける。歯周病の兆候があれば、状態の経過がわかるように、カルテのデータを保存期限が過ぎても保管し、経年による状態の変化を比較するなど、丁寧に診療を行うことに関して、徹底的なこだわりを持つ。そこには、「患者の利益を守る」という気持ちが表れているのだろう。真摯な態度で診療に臨む河部先生に、診療にかける思いなどをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2018年3月14日)
先を見据えた、丁寧で正しい治療を行うことに努める
開放感のある明るい院内ですね。こちらにはどのような方が通われていますか?

開院当時から通ってくださる方が多いので、少し平均年齢は高めでしょうか。患者さんが紹介してくださるケースも多いです。この地で開院したのは1990年頃。大きな駅ビルができたり、道が拡張されたりと、28年たった今、街の様子もずいぶんと変わりましたね。開院当初の目の回りそうな忙しさの中、私は「完璧な治療」がしたいという思いが強く、忙しくてもどうしても手を抜けず、イライラしながら仕事をしていました。今ではこの辺りにも歯科がたくさんできて、以前と比べると患者さんは減り、少し寂しさも感じます。ですがその分、自分の納得のいく丁寧な治療がやりやすくなったことは事実。穏やかな気持ちで、良い仕事ができるのは良かったと思います。
診療において心がけていることはありますか?
説明もできるだけ詳しく行い、正しい情報を患者さんに伝えていきたい気持ちは大きいのですが、自分自身、話があまり上手ではないのが悩みどころですね。人により治療に対する考えや求めることもさまざまです。患者さんの話を聞きながら、その人それぞれに合った説明や治療を心がけています。また治療に関しては、できるだけ痛みを感じないように麻酔の打ち方などを工夫しています。麻酔の注射は、針を刺す角度、液の入れ方など、やり方次第では本当にほぼ痛みを感じないようにできるんですよ。また、治療に関しては「患者さんを自分の家族と思って治療する」ということを心がけています。丁寧でごまかしのない、正しい治療を行うことを常に念頭に置いていますね。
虫歯の治療についてはどうでしょう。

虫歯の治療に関しては、治療の前後にエックス線写真を撮って患者さんに確認してもらい、取り残しをしないように何度も検知液を使って染め出し、塗っては確認を繰り返しながら慎重に削るようにしています。虫歯にはいろんな種類があり、中には色のないものがあるんですね。茶色く変色しているものだけではないので、肉眼で見ても確認はできません。そして、エナメル質と象牙質の境目や、裏側にぐるっと回りこんだところに虫歯は残りやすい。ここを丁寧に取らないと、後に内部で虫歯が広がってしまうことがあるんです。歯の中で広がった虫歯は、自覚症状がないままに進んでしまうことも多いです。私は自分の行った治療で、虫歯の取り残しは出したくありません。削る必要のある部分を慎重に調べ上げ、正確な治療を心がけています。
自覚症状のないトラブルのために必要な定期検診
虫歯になれば痛いですよね、気づかず進行することなんてあるんでしょうか。

虫歯ができてしまっても、痛みが出ないことのほうが多いです。少しずつ進行し、刺激が長期間与えられると、歯の中にある神経にだんだんとカルシウムが沈着して固まり、歯のような組織になってしまいます。神経が逃げて行っちゃうんですね。虫歯でなくても、年齢とともに神経は細くなります。子どもであればとっくに神経がむき出しになるような深い虫歯でも、高齢であれば神経をとらずに済むケースも。体を守るための仕組みといえど、面白いものですね。
歯周病に対してはどんなアプローチをしていますか?
歯周病は程度にもよりますが、長期にわたり経過を診ていかなければならないものです。兆候は若いときから出ていることも多いんですよ。寝ているときの歯ぎしりや食いしばりが原因で、歯周病などが悪化し、骨が溶けることがあります。エックス線写真を見ると、骨がスッと垂直に下がるのです。それがちょっと起きていることが見受けられたら、経過を診て、前の状態と比較することが大切。なのでカルテは保管期間が過ぎても残しています。どの骨が溶けたようになっているのか、歯の削れ方を見れば歯ぎしりの有無もわかります。歯ぎしりは自覚できないことも多いのですが、歯を見ればわかるんですよ。噛み合わせの調整も必要なことが多いです。ひどくなっている様子があれば就寝時に装着する、マウスピース型の器具をお勧めすることもあります。
虫歯の痛みかな、と思って歯科に行くと、知覚過敏ということも。これはどういう現象でしょう。

知覚過敏の原因は、歯周病の場合もありますが、歯科治療のちょっとした刺激で起こることもあり、さまざまです。ただ、それを放っておいたからといって、すべてが悪くなるわけではありません。そのままにしていても、唾液の中の成分によって再石灰化されて、しみなくなることはよくあります。虫歯の原因でもある、歯を溶かす「酸」は、食事にも含まれており、飲食の過程で実は少しずつ歯は溶けているんです。でもしっかりブラッシングをすれば、唾液に含まれる成分が再石灰化を助け、元に戻してくれる。ただ、磨き残しがあり、ばい菌が残っていると、それが妨げられます。さらに食事をしてそのばい菌に栄養を与えると増殖し、菌が出した酸によって虫歯になってしまうのです。正しい歯磨きはとても大切なんですよ。
健康な口腔内を保つために重要な噛み合わせ
先生はなぜ歯科医師を志したのですか?

中高生の時に陸上部に所属していて、将来は高校の先生になって陸上部の顧問をしたいと思っていたんです。ですが、進路を決めるときに、他の職業のことも考えようと、父の同級生の歯科の先生に話を聞いたんですね。それで、そんな道もあるのか、と。実際に歯科医師になってからは、早く一人前になれるように、休み時間に練習したり、通勤時間に勉強したりと一生懸命でしたね。今の自分の基盤にもなっているとは思います。今できる歯科医療の水準の中で、できるだけ良い治療を提供する。見えないところまで手を抜くことなくやることが大切。自分の家族にするように治療をしています。でも丁寧に治療していると、時間がかかりすぎる、と怒られることもあります(笑)。難しいものです。
健康な歯を保つために大切なことは何でしょうか。
噛み合わせはとても重要です。例えば義歯を入れた場合、それが保険の銀歯やセラミック製だったとします。これらの材料は天然歯より硬いので、噛み合わせが合っていなければ、反対側の天然歯のほうがすり減ったり、歯を支える骨に無理な力がかかります。他の歯への影響があるものですし、日々の生活や噛み癖などでも口腔内の状況は変わっていきますので、定期的に歯科で経年の経過を診てもらうことが大切なのです。そして、定期検診に行かずに放っておいてしまって、歯科に行くのが気まずいな、と思う方がいるかもしれませんが、歯科医師は時間がたっていても来てくれたらうれしく感じるものです。助けられたはずの歯を抜くような手遅れの状態になるのが一番つらい。躊躇せずに、思い立ったら歯科へ行ってみてください。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

食事のバランスに気をつけたり、適度な運動をしたりして、ストレスをため込まずに体の健康を守るのと同じように、歯もメンテナンスをしなければいけません。よく患者さんには「野生動物だったら、歯がなければ死んでしまうんだからね」とお話ししています。文明が発達したからこそ生きていけるのだと思っています。虫歯や歯周病といった歯のトラブルは、意外にも症状として現れないままに進行してしまうものが含まれています。このような場合は歯科医師が診なければわかりません。歯は健康を維持するのにとても大切です。自分で自覚症状や違和感がなくても、歯科検診は受けましょう。