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壹岐 俊之 院長の独自取材記事

いき歯科医院

(練馬区/練馬駅)

最終更新日:2021/11/12

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各線が乗り入れる練馬駅から約徒歩5分という通院に便利な場所にあるのが「いき歯科医院」。駅から近いが、クリニックがあるのは喧騒から少し離れたところで、周辺は落ち着いた雰囲気である。院内はすべてフローリング、受付も木目調のデザインとなっていて、全体としてナチュラルな雰囲気で、待ち時間も落ち着いて過ごせる。診療室は患者の家族も診療に付き添ったり、一緒に説明を受けられたりできるようになっている。壹岐俊之院長の専門は「入れ歯治療」であることから、地元の高齢の患者が多いが、子どもや働き盛りの世代など、幅広い世代の患者が受診している。専門分野である入れ歯の製作と調整、歯をできる限り長く保つために取り組んでいるという「ダイレクトボンディング」の話など、熱く語ってもらった。

(取材日2021年5月19日/更新日11月11日)

個室の診療室で気兼ねなく相談できる空間を提供

クリニック内はすべて個室ですね。先生のこだわりでしょうか?

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はい。診療室は3室ありますが、すベて個室になっています。このクリニックはもともと父が開業した歯科クリニックだったのですが、私が大学院に入学した年に父が体調を崩してしまったため、私が継ぐことになりました。父のクリニックの頃から個室でしたが、2010年に改装した際も個室というスタイルを継続させました。なぜなら診療中にほかの患者さんと顔を合わせたり、話を聞かれたりせずに話せる空間のほうが良いと思ったからです。治療に関して込み入った話をすることもあるので、プライバシーは確保したいと考えています。また、患者さんの付き添いでいらした家族の方も治療を見たり、説明を聞いたりすることもできます。患者さんも周りの目を気にせずに思ったことを話せるのが個室のメリットだと思います。

治療をする上で先生が大事にされていることは何でしょうか?

何でもおいしく食べられるようになってほしいということです。人間にはいろいろな欲がありますが、食欲って産まれた瞬間からあって、亡くなる最後まで残りますよね。「食べること」は、「生きること」だと思うので、普通に食べたいものを食べられる状態であってほしいんです。そのために歯がない人は歯を作ったほうがいいと思っています。例えばせんべいが目の前にあったら何も考えずに普通に手を伸ばしますよね。食べる前から脳と連動して手を動かしてせんべいを取ったり、つかんだりするわけですけれども、食べられなくなると、飲み込みも含めて機能が衰えていくんです。食べるということに付随する脳との関連や動かす筋肉だったりとか、機能を衰えさせないためにも食べるということを大事にしたいと思っています。

入れ歯を作るのにはそういった思いがあるからなのですね。

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入れ歯では硬い物は食べられないと思っている人も多いのですが、しっかりとした入れ歯を作れれば、硬い物も食べられます。でも昔ながらの入れ歯に対するイメージを持っている人は「こんな硬い物食べられない」となってしまうので、入れ歯を入れた方には目の前で硬い物を食べてもらうようにしています。例えばピーナッツとかを食べてもらって、痛くなければ「食べられるんだ」とわかりますよね。そういう成功体験をしてもらって家でも食べてもらってというのを繰り返してどんどん食べてもらうようにしています。

入れ歯治療には家族の支えや協力が必要

入れ歯を作るのは高齢の方が多いと思いますが、入れ歯治療をする際は家族の支えも重要になるのでしょうか?

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とても重要です。当クリニックでは入れ歯を作る際に口の周囲の筋肉や粘膜を実際に動かして、その動きを含めて型を採る機能印象という型採り方法を行っているのですが、このやり方はある程度時間もかかりますし、作り方も今まで経験されてきた方法とは違うので、ご家族が理解してくれていると治療の進みがスムーズになるんですよね。例えばご家族が「明日はこういうことをするよ」と治療日の前日に改めて説明しておいてくれると患者さんも戸惑わずに治療を受けることができます。また、患者さんの娘さんや息子さんが一緒に住んでいるのであれば食事面でも考慮してもらえます。今まで食べ物を細かくしていたけど少し大きくしてみようとか、少し硬くしてみようとか工夫できますよね。協力してくれるご家族がいると、治療が進めやすいです。

ダイレクトボンディングにも取り組まれているそうですが、どのような治療でしょうか。

歯をなくしても不自由なく食べるためには入れ歯という方法がありますが、やっぱり自分の歯が一番いいわけです。でも自分の歯も、どんなに予防していても虫歯になってしまうことはありますよね。そうなったときに今までどおりの大きく削る治療をしていると歯の寿命が短くなるので、なるべく削らずに、虫歯になっている部分をピンポイントで治療したほうが歯を長く持たせることにつながるだろうというところからダイレクトボンディングを始めたんですよ。そして削らない方向で突き詰めていくと、拡大視野でピンポイントに削ってピンポイントに詰めていくことが必要だと考え、マイクロスコープを使うようになったんです。

なるべく歯を削らないということも「おいしく食べること」につながっていますね。

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入れ歯に力を入れているのに、なぜダイレクトボンディング? と思われるかもしれないのですが、どちらも目的は「おいしく食べること」なんです。前提として一番望ましいのは歯を削らず自分の歯を残すことです。でも虫歯になってしまったというときは、削る部分を少なくして歯を残すためのダイレクトボディングができます。ただしこの治療方法は自由診療になっていて、治療には1時間半から2時間くらいかかります。当然健康保険では使えない材料も使いますが、治療の精密さ、使う技術が健康保険で行う治療とは、まったく違います。また、歯科技工士さんが模型の上でワックスを使うようなことを、口の中でそのまま行うので、簡単ではありません。でもこういった細かい点をしっかりやっておくことが、後になってからの大きな違いになると思います。

口を動かす動作に対して不便がない状態をめざす

学生時代で印象に残っているエピソードはありますか?

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大学院では初めの2年間は初診の患者さんを担当して、あとの2年間は研究や論文に専念することになっているのですが、2年目の最後に対応した患者さんの症例が印象に残っています。その患者さんはがんで上顎を摘出したため、上顎と鼻がつながって、上顎に穴が開いた状態でした。初めはどうしたらいいのかわかりませんでしたが、先ほど言った機能印象を行って、口を開けても落ちないように、食べられるようにとなんとか入れ歯をお作りすることができました。この経験があったので機能印象を続けてみようという自信につながりました。

今後の展望や力を入れていきたいことを教えてください。

摂食嚥下に取り組んでいきたいですね。例えば、脳梗塞などで飲み込みが麻痺してしまった人へ、今はどのようにアプローチすればいいのかわからないのですが、これからは対応したいと思っています。勉強会にも行っていて、その場では納得するのですが、では実際にクリニックでやるにはどうしたらいいのかが悩みどころです。基本的にはしっかりとした入れ歯があれば、たとえ寝たきりになっても急に食べられなくなるということはないと思っているのですが、摂食嚥下の知識やテクニックがあれば違ったアプローチができるようになるのではないかと思っています。食事指導なども含めて、患者さんがおいしく食べ続けられるようなお手伝いをしていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いいたします。

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入れ歯は合わなかった場合は違和感を感じますが、合うように調整していくことができますし、壊れても直せます。ご自分に合う入れ歯を作って、困らずに食事をできるようになってほしいですね。食べたいものを食べることができて、大きい口を開けて笑えて、カラオケで大きい声で歌えて、友達と楽しくおしゃべりができてとか、口を動かす動作に対して不便がない状態が望ましいと思っています。その中でも食べることを一番意識しながらやっていきたいです。私にできることはしっかりした入れ歯をお作りし、歯を残すための治療や指導を行うことですので、これからも誠実に取り組んでいきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ダイレクトボンディング:4万4000円〜

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