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日高敏郎 院長の独自取材記事

日高歯科医院 吉祥寺予防インプラントセンター

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2019/08/28

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「これぞ吉祥寺」ともいうべき吉祥寺サンロードのど真ん中。「おしゃれ」と言っても代官山や表参道とも違う、吉祥寺らしい中央線の質実さを伴った独特の雰囲気漂う、ガラス張りのビルの3階で開業しているのが「日高歯科医院 吉祥寺予防インプラントセンター」である。エントランスに入ると、19世紀イギリス貴族の秘書が座る書斎机のような受付が患者を待ち受ける。「くつろいでもらうためと、きちんとやっていることを患者さんにお伝えするため」と話すのは日高敏郎院長。口腔外科にも長け、院名にも「インプラント」を掲げるものの、「一番大切なのは、患者さんの毎日の手入れや、地道なメインテナンス」であり、そのために口腔を全体で見る診療が必要だと話す。メンテナンスだけでは快癒が難しいとされる歯周病ですら「手をかければ治すことができる」と話す。しっかりとした歯科哲学を持つ日高院長に、歯科医療の現在とこれからを語っていただいた。
(取材日2013年9月11日)

安易なインプラント治療選択への警笛

院名にもございますし、インプラントを中心に打ち出しているようにもお見受けしますが、実際のところは。

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いや、インプラントを中心にやるなんて、そんなことはないですよ。それは歯科医師の本義とは言えないと考えます。歯科本来の仕事というのは、一般歯科や普通の歯科治療で、インプラントはそのひとつの手段にすぎません。そこを考え違いしてくる人が結構いらっしゃるんです。これは、そういうことをきちんと伝えない歯科医師もよくないだろうと思います。歯科医師がインプラントを軽く考えていれば、患者さんも軽く考えるようになってしまいますよね。インプラントというのは、治療の後どうなるかをしっかりと予測して行うものです。それも、歯を守るために入れるもの。インプラントが必要な人の多くは、手入れが悪くて元々の歯を残せなくなりインプラントにするわけで、手入れが悪くて歯を残せない人がインプラントにしたからといって状態が良くなるわけがないんです。確かにインプラントは虫歯にはならないですが、歯周病と同じ周囲炎というのにかかりますから。歯が悪くなった元々の原因を改善しないでインプラント治療をしたって意味がないということなんです。

しかし、インプラント治療の需要は年々増えているようです。

確かに、ここ5〜6年インプラント治療が流行しているような風潮の中、安易に「入れてくれ」と来る患者さんも増えました。ですが、私としてはインプラントがそんな簡単なものではないということを知って欲しいんですよね。患者さんにもある程度、歯科医療について知っていただく必要があるでしょうね。歯科医師を選ぶ目も必要になると思いますよ。例えば、十分な外科手術が出来ずに、難しい水平埋伏歯の親知らずを抜けなくて、大学病院に「そこだけ手術してください」と紹介し、インプラント治療だけは自分の医院でやるという歯科医院でインプラント治療をするというのは危険です。歯科治療というのは、本質的にやることは3つしかありません。「虫歯治療」と「歯周病治療」と「噛み合わせ」です。虫歯と歯周病はバイ菌が原因ですね。噛み合わせはちょっと調整するだけでだいぶ変わります。あたりが強いところを少し削ったり、取り除くだけで変わります。当院に相談に来て「目からうろこだ」という方は少なくありません。噛み合わせにしても、昔の「ドリル・フィル・ビル」(削って、詰めて、請求書を出す、の意)という発想がいけなかったんだろうなと私は思います。補綴(入れ歯や被せ物)の材料が良くなった、簡単になったとか仰る方もいるかもしれませんが、そういう話じゃないと思いますね。歯科治療が、バイ菌から歯を守って、よい噛み合わせを作ることが目的であることは昔も今も変わりません。

こちらでの実際の治療の流れはどのようなものでしょうか。

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まず「歯が痛い」とか「詰め物が取れた」などの緊急性の高い症状を治してから、もう一度じっくり調べます。写真やレントゲン、CTや歯周病の検査などをし、ほかと違うのが「共同診察」と呼ぶ方法です。これは患者さんと一緒に診察のやり方を考えるというもので、記録係として衛生士も交えて行います。まず模型を見てもらい、口の中ではなく、最初は外からです。あなたの歯はここがあたってますね、というように。そもそも、ほとんどの人は人間の歯が何本あって、今何本持っているのかすらもわからない方が多いんです。ですから、歯の基本から一緒に知ってもらうところから始めていきます。写真や模型を見て、レントゲンを見て、CTを見て……と。それから顎関節はどうか、カクカクいわないか、ずれていないか、キチンと機能しているかも見ます。噛み合わせを見るためには、頭痛はしないか、首や肩の張り、筋肉の状態まで調べます。大体、最初に来ていただいて、問診などで1時間から1.5時間。次に来ていただいて、検査や調査で2時間くらい。もう1回来ていただいて患者さんと一緒に共同診察をする。この3回来ていただくと、だいたいご自分の歯のことは分かっていただける。それでどうしましょうか、こうすれば大丈夫じゃないでしょうかと、どうしたいのかご希望を聞きながら、そして費用や時間をお聞きしながら治療方について提案していきます。

噛み合わせ治療は早いほうが効果大

噛み合わせの治療に力を入れていらっしゃるのですね。

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今も「歯科治療は噛み合わせ全体を見よう」「口腔内全体でバランスを」とは言うものの、歯科教育はまだ十分ではないのかなと思いますね。噛み合わせというのは、当たりがひどくなると、その歯が弱ってしみるようになります。また、人によっては症状が出ないこともありますが頭痛や腰痛、肩の凝りなどにもつながります。ひどくなると、朝起きるときに首から顎にかけてが、だるくてつらいという人もいらっしゃいます。そういう人は表情も厳しくなりがちで、眉間にシワがよっている人も多いんです。噛み合わせの治療をしていたら、眉間のしわがなくなって、柔らかい顔になったという女性の方も少なくありません。噛み合わせ治療の内容は、あまり知られていないのですが、調べて計画を立てるベースがあって、そこから、何をするのか、何を使うのかなど、ご相談しながらアディショナルに治療は変わっていきます。治療にかかる期間は程度によって異なりますが、長くて1年くらい。異常が少ない人ほど、かかる時間も費用も少なくて済みます。できるだけ若いうちに来て、噛み合わせを調整していくほうが良いのは確かですね。

年をとるほど噛み合わせ治療が難しくなるということですか?

そうですね、結局、昔やった補綴の異常が積み重なって、噛み合わせのずれにつながっていますから。歯や口腔内の「老化」現象の正体は、実はその噛み合わせ異常の蓄積に他ならないとも言えるのです。歯科治療が、1本だけかぶせて終わりではなく、噛み合わせ全体を見てやらなければならないという意識を、歯科医師側も持たないといけないというのはそのためです。師匠の受け売りですが、「他の歯医者の手形が残っている人ほど、治療にお金と時間がかかる」。保険制度の問題もあって、歯科治療が安くなりすぎているせいもあるのかなという気もします。安いからこんなものだろう、というあきらめが、歯科医師側にも患者さん側にもあるのではないでしょうか。だからインプラント治療に走る人が後を立たないのかもしれません。修理修復という流れの中でしかインプラントを考えない、浅薄な治療が多くなってしまっているのもそうです。それは、原因追及せず、ただ空いたところは埋めればいいという、ドリル・フィル・ビルという悪しき歯科治療の流れのものでもあるのかもしれません。もちろん、私はインプラント治療そのものを否定しているわけではありません。インプラント治療は正しく行えば長年維持することのできる、医学的にすばらしい治療です。骨が口という外部に接する場所にチタンを入れるという、ほかではおよそ考えられない高度な治療。こんなことをやっているのは歯科くらいしかありません。

先生が治療で心がけていることは何でしょうか。

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華々しさはどこにもない、オペも何もない、ただしっかりと地道にやれば結果的に歯は残る、それが真実なのだということです。例えば、歯周病は保険治療の範囲では治らない、オペをしなければ治らないと思っている人がいるかもしれません。また、歯周病が悪化すれば、年のせいだと片付けてしまう人もいるかもしれませんが、患者と共同で一緒に治療することで、保険の範囲でも十分に治せるんです。例えば中重度の歯周病をもっていた女性の方が、歯磨きの仕方が改善されて、1ヶ月で炎症が改善されたことがあります。だいたい歯周ポケットは1〜2mmが健康、4mmで歯周病なんですが、この患者さんは6mmもありました。出血率も76.1%と非常に高い。私どもは炎症の程度を0〜3段階に分けてカルテに付けていますが、最初はほとんどの歯が炎症レベル3という重度であったのに、5回目の来院時にはほとんどがレベル0か1になっていました。私たちは何もしていないんです。患者さんが意識を変えて自分で手入れをしただけです。これは、手術しなくても、きちんと手入れすれば歯周病は治るということがはっきり分かった症例として、学会でも発表する予定です。

じっくりと見た分だけ、必ず歯は良くなる

結局患者の意識が一番大事ということですね。

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そうです。糖尿病と同じなんですよ。ある内科医の先生と話したのですが、いくら治療をしてもHbA1c(ヘモグロビンA1c。血液中のヘモグロビンと糖が結びついたもの。糖尿病診断の指標になる)がちっとも下がらない。これは歯周病と一緒だよねと。結局、糖尿病というのは、薬を服用して血糖値を下げようとしても、生活が変わらなければ何も良くはなりません。いつまでたっても治らないわけで、患者の意識を変えることこそが大切だということです。意識を変えていただいて、医師と同じ視点に立っていただいて治療しないと意味がないのですね。だから、患者さんの意識をどう変えるかが鍵なんです。患者さんと一緒に考え、医師と同じ視点から治療を考えるようになってもらい、治療や手入れを一緒にがんばりましょうってやっているのが現状です。日本は、経済的には成功したけど、歯科医療の分野ではまだまだ先進諸国に追いついておらず、一般的に平均すると10年で2本、20年で4本の歯を失っているのが現状です。しかし、全体的な治療を行っている私たちの研究グループで統計を出したところ、10年で0.5本20年で1本という素晴らしい数字が出ています。これは医学的にもとても有意なものです。歯というのは手をかけ、ちゃんと手入れすれば、その分だけ必ず成果が上がるものなんです。

先生が歯科医師を目指したきっかけは。

母が歯科医師だったからですね。大学を卒業して、新橋で4年勤務医やりました。その後、たまたま現在のこの場所が空いて開業することになりました。吉祥寺はもともとなじみがありよく来る町でもありました。開業してから、今でも師と仰ぐ川村泰雄先生に出会いました。20年も前になりますか。講演会でお名前を見つけて、仲間たちと一緒に会いに行きました。そこで、今、私もやっている、地道な治療の積み重ねによって歯周病やお口の健康を改善していくという方法を学びました。10年20年やり続けて、先ほどの歯周病のように検証できるようになってきたというのが現在の状態ですね。川村先生はアメリカで歯科医療を学ぶという流れができるずっと前からアメリカに渡り、実績を積まれた方です。マイアミのパンキー研究所の創立メンバーのひとりでもあります。私も5回ほど研修に行っています。みなさんは歯科医師の海外研修旅行なんてお気楽なものだと思うでしょう? それがもう大間違いで、合宿みたいにハードなんです。現地はサマータイムだったのですが、8時〜16時で講習を受け、夜はコンドミニアム入ってまた研修。時差ぼけと眠気との戦いでした。そんな生活をみっちり1週間研修を通し、現在医院で行っている治療方法を見直すことができました。その中で一番大切だと感じたことは、フィロソフィーや医療哲学を再確認することだったんだと気づかされました。

先生のご趣味は。

学生時代にヨット部でした。学生のころはかなり真剣にやっていたんですよ。毎月2回は東京湾のレースに年に1回は鳥羽や大島のレースに出場していました。しかし今にして思うと、あれは夏にやるもんじゃないなと(笑)。真っ黒に日焼けするし、地獄のように暑い。今ではヨットを手放してしまったので、小説を読むのが趣味です。昔は歴史小説が好きだったんですが、今は時代小説になりました。著者で言えば司馬遼太郎から池波正太郎へというところです(笑)。

では、最後に読者へメッセージをお願いします。

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今ある歯は一生守れます。ぜひ、本物の歯医者さんを探して、本物の治療を受けてください。当院では全ての治療が終わったら最後に卒業式みたいな事をします。今後のメインテナンスについてお話させていただくのとともに、通院が難しい患者さんにはしっかりと手入れから始まり、噛み合わせも全部診て、そしてメインテナンスまでしっかり指導する、そういう歯科医師を、これからもぜひ探すようにとお願いしています。そして、もし友達との会話で歯の話題が出たら、友達にもそういう歯科医院を探すように伝えるようにお願いしています。周りにそういう歯科医院を見つけられなかったら、そのときにはこちらを紹介するなり、ご相談に来ていただければなと。そんなふうに思います。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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