長谷川 浩通 院長の独自取材記事
ふそう歯科
(武蔵野市/吉祥寺駅)
最終更新日:2025/04/07

東京都武蔵野市にある「ふそう歯科」は、吉祥寺駅と三鷹駅の2駅からアクセスでき、近隣に住む人を中心に多くの患者が通う歯科医院だ。開業して25年以上たつ同院では、インフォームドコンセントを大切に、一人ひとりに寄り添う診療を徹底している。長谷川浩通院長をはじめ、歯科衛生士の高い技術と、治療に対する誠実な姿勢が、多くの患者の健康を支えている。「お互いが納得した上で、治療を進めたい」と語り、歯科医師として50年以上、患者と向き合ってきた長谷川院長に、診療に対する現在の思いを聞いた。
(取材日2025年3月11日)
患者の気持ちに寄り添う診察を大切に
現在はどのような悩みを抱えた患者さんが多いですか?

昔に比べて最近は虫歯の治療はかなり減っていて、予防ケアがほとんどです。ホワイトニングやインプラント治療を希望される方も増えましたね。入れ歯など昔と比べて、材質のバリエーションが増えているので、私も常に勉強しています。自費診療となる金属床の入れ歯やノンクラスプデンチャーは、値段もかかりますし、施術に関してより丁寧に説明するようにしています。患者さんに合うもので、なるべくいいものを提供したいので、模型やパネルを使って説明することも大切にしていること。ただ、自費診療の入れ歯は信頼関係ができてからこそ、勧めたいですね。まずは定期検診などで何回か来ていただいてから提案するようにしています。
診療で大切にしていることを教えてください。
武蔵野市は、文化的にも教育的にも発達しているエリアです。だからこそ、インフォームドコンセントを徹底しています。診療方針などは初診時でしっかり話すようにしていますね。また、中には、最初から自由診療を希望する方もいらっしゃいます。確かに見た目の良さは変わりますが、例えば歯根の治療などは、保険でも自費でも差はありません。私は、自分の持っている知識や技術を駆使して治療を行っています。だからあとは患者さんの選択になりますが、納得のいく判断ができるように話をしていますね。ですので、問診には時間をかけるようにしています。
患者さんたちは長く通われている方が多いんでしょうか?

ありがたいことに、親子3代で来院されている方もいらっしゃいます。あとは、職場の人を紹介してくださって、通院されるようになった方もいます。クチコミでどんどん広がっていくのはうれしいことですね。クリニックの治療方針などをある程度理解されて来院されるので、私たちもより取り組みやすいんです。相性の良さも大切だと思っているので、良い相性の方たちだと、お互いに気持ち良く治療に専念できると思います。インフォームドコンセントを大切にしているのも、そういったところにつながりますね。歯科医院に対する患者さんが求めるものは、年々変わってきています。それを取りこぼさないようにするためにも、対面をしてお話しして、信用していただくことは意識しています。
歯の健康のために歯科医院の定期検診を
どのような治療をしていますか?

先ほどもお話ししたとおり、最近では虫歯の患者さんは減っています。皆さん幼児の頃から歯科医院に通い、口腔指導を受けている方も多いので、少なくなってきているんですね。ですので、私のクリニックでも予防ケアのために来院される方が多いです。まずは定期検診を受けていただき、4〜5ヵ月ごとに通ってもらい、口腔内をチェックしていきます。問題なさそうでしたら、1年間隔で来ていただくようになります。検診では、歯石を除去し、歯周ポケットの深さの測定などを行います。検診の際にはブラッシング指導もしていますので、ご自宅でのケアに役立ててもらえたらと思っています。検診を行うと、患者さんの口腔環境がよくわかりますし、お互いに信頼関係を築くためにも、定期的に検診に来てもらうことは大事ですね。
最近はホワイトニングなどの患者さんも増えていますか?
ホワイトニングは女性を中心に増えています。ご自宅でのケアも必須なので、内容を説明し、納得してもらってから行っています。クリニックでマウスピースを作り、歯にホワイトニング薬剤を密着させます。その後、薬剤をお渡しするので、自宅でホームホワイトニングを行ってもらい、2〜3ヵ月後に来院していただく、というように、自宅でのケアと定期的に来院してメンテナンスを行うのが通常です。クリニックでの施術のみを希望される方や、自宅で行うホームホワイトニングをメインでやりたいという方など、患者さんの要望によっていろいろな方法があります。値段も異なりますし患者さんがどういう歯をめざしているのかを聞き取りながら、提案していきますね。肌の色と同じで、歯の色も生まれついて持ったもの。その方の理想の歯になるべく近づけるように、こまやかに話を聞いていきます。
院内の施設や医療機器のこだわりを教えてください。

歯科医院に来るときはなんとなく気分が落ち着かないという方も多いと思います。ですので、ゆったりと過ごせるように、待合室は広く造り、ソファーを置いて、リラックスしてもらえる空間にしました。さらに、診療室やエックス線検査室も広めに設計し、患者さんに圧迫感を与えないような設計にしています。医療機器でいうとCO2レーザーを導入しています。知覚過敏や根尖性歯周炎といった歯根の病気、できものの治療、抜歯時の止血などに使うもので、薬だけではなかなか治療が難しい際に使用しています。ほかは、歯石除去に使うスケーラーは新型のものを導入。スケーラーの先から光が出るので、スケーリングがすごく楽なんです。
自らも健康管理を徹底して、歯科医院を守る
歯科医師としてのやりがいを感じるのはどんなときでしょうか。

患者さんに「ありがとう」と言われるときですね。痛みなど歯の悩みを解決して、患者さんの健康を守れることにやりがいを感じています。私自身、歯科医院に行くのが嫌いだったんです(笑)。自分が子どもの頃、虫歯になって歯の痛みをたくさん経験してきたので、その分「こうすれば痛みが軽減できるんじゃないか?」といろんな工夫ができるんですよね。特に、治療時に打つ麻酔注射は、バイブレーターをかけるようにしていて、そうすると痛みの感じ方がマイルドになるんです。これは患者さんからもよくリクエストされますね。治療を行う際は、患者さんの口腔の状態と、どれくらいの頻度で通えるかなどを十分に配慮し、その中でなるべく少ない回数で終わるように治療方針を決めています。「週1回の通院で、3ヵ月程度で終わりますよ」と具体的に伝えると、患者さんにも安心してもらえるのではと思っています。
先生が日頃から健康のために行っていることを教えてください。
妻が栄養士なので、バランスの取れた食事が取れていると思います。妻には感謝ですね。休日はなるべく歩くようにしています。規則正しい生活を心がけることで、健康的でいられるのかなと思います。開業してから私は一度も体調不良で休んだことがないんです。体調の管理はもちろんのこと、気持ちの面でも「よし、患者さんを治すぞ!」と気合を入れて、日々過ごしているからかもしれません。あとは好きなことをすることも大事にしています。私は歌が好きなのでよく歌ったり、日帰り温泉にも週2回は行ったりしています。趣味の時間があるとリフレッシュになるので、仕事にも一層集中できる気がします。食事は好きなものを食べればいいと思いますが、食事の後は歯を磨くこと。昔から「3、3、3」といわれていて、3食後3分以内に3分間歯磨きをする。これが虫歯予防の秘訣だと思います。
今後の展望について伺います。

この間、東京都歯科医師会の高齢者会員として表彰を受けました。80代で現役の先生もいらっしゃいますし、私もクリニックに来てくれる患者さんがいる限り、治療を続けていきたいですね。長らく通院してくださった高齢の方で、体調が悪くなってしまったから訪問診療をお願いしたいという患者さんもいらっしゃいます。通常、訪問診療は行っていないのですが、信頼関係のある患者さんのもとへは足を運んでいます。歯科医師として長く働いていると、その方の口腔内を見れば、ある程度健康状態がわかります。私は大学時代に口腔外科も勉強していたので、口腔がんなどの知識もあります。もし悪性腫瘍を発見したら、やることは2つ。悪性腫瘍を刺激している歯は絶対抜く、それと悪性腫瘍の中に生えている歯は絶対に抜かない。腫瘍の転移を防ぐために重要なことですね。学んだことをきちんと患者さんに伝えるのは、われわれ歯科医師の大事な使命だと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円、金属床入れ歯/30万円~、ノンクラスプデンチャー/15万円~(大きさで変化)、オフィスホワイトニング/2万円~、ホームホワイトニング/2万円~