角田 満 院長の独自取材記事
角田歯科医院
(三鷹市/三鷹駅)
最終更新日:2025/08/05

JR中央本線三鷹駅から徒歩10分、閑静な住宅街の一画にある「角田歯科医院」。「開業するなら三鷹」という強い想いを持つほど、地元愛にあふれる角田満院長が1987年に開業して以来、地域の歯科医療を支えてきた歯科医院だ。大学院の保存学で研究を行っていた角田院長は、虫歯や歯周病など一般的な歯科治療に精通。常に地域の患者にベストな治療を提供したいという思いから、先進の治療技術や素材を取り入れ続けている。セカンドオピニオンにも積極的で、大学病院や専門医療機関につなげる体制も整える。スポーツ歯科への専門性も高く、スポーツ競技者のデンタルチェックやスポーツ外傷防止にも尽力している。豊富な知識と経験を持ち、40年間患者ファーストな姿勢を貫いてきた角田院長に、歯科医療にかける思いや今後の展望について話を聞いた。
(取材日2025年6月9日)
先進の技術や情報を常に取り入れながら、納得の治療を
開業されて40年近くたちますが、地域に根づくクリニックとして大切にしていることを教えてください。

一番は正直であることですね。私は患者さまに治療の説明を行う際、まずデメリットからお話しするようにしています。先に魅力的な話からしてしまうと、「素晴らしい治療だ」と気持ちが舞い上がってしまい、後からデメリットを提示してもきちんと伝わらないケースが少なくありません。デメリットからお話しすると不安になってしまう方もいますが、患者さまに冷静な判断をしていただくために、耳の痛い内容からお伝えしています。また治療内容をその場で決定せず、家に持ち帰ってご家族の方と相談していただく場合もあります。ご本人が「やりたい」と思っても、ご家族の方が反対することもあり得ますからね。必要に応じて治療に関する資料もお渡しして、一度冷静な状態でご家族と話し合ってから決定していただきたいと思っています。
診療では大学院で学んだ保存学を生かし、できるだけ削らない治療をモットーにされているそうですね。
保存学は一般的な医療領域でいう内科のようなもので、虫歯や歯周病治療をメインに研究する分野なんです。一般的な治療を扱うので、地域に根づく開業医に適した分野だと思います。また保存学を学ぶ中で、できるだけ削らずに虫歯治療や修復ができないかというアプローチを重視するようになりました。基本的に歯は削ると弱くなったり、染みるようになったりしてしまうので、削らないで治すのが理想です。そのため小さな虫歯やちょっとした着色だったら削らず、プラスチックの薄いコーティング等でカバーするようにしています。ただ虫歯が進みすぎてしまった部分は、再発を防ぐためにきちんと取り切ってしまうのも大切です。
現在も歯の修復をするための素材や治療法を学び続けているとお聞きしています。

歯科治療に使う素材は、日進月歩ですからね。歯科治療の素材を扱うメーカーの方も頑張ってくださって、今までは処置が難しかった症例にも対応できるようになっています。私は、虫歯治療とがん治療は似ていると考えているんです。昔は副作用が強かった抗がん剤や放射線治療も研究が進み、健康な組織へのダメージを最小限に抑えられるものが増えています。虫歯治療も同じで、虫歯を小さくするための薬や歯の再石灰化を促進するためのフッ素など、患者さまの歯の健康を守るためにさまざまなものが開発されています。患者さまにより良い治療をお届けするためにも、昔のやり方で満足するのではなく、常に先進の情報を入手しながらたくさんの選択肢を用意できるのがいいですよね。歯ブラシや歯磨き粉も魅力的なものがどんどん増えているので、自分に合ったケア用品を知りたい方はぜひお聞きください。
オールラウンドな素材でどんな場面でも快適な口腔へ
スポーツ歯科の分野にも、詳しいそうですね。

スポーツに関わるのは、内科医や整形外科医が想像されますが、口腔専門として歯科医師が帯同するケースも多いんですよ。日本は、海外よりもスポーツ歯科の考えが浸透していませんでしたが、2019年のラグビーの世界大会をきっかけに、スポーツ歯科分野を世界基準に合わせたものにしようという動きがありました。私はスポーツが好きですし、専門性を高めることで患者さまに還元できる機会も増えると考え、勉強会などに参加しました。
アスリート向けのアドバイスや治療を受けられますか?
もちろんです。ラグビーやサッカーなど選手同士の接触が多く、歯や口腔のケガのリスクが高い競技をされている方には、スポーツ用のマウスガードがお勧めです。ケガ防止だけでなく、パフォーマンスの向上を目的にマウスガードの素材や厚み、形態にも重要なんです。ただしスポーツによっては、マウスガードやマウスピースをパフォーマンス向上目的で使用してはいけないルールもあるので、気をつける必要があります。
顎関節症の治療にも力を入れているとか。

顎関節症は、口を開こうとする際に顎関節や顎を動かす筋肉が痛んだり、大きく口を開けられなくなったりする疾患です。日常生活の中で顎への負担が重なると発症しやすく、睡眠時など無意識下での歯ぎしりや食いしばりが原因になることもあります。誰でも睡眠時に歯ぎしりはしているのですが、眠りが浅かったり体調が悪かったりすると、歯ぎしりが強くなってしまうんです。特に女性は男性よりも骨量が少ないので痛みなどの症状を感じやすく、悩まれている方が多い印象ですね。また歯の噛み合わせの悪さから、顎関節症を発症する方もいらっしゃいます。口の開閉時に痛みを感じる、口を開くと「コキン」「ジャリジャリ」「ガリガリ」など骨が鳴るような音がするなど、自覚症状がある場合は、原因を特定して適切な治療を受けるためにも歯科医院の受診をお勧めします。
デンタルコンシェルジュとして患者に寄り添う
歯科医師をめざしたきっかけや、この地域で開業した経緯を教えてください。

親族に「手先が器用だから歯科医師に向いているのではないか」と、勧められたのがきっかけでした。私の身内は医師が多いのですが、歯科医師は1人もいなかったので興味をそそられました。また私は小学生からスポーツをしていて、顔や歯のケガで歯科医院にお世話になることが多かったのも理由の一つです。歯の大切さを実感する経験があったからこそ、より歯科医師になりたいという思いが強まりましたね。大学院を卒業後は都内の病院で働く選択肢もあったのですが、ありがたいことに小さい頃からお世話になっている地元の方々に「いつこちらに戻って来て開業するのか」と声をかけていただく機会も多かったんです。もともと、私自身も生まれ育った地域に恩返ししたいという想いが強かったこともあり、三鷹での開業を決意しました。
セカンドオピニオンや専門医療機関への紹介も積極的に行っているそうですね。
患者さまにとっての「ナンバーワンの歯科医院」は人それぞれです。他に患者さまのご希望に添える治療を提供できる歯科医院があるかもしれませんし、専門の医療機関や大学病院などで専門的な治療を受けたほうがいい症状もあります。そのため患者さまがご希望されるなら、セカンドオピニオンでもサードオピニオンでも積極的に受けていただきたいと思っています。「専門的な治療を受けたいけれど、どこに行けばいいかわからない」という場合には、当院で症状に適した医療機関も紹介します。当院の利益を追求するのではなく、患者さまにとって必要な治療が受けられる環境を提供するのが、地域の歯科医療を支える歯科医師の役割だと考えています。
今後の展望やチャレンジしたいことを教えてください。

基本的には今までやってきたことをベースに、新しい技術や素材を積極的に取り入れたいです。先程もお話しましたが、治療に使う素材はどんどん新しい物が出てきているんですよ。例えばセラミックのかぶせ物は天然の歯に近い機能性と見た目で人気ですが、それよりもさらに魅力的な材料が出始めています。どれほどいい素材でもいつかは劣化して交換する必要があるので、次の交換の時にもその時代でベストな治療や提案をできるようにしたいです。また特定のシーンにおいてのみ強い力を発揮する素材よりも、平均的に使いやすいものを選ぶことで、どのような場面でも安心して過ごせるような治療を提供したいと思っています。現状に満足せず、時代の変化に合わせて患者さまに必要な治療を提供できるように邁進していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガード作製/学生:5500円~、一般:8800円~、プラスチックの薄いコーティング/3000円~