骨が薄く埋入が難しい症例に対応
骨増生を用いたインプラント治療
アーク歯科クリニック 番町オフィス
(千代田区/麹町駅)
最終更新日:2024/05/15


- 自由診療
歯を失ってしまったときに、天然の歯と同じような見た目や噛み心地をめざすインプラント治療。一方で、顎の骨の厚みが足らず、インプラント治療をするのは難しいと言われたことがある人や、そのような話を聞いたことがある人もいるかもしれない。「顎の骨の厚みが足りない場合は、骨を増やすための骨増生と呼ばれる処置を行うことで、インプラント治療が行える口腔環境づくりを図ります」と話すのが、「アーク歯科クリニック 番町オフィス」の西田哲也先生。同院では、他院で顎の骨が少なくインプラント治療が難しいと言われた患者に対しても、骨増生を行うことでインプラント治療を実施できるよう積極的に対応している。西田先生に、骨増生を伴うインプラント治療について詳しく教えてもらった。
(取材日2024年4月5日)
目次
顎の骨の厚みが足りない場合でも、骨増生によってインプラント治療が可能な口腔環境をめざす
- Qインプラント治療が難しいケースについて教えてください。
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A
▲インプラント治療の数多くの難症例も担当してきた西田哲也先生
代表的なのは、上顎の奥歯にインプラント治療をするケースです。上顎の奥歯のすぐ上には、上顎洞と呼ばれる副鼻腔の空洞がありますが、私たちアジア人は特に、副鼻腔との間にある上顎の骨が薄く、厚さが5ミリ前後しかないことがほとんど。一般的なインプラント体の長さは10ミリありますので、そのままでは厚みが足りません。また、歯周病で歯が抜けた場合は、顎の骨がとけてしまっているので、やはり顎の骨が薄くなっています。さらに、歯を失うと、顎の骨は徐々に痩せていきます。これらのケースなどでそのままではインプラント体が埋入できない場合、骨増生によってインプラント治療が可能な口腔環境づくりをめざしていきます。
- Q骨増生とは、具体的にどのような治療なのでしょうか?
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A
▲骨増生により、インプラント治療が行える状態をめざす
人工骨や自分の骨を移植したり、専用の薬剤を使用して骨を増やすために行うのが骨増生です。いろいろな方法がありますが、上顎洞との間の上顎の骨を増やすことを図る代表的な方法が「ソケットリフト」と呼ばれる手法です。ソケットリフトでは、インプラントを埋める穴から自家骨や骨補填剤を注入し、その後にインプラント体を埋入。半年ほどでインプラント体が固定され骨補填材が骨に置き換わることをめざします。他に骨を分割して幅を広げ、そこにインプラント体を埋入し、その周囲に骨や骨補填剤を入れる「リッジエキスパンジョン」。薄い骨に埋入したインプラント体の周囲に人工骨等を入れる「GBR(骨誘導再生法)」などの方法があります。
- Q骨増生には、何かしらのリスクがありますか?
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A
▲メリットとデメリットを十分に把握して治療に臨むことが肝要
ソケットリフトの場合、副鼻腔炎など上顎洞に炎症がある場合にはできません。同様に、花粉症の時期で鼻の粘膜が炎症を起こしているような場合にも、避けたほうが良いでしょう。副鼻腔炎や花粉症も、ちゃんと治療ができていて症状がなければ問題ありません。また、骨増生に限らずインプラント治療では外科的処置を行いますので、どうしても多少の痛みや腫れが出ることは避けられません。私はインプラントの手術は、抜歯と同程度か横になって埋まっている親知らずの抜歯よりは楽だと思いますという説明をよくしています。
- Q治療期間について教えてください。
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A
▲治療前には十分に説明をしている西田先生
以前は、骨増生をした場合のインプラント治療の期間は、しない場合の1.5倍とされてきました。例えば上顎では、インプラント体を埋入してから6ヵ月ほど待機し、その後に歯茎を切開し人工の歯を装着しますが、骨増生をする場合は、その待機期間が9ヵ月必要でした。しかし、現在は同じ6ヵ月の待機期間で大丈夫だとされています。最近では、薬剤やインプラントの素材が進化し、より短い待機期間でも可能だという意見もあります。ですが、ここで待機時間を数ヵ月短くしたことで長期的な耐久性などに問題が出ると患者さんのためになりませんので、当院では特別な事情がない限り標準的な待機期間を取るようにしています。
- Qこちらのクリニックで行うインプラント治療の特徴は何でしょう。
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A
▲治療中でも必要に応じてCT撮影をし、精密な治療に妥協がない
顎の骨が薄く骨増生が必要な場合など、一般的な歯科クリニックでは難しい症例にも対応できることがあります。私のもともとの専門は歯周病ですが、歯周病で歯を失うのは顎の骨がとけてしまうことによります。そのため、インプラント治療をしようとすると、必然的に顎の骨が少なく、骨増生の処置が必要となることもあります。当院ではそうしたケースも含め、難症例に積極的に対応しています。また、手術中に歯科用CTによる撮影ができる体制を整えており、インプラントを埋入する深さや角度をミリ単位で確認しながら手術を行っています。これらによって手術のクオリティーや精度、安全性を重視した治療ができるよう努めています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(一次手術)/20万9000円~、インプラント治療(二次手術)/7万7000円~、骨増生(ソケットリフト、リッジエキスパンジョン、BGR法)/6万6000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。