西田香理事長の独自取材記事

アーク歯科クリニック　番町オフィス

(千代田区／麹町駅)

最終更新日：2024/02/13

有楽町線・麹町駅から徒歩3分。「アーク歯科クリニック番町オフィス」は、幅広い患者の悩みに高い技術で応えるクリニックだ。西田香理事長は、日々の診療だけでなく、クリニック内の勉強会や研修医の受け入れなど、歯科業界を見据えながら精力的に活動している。西田理事長は明るく気さくな人柄で、どのような疑問にも熱心に、丁寧に答えてくれる人物だ。患者の悩みに親身に寄り添い、研修医の育成にも力を注ぐバイタリティーあふれる西田理事長に話を聞いた。

（取材日2023年12月15日）

志を高く持ち、歩み続けるクリニック
日々の研鑽を大切に、歯ではなく人を診る診療を
地域に根差し、患者に寄り添う場所として

志を高く持ち、歩み続けるクリニック

2002年の開業から20年以上たちますが、患者層について教えてください。

当クリニックの場合は、もともと全顎的な治療を希望される患者さんが多いですね。いくつかクリニックに行ったけれど治療に踏み切れないという方や、ずっと通っているけれど不安を抱えていて、セカンドオピニオンにいらっしゃる方もいます。そして、紹介でいらっしゃる方が多いことも特徴かもしれません。最近特に感じる変化としては、長く通い続けてくださる患者さんが多い分、ライフステージに合わせた診療をしていかなければならないということですね。通い始めた時は20歳だった患者さんは40歳になり、60歳の患者さんは80歳になっています。寝たきりや認知症などで、ご自身でクリニックに来られなくなってしまったときのことまでトータルに考えて、治療を行うようになりました。

訪問診療もされていると伺いました。

一番大きなきっかけは「寝たきりになった祖母の割れた入れ歯を治したい」とご家族が来院されたことでした。数件のクリニックを回っても、患者自身を連れて来なければ診られないと断られたと聞きました。それから少しずつ人材と機材をそろえて、少しずつ訪問診療の体制を整えていきました。本格的に始動したのは、3、4年ほど前ですね。アーク歯科クリニックには、番町オフィスとは別に市ヶ谷オフィスがあり、協力して訪問診療チームを組んであたっています。現在では、患者さんの高齢化によるニーズに応えながら、地域の老人ホームでの治療も行っています。

理事長のご専門について教えていただけますか？

私は、歯内療法という歯の神経の治療に関することが専門です。実は、お口の中をCTで検査すれば何でもわかるわけではなく、小さなヒビなど、それだけでは確認できない場合も多いです。私はマイクロスコープで肉眼では見えない細部まで歯の状態を見ながら根本的なところから治療を行っています。虫歯になっている歯をただ治療しても、CTや肉眼では取りこぼされてしまう部分に原因が残っていれば、再発して治療のリスクが上がってしまいます。ですので、ピンポイントに今のお悩みを治すのではなく、トータル的に見たお口の健康をめざして、精度の高い治療を提供できるという点が、一番の特徴だと思います。

日々の研鑽を大切に、歯ではなく人を診る診療を

アーク歯科クリニックの魅力について教えていただけますか？

1つは、患者さんのお悩みにトータル的なアプローチができることですね。当クリニックには、歯周病や歯の神経治療、矯正やインプラントなど、それぞれ異なる専門性を持つ歯科医師がそろっています。一人ひとり異なる患者さんのニーズや症状に応えるためには、各歯科医師が専門家となって、専門性を活かすことが一番だと考えています。もう1つは、「自分の家族を診るように、すべての患者さんに最善の治療を提供する」という理念です。患者さんのご希望を伺いながら、高い技術を持つ歯科医師が「何が患者さんにとって適切か」を判断して治療を提案しています。長年お悩みだった方はその分治療にも時間がかかる可能性もありますので、その点も含めて説明をし、歯科医師と患者さんが二人三脚でゴールをめざしていきたいと考えています。

専門的な治療を提供し続けるために、クリニック全体で取り組まれているそうですね。

医療は日々進化するものですから常に学び続けていくことを大切にしています。当クリニックでは、月に2回、受付や歯科衛生士、助手も含めてスタッフ全員で院内研修会を行っています。仕事の悩みやわからないことについて調べて考えたことを発表し合う研修会もあれば、歯科口腔外科のカンファレンスを行うこともあります。それぞれ仕事内容が異なるから、例えば詰め物を作るにしても「歯科技工所で詰め物を作ってもらうためには、患者さんの歯型が重要で大切に取り扱わなければならない」ということがわからないスタッフもいるわけです。それぞれが精魂込めてやっている作業を理解し合えば意識も変わり、そうした小さな変化が患者さんのためになると考えています。また、先進の治療だからと鵜呑みにせずに、勉強会に出たり論文を精査しながら見極めることも大切にしています。

患者さんと接する時に、心がけていることはありますか？

まずは、患者さんのお話をしっかり伺うことです。若手の先生には「歯を診るより人を診るように」と言っています。もちろん歯の状態を診ることも大切ですが、症状の背後にある人を診なければ、いくら良い治療を提案しても万全ではありません。患者さんはさまざまなお悩みをお持ちで、中には泣きながらこれまでのつらさを教えてくださる方もいます。そうしたお悩みを全部吐き出してもらうことから始めて、何で悩んでいるのか、どうなりたいのかをすべて伺います。患者さんのお人柄や気持ちをしっかり把握した上で、その患者さんにとって適切な治療は何かと考えることが大事です。また、患者さんが納得できるよう細かく説明したり、不安を増長させないために医療機器が極力目に入らないようにするなど、小さなところにも気を配っています。

地域に根差し、患者に寄り添う場所として

たいへんお忙しいと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか？

私はやりたいことがたくさんあり、毎日動き回っていますね（笑）。歯学部の同窓会の仕事もしているのですが、最近は歯学教育の未来を考えるようになりました。せっかく国家試験に合格しても、臨床経験が少ない歯科医師が多く、もっと業界全体で若手の育成をしていかなければならないと思っています。自分のクリニックだけ良ければいいと満足せず、業界全体の将来を見据えて、今後は若手の育成により力を注いでいきたいですね。

今後の展望について教えてください。

これからも地域への貢献を重視していきたいと考えています。麹町歯科医師会の会長を務めて活動している中で、医療連携の必要性を強く意識するようになりました。当クリニックは勉強熱心な医師やスタッフがそろっていますが、自分のクリニックだけが体制を整えているだけでは十分ではないと考えています。地域において、私たちに何ができるのかを模索している最中ですが、例えば、高齢化社会が進み、訪問診療のニーズが増していく中で、認知症の方を訪問診療で診たときに、必要な場合は歯科医師も連携していくなど、地域全体にとって良い流れをつくっていけるように、クリニックの外でも働きかけていきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は患者さんに、抱えていらっしゃるお悩みをすべて出してほしいと伝えています。やはり、それが一番大切なことだと思うのです。どのようなお悩みも、1日でも早く発見して、治療を始めることが大事で、放っておくと大変なことになってしまうこともあります。「今は痛くないから大丈夫」と思わず、後々大変な思いをしないためにも、小さな違和感からクリニックにかかることをお勧めします。当クリニックには、さまざまな専門性を持つ歯科医師がそろっていますし、患者さんのお悩みに真摯に向き合うために、日々勉強を欠かしません。歯のことで悩みを持つ方やメンテナンスに通う場所をお探しの方、セカンドオピニオンを受けたい方まで、ぜひご相談ください。アーク歯科クリニック一同、皆さまのお越しを心よりお待ちしています。