塩澤 宏和 院長の独自取材記事
駿河台診療所
(千代田区/御茶ノ水駅)
最終更新日:2026/01/07
御茶ノ水駅から徒歩2分、オフィスや大学が立ち並ぶエリアのビル5階に「駿河台診療所」はある。大きな窓から光が差し込む広々とした待合室は、ホテルのロビーを意識して設計された開放的な空間だ。院長の塩澤宏和先生は東海大学病院で消化器内科を専門に長く勤務し、より患者との距離の近い診療を求めて2017年に同院を継承した。内視鏡を専門とする医師による胃・大腸の内視鏡検査に力を入れ、「病院へ行って良いか迷う人にこそ来てほしい」と未病段階からの相談も歓迎する。穏やかで話しやすい雰囲気の塩澤院長は、受診のハードルを下げることに心を砕いているという。がんの早期発見への思いや苦痛の少ない内視鏡検査の工夫について聞いた。
(取材日2025年12月18日)
患者に寄り添いたいと、勤務医から開業医の道へ
まずは、院長になられた経緯も含め、先生のこれまでの歩みをお聞かせください。

東海大学を卒業後、同大学病院で消化器内科を専門に長く勤務してきました。代々木にある分院は比較的こぢんまりとした病院で、大学病院と一般病院の中間のような雰囲気があり、患者さんとの距離が近い環境でしたね。そこでがん患者に携わる機会が多かったんです。ただ、大学病院ではどうしても専門的な診療が中心になりがちで、もっと一般的な内科の仕事を患者さんに近いところでやりたいという思いが募っていきました。ちょうどそんな頃、当院の前院長である先輩が体調を崩され、後継者を探しているという話がありました。自分も開業医として新たな一歩を踏み出したいと考えていた時期だったので、2017年にこちらの院長を引き継ぐことになりました。
広々とした開放的な院内ですね。クリニックの特徴について教えてください。
この空間は前院長のこだわりで、ホテルのロビーのような待合室をコンセプトに設計されています。大きな窓から光が差し込み、照明も落ち着いた雰囲気に調整してあるので、ゆったりとお待ちいただけるのではないでしょうか。院内には診察室が4部屋あり、内視鏡検査室やエックス線室、心電図などを行う検査室も備えています。おなかに関することは超音波や内視鏡も含めて対応できますから、開業医レベルの検査であれば一通り提供可能です。常勤医は私一人ですが、日替わりで頭痛や血液疾患などを専門とする医師が入り、内視鏡に関しては私を含め日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医資格を持った医師が複数在籍しています。専門性を生かし、正確な診断を追求しています。
診療で大切にされていることや、どのような方に来てほしいかお聞かせください。

私が意識しているのは「未病」です。病気を早い段階で見つけて治療することも大切ですが、それ以上に病気にならないよう健康な体を維持することが重要だと考えています。ですから、まだ病気ではないけれど体の不調がある方、なんとなくすっきりしないという方にも、ぜひ来ていただきたいですね。例えば「私はおなかが弱い体質だ」と諦めていても、実はお薬や生活習慣の見直し、食べ物の工夫で対処できることもあるんです。漢方薬を活用することもできます。受診のハードルを下げて、気軽にかかれるクリニックでありたいと常々思っていますので、病気じゃないけど健康でもないという状態でも遠慮なくご相談ください。そういう段階から一緒に考えていくことが、大きな病気を防ぐ第一歩になると信じています。
がんは症状が出る前に。苦痛の少ない内視鏡検査を
先生が特に力を入れて取り組んでいる診療についてお聞かせください。

内視鏡検査には特に力を入れています。大学病院時代から長く携わってきましたし、がん患者さんを多く診てきた経験から、早期発見の重要性を痛感しているからです。がんは症状が出てからでは遅い場合が多く、いかに早く見つけるかが鍵になります。そのため、患者さんには定期的な検診の大切さをお伝えしています。特に大腸がんは日本人に非常に多い疾患で、女性の方にも多いんですよ。40歳を超えたら、何も症状がなくても大腸内視鏡検査を受けていただきたいと積極的にお勧めしています。ポリープは放っておくといずれがんになってしまうものもあるので、がん予防につなげるという意味でも検査は非常に大切です。ポリープの段階で切除を図ることでがんへの進行を防ぐことが期待できます。
内視鏡検査への抵抗感がある方も多いと思いますが、何か工夫はありますか。
なるべく苦痛の少ない検査を心がけています。胃の内視鏡検査では通常より細い経鼻用のスコープを使用しているのが特徴です。患者さんとご相談し鎮静剤も使用しますし、検査中につらければ麻酔を追加しますので遠慮なくおっしゃってください。検査室ではナースが常にそばについて背中をさすったり声をかけたりしながら、リラックスできる音楽も流しています。「内視鏡は苦しくないんだ」と思っていただければ、毎年の検査への抵抗もなくなり、それががんの早期発見につながっていくと考えています。また、胃と大腸の検査を同じ日に受けられるのも工夫の一つ。何回も来院しなくて済むので、忙しい方の受診ハードルも下がるのではないでしょうか。
一般内科としての診療と検査の両方を行う、こちらの強みを教えてください。

当院は内視鏡専門クリニックではなく、一般内科としての立ち位置が基本です。だからこそ、体調不良で来られた方をそのまま内視鏡検査につなげることができますし、検査で何か見つかった場合もそのまま治療に移行できる。一つの場所で一貫して対応できるのが強みだと思っています。検査後の説明から治療まで続けて受けられますから、別の病院に行く手間も省けます。また、私は日本肝臓学会肝臓専門医資格も持っており、B型・C型肝炎などのウイルス性肝炎や、最近増えている脂肪肝にも対応できます。脂肪肝は、放置すると肝硬変や肝がんに進行するものもあるんです。肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ症状が出にくいので、検査数値に異常があれば早めにご相談ください。
病院へ行くか迷う人にこそ来てほしい
患者さんへの説明や生活習慣のアドバイスはどのようにされていますか。

患者さんが知りたいのは、病気があるのかないのか、治るのか治らないのか、重いのか軽いのか、という要点だと思います。まずはそこをわかりやすくお伝えして、必要があればさらに詳しい説明をするようにしています。生活習慣のアドバイスについては、人それぞれ生活パターンが違うので正解は一つではありません。大切なのは、今後10年間続けられるかどうか。一瞬の努力は誰でもできるんですよ。でも、数ヵ月で終わってしまっては意味がない。だから私は「息抜きがあっても良いんじゃないか」とお伝えすることもあります。1週間のうち1日はご褒美の日があっても良い。そうやって続けていくことが、結果として健康につながっていくんです。患者さんと一緒に、その方に合った方法を考えていきたいですね。
今後、さらに力を入れていきたいことや展望についてお聞かせください。
内視鏡検査の件数をもう少し増やしていきたいですね。今年から大腸内視鏡を専門にやってきた先輩の医師に来てもらい、体制を強化しました。より多くの方に検査を受けていただけるようになっています。診察室もまだ余裕がありますので、対応力を高めていきたいですね。やはり、がんの早期発見には定期的な検査が欠かせません。「40歳を過ぎたら受けたほうが良いとは思っているけれど、なかなか一歩が踏み出せない」という方は多いと思います。だからこそ、気軽に受けられる内視鏡検査を提供し続けることで、一人でも多くの方のがん予防につなげていきたいと思っています。
最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

病院に行って良いかどうか迷ってしまう方って、実はたくさんいらっしゃると思うんです。そういう方こそ当院に来ていただければ、と。今日はなんだか体調が悪いなと感じたら、それだけで十分な理由になります。病気かどうかわからない段階でも、気軽にご相談ください。未病の段階で健康を維持するためのアドバイスや生活習慣の見直しを一緒に考えていくことができます。そして、がんは症状が出てからでは遅いということも知っておいていただきたいですね。定期的な健診を毎年受けていただくことが、ご自身と大切な方を守ることにつながります。そのためにも、なるべく通いやすく来やすいクリニックでありたいと思っています。何かあったときに「あそこに相談してみよう」と思い出していただける、そんな存在でいられたらうれしいですね。

