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藤本幸弘 院長の独自取材記事

クリニックF

(千代田区/四ツ谷駅)

最終更新日:2019/08/28

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「レーザーは人類史上最も大きな発明の一つ」と話す藤本幸弘先生が院長を務めるクリニックFは、「肌質の改善と向上」をテーマにレーザー/光治療を専門としている。「病気の診療を行わない病院」という日本ではまだ珍しい形態をとり、保険診療はなく自費診療のみ。場所は四ツ谷駅から徒歩3分、上智大学の向かいにある古いビルの4階にある。クリニックはこぢんまりとしているものの落ち着いた雰囲気があり、ここで完全個室制による治療が行われている。医学と工学どちらも博士号の学位を取得している藤本先生は、東京大学医学部附属病院勤務後、いくつかの医院経営を経て現在のクリニックを開業。米国と欧州の学会に籍を置き、レーザーに関する研究を論文にまとめ海外の学会で精力的に発表をしながら、リアルタイムで世界最先端のレーザー診療技術を導入している。レーザー医療による「美の追究」をめざすドクターに、クリニックの人気の秘密から最新のレーザー診療、オペラや芸術を愛するプライベートまでお話を伺った。
(取材日2014年2月10日)

レーザーによる肌質の改善と向上、アンチエイジングが可能

レーザーと光治療専門のクリニックとのことですね。

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アインシュタインがその礎を築いたレーザーは人類史上最も大きな発明の一つであり、自然界にはないレーザーという光を作り出したのは人間が成し遂げた偉業といっていいと思います。レーザーによる皮膚治療は西洋医学の中でも比較的新しく、この10年ほどで目覚ましい進化を遂げた発展途上の分野でもあります。例えば、以前はレーザー治療と言えば、レーザー脱毛やシミやほくろ、あざをメスで切り取るように治療することを指していました。ところが現在は引き続きそうした需要も残ってはいるものの、それ以外のフィールド……皮膚全体のトーンアップやリフトアップを図ったり、ニキビ跡や毛穴のような凹凸を滑らかに整えるためにレーザーが使われる。つまり、ここ数年を振り返っただけでもレーザーは「点」の治療から「面」の治療へと変化を遂げ、皮膚の若返り治療=アンチエイジングのためにレーザーが使用されることは美容医療の現場でも当然の認識となってきた。もちろん今後レーザーの適応は技術の進歩と共に更なる変化を遂げていくことでしょう。守備範囲もそれによって刻々と進化していくでしょうね。そんな中で2014年現在での知見をお伝えすると、こうしたアンチエイジング治療にレーザーを適用することの最大のメリットは、一般的な美容整形手術や注入療法などに比べ、皮膚ほか身体の組織にかける負担を最小限に留めながらも、医学的エビデンスに基づいた形で確実に外見が若々しくなっていくことです。具体的にいうと、皮膚の透明感と張りが改善され、額や頬といった加齢による沈みが激しい部分さえもレーザーによって時計の針を戻すことが出来る。ハリウッドスターやセレブリティの中には自宅に最新のレーザー機器を設置し、専門医を呼んで治療を行っている人もいるほど。海外では、俳優やモデルだけでなく政治家やビジネスマンもレーザー治療を受けることが普通で、女性だけでなく男性の利用もとても多いのです。

どのような治療を受ける患者さんが多いのですか?

クリニックFでは病気の治療を行っていません。保険診療がありませんので、あくまで自費で皮膚の若返りを求められる方が診療を受けに来られます。行う治療の中では、シミ、しわ、たるみ、緩み、毛穴、ニキビ跡の改善……といったご要望が多いでしょうか。病気を治す……つまりマイナス1をゼロにするのが我々の使命ではなく、すでにゼロより上にある数値をより上に引き上げていかなければならない、と思っています。2や3のスコアにある肌の健康を5や6に引き上げる、時には10に引き上げていくという診療を行います。当院における私の立場は、実際の治療を行うドクター兼エンジニアであると同時に、レーザー治療のコンシェルジュでもあり、またキュレーターでもあります。ここには15台以上の最新のレーザー治療機器が常に導入されており、アメリカで行われている最先端の治療と同等のものをリアルタイムに受けられることが特徴です。

診療において心がけていらっしゃることはありますか?

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先はまたどうなるかわかりませんが、現状では大学に勤務する勤務医ではなく、自分で看板を掲げる開業医の道を歩んでいますので、藤本という個人がひとりひとりの患者さんに提供しうるものを惜しまず最大限に提供する、ということは常に意識しています。医師にも個性がありますから、その個性の中にある良いもの・メリット・特異性に客観的かつ合理的なフォーカスを当てて自分が出来る最善の治療を追求していきたい。そして、医学には「根拠に基づいた医療(EBM:evidence-based medicine)」という考え方があります。「良心的に、明確に、分別を持って、最新最良の医学知見を用いる(“conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence”)」という医療のあり方で、これが私自身医師として最も大切にしたいと思っていることです。レーザー医療と工学の専門家として常に海外のレーザー治療の学会や最新の論文で情報や技術を仕入れ、クリニックでは最新のレーザー機器を駆使しながら確実にエビデンスのある治療を選択しています。また、これも私にとって重要なことは、例え理論的にも技術的にも魅力的な機器があったとしても、肌に負担の大きすぎる機器をここでは取り扱わない、ということです。多少時間はかかっても、患者さんの肌を安全且つ緩やかに改善していくことをテーマとしています。

世界最先端のレーザー治療を研究し診療に生かす

子ども時代のことや、医師を志したきっかけを教えて下さい。

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生まれたのは神奈川県の鎌倉市です。父は学者で現在も大学で勤務しています。母は専業主婦でしたが、母方の祖父は皮膚科医で、親戚を辿ると医師や理系の研究者が多いようです。私自身も幼少の頃から光学顕微鏡のミクロの世界や工学の世界、電子機器の世界に魅了され、将来は理系の研究職につきたいと夢を抱いていました。その一方で世界を舞台に活躍する外交官にも憧れていましたので、大学進学時には文系と理系どちらに進むか決断しきれなかったところがあります。結局受験のときには一度文系に舵を切り、慶應義塾大学経済学部に進学したのですが、入学間もなく自主退学し、医学部に入りなおしました。日本におけるペインクリニシャン(疼痛を主訴とする疾患の診療)の先駆者であった祖父の意思を継ごうと思ったのです。結果、信州大学医学部に再入学し、痛みの治療を専門とする麻酔科の医師を志しました。

どのようにしてレーザー医療と出会ったのですか?

大学卒業後、研修医として勤務した東京大学医学部附属病院の痛み治療外来で、光学機器のレーザー LLLT(Low Level Laser Treatment)を使用する痛みの治療法を知ったことがレーザーとの出会いでした。夢であった工学の世界と、仕事として選んだ医学の世界の接点をここで見出し、レーザー機器そして光学治療器を扱う医師になることを決意しました。レーザー医療の8割は形成外科皮膚科領域で開発されているため、工学的ハイテクノロジーと生体医学の双方を扱うことの出来るレーザー皮膚科に転科しました。その後、東京大学大学院医学系研究科博士課程にて「皮膚の免疫細胞を司る細胞(マストセル)の研究」で医学博士号を取得しました。大学院在学中にも3つのレーザークリニックの設立・経営に携わり、その中で次第にアメリカのような最先端のレーザー皮膚治療を日本でももっと必要とする人がいるはずだと、2007年に当院を開業しました。

海外の学会にも定期的に出席されていますね。

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年に15回ぐらい海外に行きます。「レーザーヴィレッジ」と私は呼んでいますが、レーザー医療の最前線で仕事をするコアな人たちが集まる学会やコンベンションに出席し、論文を発表したりするためです。2004年以降、米国レーザー学会(ASLMS)や、米国皮膚科学会(AAD)、ヨーロッパ皮膚科学会(EADV)にてほぼ毎年演題を発表し、世界のレーザー医学会に新しい治療法を提示・紹介しています。2005年に発表した論文「アジアンスキンの肝斑に対するQスイッチヤグレーザーピーリングとLEDの併用治療法」は、ヨーロッパ・アジア諸国で「フジモト・プロトコール」の名前で広まりました。レーザー医工学関連の国際学会での講演も昨年100回を超えましたので、だいぶ鍛えられたかなと思っています(笑)。

医学博士、工学博士の両方のレーザー専門家として

レーザーに関して医学博士と工学博士の両方の博士号を取得されていますね。

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この世界にいるとレーザー技術の進歩は本当にめざましく、今や工学的な知識無く医療でレーザーを使用することはほぼ不可能な時代になりつつあることを肌で感じていました。そのため、工学の知識はどうしても身に着けておきたかった。診療と出張をやりくりして工学部大学院に数年通いました。昨年東海大学大学院総合理工学研究科の博士課程を修了し、電磁気学・量子エレクトロニクス・光学の分野で工学博士号を取得しました。医学と工学どちらの知識も身に着けたことで、当然ですが機器への理解もより深まりました。今後の展望としては、日本でレーザー機器の開発に携わるようなこともしていきたいですね。将来的にはレーザー医学と工学の両方を関係者皆で組み合わせていくことで、国益に繋げていけたらという夢ももっています。その実現のために、これからも臨床と研究をできるだけ両立し、医学と工学の融合した世界で仕事をしていきたいと思っています。

印象的な患者さんのエピソードはありますか?

女性が綺麗になることで自信をもてるようになった、という話はよく聞かれると思いますが、同じように大きく人生が変わる男性もいかに多いことか、ということを度々目にします。それも10代や20代の若者だけでなく、60代〜70代といった父の世代のビジネスマンの方々が満面の笑みで喜んで下さるのを見るのはとても嬉しいものです。また、レーザーの治療に来られる方を診て、その人も自覚のなかった病気を発見することもあります。例えば40代の女性の患者さんですが、ある時いつもより肌の返りが悪いことに気づきました。いやな予感がして「代謝が落ちているかもしれないので、甲状腺機能を検査してみることをお勧めします」とお伝えしました。女性は病院に行き、そこでがんが見つかりました。手術を終え、今では元気になってまた当院に通われています。「あの時先生に指摘されなかったら、命はありませんでした」というご報告を受けました。

お忙しい先生ですが、リフレッシュ法やご趣味はなんですか?

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江の島の自宅が一番リラックスできますね。片瀬の海に浮かぶヨットや空を飛ぶカモメの姿を眺めながら研究論文を書くのが私にとっては至福の時間です。趣味は舞台鑑賞、それからゴルフやスキーも好きです。学会の仕事は早朝から昼間にかけてが多いので、夜はオペラやバレエ、ミュージカルなど舞台鑑賞をします。特に独自の世界観を作り上げたワーグナーのオペラが好きですね。海外では時間をみつけて美術館や歴史的建造物など美しいものに触れたり、写真を撮ったりするのも楽しみです。美しいものにふれると脳がリフレッシュされます。美とは、それを見出し、感じ、受け入れる側の方にあります。美しいものを見てその美をいかに理解するか。見るものすべてを研究と診療に生かしていきたいと思っています。

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